木村拓哉&二宮和也が“スター”である理由 ミセス大森、リーダーズ、アイナ、Creepy Nuts……新世代との交流から見える姿勢
木村拓哉と二宮和也。SMAPと嵐という時代を象徴するスーパーグループの一員として日本中に笑顔を届け、“国民的スター”の名にふさわしい存在感を放っている両者だが、そんな称号だけでなく、ほかにも新世代アーティストたちと積極的に交流を持っているという共通項がある。それぞれの活躍を見て育ったとも話す、アーティストたち。ときとして、ジェネレーションギャップが生まれそうなものだが、木村と二宮の寄り添う姿にはその壁を軽やかに越えていく小気味よさがある。
相手の作品やパフォーマンスに驚き、敬意を向けながら、どう心が動いたのかを率直な言葉で伝える。ただ絶賛するだけでなく、相手のよさを再認識する視点で語る。そして自分たちを応援してくれる人たちをも巻き込んで、その新たな才能を歓迎していくのだ。そんなふたりの姿に、長く第一線に立つ人の“器”を感じずにはいられない。
木村拓哉が持ち続ける、観客としての純粋な感動
木村がパーソナリティを務めるラジオ『木村拓哉 Flow』(TOKYO FM)には、9月6日の放送回から、9月のマンスリーゲストとして新しい学校のリーダーズが登場。ワールドツアーで忙しい彼女たちの出演が叶うと知り、「やった! マジか!」とうれしそうに迎えた木村。木村は4人を「四天王」と呼び、以前からスタッフに、ゲストとして招くことは「無理かなあ?」と相談していたという。
木村が新しい学校のリーダーズを知ったきっかけは、彼女たちのライブ映像だった。伴奏のないアカペラから、本編へ一気に駆ける流れ。セーラー服姿から繰り出される力強いダンス。振り付けも自分たちで考えていることを知り、「すっげえ。なんだ、このパワー!」「やべえのがいる」と木村は驚いたという。飾らない言葉だからこそ伝わってくる、素直に心が動いた喜び。もっと知りたいと思い、番組に招く。その行動にも、4人への敬意が表れている。
ワールドツアーの話にも、木村らしい反応があった。ヨーロッパ、アジア、北米の全27カ所を巡った経験を自然に話す4人に、木村は「A定食」「B定食」と定食を注文するような言い方だと笑いを誘う。大きなことをさらりと話している姿があらためてすごいことなのだと伝えたかったのだろう。
木村自身も、ソロ初の海外公演を含むツアーをスタートさせた時期。これからソウルや台北へ向かうからこそ、踏み入れたことのない土地の観客の前で何度もステージに立ってきた4人の言葉に、惹かれるものがあったのではないだろうか。
さらに印象的だったのは、彼女たちが、どんなジャンルの人と共演しても「よくも悪くも浮いている存在だった」と振り返った場面だ。木村はすぐに、「でも“浮いてる”っていうのは、異質っていうことだけでしょ?」と返した。
知られていないこと。受け入れられにくいこと。それを、誰にも真似できない個性へと変える。その短い言葉には、すでに彼女たちの表現を純粋に面白いと感じている木村のまなざしが感じられた。長い経験があっても、ひとりの観客として驚くことを忘れない。そして、そのすごさをまっすぐに伝えられる。年齢を重ねてもなお、男前っぷりを更新する木村拓哉がそこにいた。
レジェンドの“木村”から、笑い合える“アニキム”へ
Creepy Nutsと木村の関係もまた象徴的だ。Creepy Nutsのふたりにとって、木村拓哉はゴジラやウルトラマンと並んで敬称を略すほど、子どもの頃から見てきたスーパースターで、“かっこいい男”とはどういう人かを教えてくれた存在。粋な行動やかっこいいしぐさそのものを“木村”と名づけ、「平成って、木村の時代やった」と語るほど強く憧れを抱いていた。
そんなふたりが2020年11月に『Flow』に登場。本人を前に、呼び捨てにしてきたことを謝罪。「平成=木村」という発言についても、「いや、平成は昭和の次の元号で」と冗談を返しながら会話を広げていった。そんな溢れんばかりの木村愛が、「Yes, I’m」という楽曲になったことも大きな話題に。木村のアルバム『Next Destination』のためにCreepy Nutsが提供した本曲は、木村がこれまでに出演した作品を歌詞に織り込み、本人に言ってほしい言葉を詰め込んだ1曲だった。木村はその思いがこもった楽曲について、「こう来たか!」「流石っすよね」とラジオで感想を語っていた。
「レコーディングしていても楽しかったですし、レコーディングし終わった素材を彼らのもとに届けたら、R-指定から『あのラップ、ちゃんとここまで乗りこなすって、ビックリしてます』って」「『あ、ホントのラップやってる人って“乗りこなす”って言うんだ!』ってそのとき思った」と、また異なる感覚に触れた面白さについて、リスナーと共有していく。
そんなCreepy Nutsとのあいだで生まれた「アニキム」という呼び名のエピソードも忘れがたい。木村のアルバム購入者限定イベントでMCを務めることになったふたりは、ラジオのリスナーから呼び名を募集した。「キムタくん」「おキム」「アニキム」「キムネム」という4つの候補を本人に伝えると、会場の800人が「アニキム」に拍手を送る展開に。木村は、自分が返事をする前に会場から拍手が起きたことを受け、自分も含めた「801人のOK」が出たとして公認するのだった。相手の遊び心に乗りながら、その場にいるファンまで仲間に入れてしまう。遠くから憧れていた人と、笑い合える距離になる。その距離の縮め方にも、木村らしい温かさがある。