又吉直樹『火花』イギリスで英語版刊行 タイトルは『spark』(スパーク)

 2015年上期の芥川賞受賞作、又吉直樹の『火花』が英語に翻訳され、3月5日に『spark』というタイトルで刊行された。タイトルは主人公・徳永が中学時代からの友人である山下と組んだ漫才コンビの名前「スパークス」よりつけられた。

 『火花』は文藝春秋より2015年3月に刊行され、2017年2月に文庫化。また、2016年にはNetflixでドラマ化され翌年NHK総合で放送、2017年には映画化もされた。累計発行部数は326万部を突破している。

 海外ではすでに韓国版、中国版、台湾版、ベトナム語版が発売されており、翻訳版としては5カ国目となるが、欧米圏では初。英語版のカバーは、最後の“どんでん返し”が目玉焼きをひっくり返すことを連想させるとして、ポップな「目玉焼き」がデザインされた。

 日本からも、アマゾンでペーパーバック版とkindle版が購入できるほか、紀伊國屋タカシマヤタイムズスクエア南館の洋書専門店Books Kinokuniya Tokyoでも近日入荷の予定だという。

又吉直樹

■又吉直樹(またよし・なおき)略歴
1980年6月2日大阪府寝屋川市生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人。コンビ「ピース」として活動中。
〈作品〉『カキフライが無いなら来なかった』2009年幻冬舎刊(自由律俳句集 せきしろとの共著)。『まさかジープで来るとは』10年幻冬舎刊(同)。『第2図書係補佐』11年幻冬舎よしもと文庫刊。「そろそろ帰ろかな」別册文藝春秋12年5月号。「夕暮れに鼻血」別册文藝春秋12年9月号。『鈴虫炒飯』12年幻冬舎刊(創作四字熟語集 田中象雨との共著)。『東京百景』13年ヨシモトブックス刊。『火花』15年文藝春秋刊=第153回芥川龍之介賞受賞。『芸人と俳人』15年集英社刊(堀本裕樹との共著)。『夜を乗り越える』16年小学館よしもと新書刊。『劇場』17年新潮社刊。『往復書簡 無目的な思索の応答』19年朝日出版社刊(武田砂鉄との共著)。『人間』19年毎日新聞出版刊。

■書籍(英語版)情報
書名:『spark』
著者:Naoki Matayoshi
翻訳者:Alison Watts(アリスン・ワッツ)
出版社:Pushkin Press(プシキン・プレス)
発売日:2020年3月5日
書誌情報ページ: https://www.pushkinpress.com/product/spark/

文庫版書影

■書籍(日本語版)情報
書名:『火花』
著者:又吉直樹
出版社:文藝春秋
定価:本体580円+税
<文庫発売中>
文庫版書誌情報ページ: https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167907822

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