ExWHYZ、活動のすべてを解き放ったラストステージ マスターの心に永遠に刻まれた一夜、忘れられない“光”の輝き

 2022年の結成から4年。前身グループであるEMPiREから数えればじつに9年。ついにこの日が来てしまった。

 2026年8月31日、『ExWHYZ LAST LIVE '光'』。この4年の間にも紆余曲折があった彼女たちの最後のステージは、一言でいえばどこまでも“ExWHYZらしかった”。その“らしさ”を言葉で説明するのは難しいが、一度でもExWHYZのライブを観たことがある人ならばわかるだろう。ExWHYZのライブには、そこにしかない熱が常に漂っていた。その熱を分解するなら、例えば彼女たちが立つステージとマスター(ファンの総称)がひしめくフロアを包み込む空気のようなものであり、両者を固く結びつける愛であり、彼女たちのポテンシャルを信じたスタッフワークであり、そして、その期待を一身に背負って進化し続けた彼女たち自身の姿勢だった。そんなExWHYZならではのライブを、yu-ki、mayu、maho、mikinaの4人とZepp Haneda(TOKYO)に集ったマスターは、最後の最後まで貫き通した。ラストにしてベストなそのパフォーマンスは、歴史に刻まれるようなものではないのかもしれない。しかし、間違いなくそこにいたすべての人の記憶に深く刻まれて、これからの日々を照らす光となった。

 オープニングムービーに続いて、この日のために用意された黒い衣装を身に纏った4人が登場する。まず目に飛び込んできたのは、その表情だ。4人とも穏やかで清々しい笑顔を浮かべている。始まった1曲目は「ドラマ」。マスターの大きな声が場内に響き渡る中、彼女たちの歌う〈I wanna hear your voice/so I won’t stop the music/we won’t stop the music〉というフレーズがライブの幕開けを告げた。ラストアルバム『zION』からの「NOT ENOUGH」、そして「SHOWTIME」。まるで終わりに抗うようなアグレッシブな楽曲が、会場のムードをどこまでも高めていく。

 「初めまして、私たちExWHYZです!」から始まる自己紹介のMCに怒号のような歓声が飛ぶなか、yu-kiの「この先、何年も何十年も記憶に残る1日にしていきましょう!」という叫びがさらにマスターのボルテージをぶち上げ、イントロとなる「xANADU」から「BLAZE」へ。yu-kiやmahoの気合の入った声が響き渡った。さらに「Des Speeching」を経て、ステージ後方のスクリーンに4人の姿やフロアの様子が映り「You & Me」へ。マスターの手拍子と全力のコールを受けて、4人ともとても嬉しそうだ。mayuの笑顔が眩しい。さらに「フラチナサマー」「リグレット」が次々と繰り出され、「FIRST STEP」が高らかに鳴り響く。耳に手を当て「もっともっと」とコールを求めるyu-ki。「みんながここにいてくれるからさ、最後の最後、笑えちゃうよ!」という言葉が、このライブの空気を物語っていた。「Shall We」「Sweet & Sour」を経て、ここで『zION』から、yu-ki、mayu、mikinaが作詞に参加した「SONNET」が披露される。4人が手を重ねるポーズから始まった同曲には、解散が決まったあとのそれぞれの心情が赤裸々に綴られている。〈ありがとう 君に出会えて 本当によかった〉。ラストのフレーズを歌い終えると、4人は肩を組んで寄り添う。振り付けではなくアドリブだろう、mahoがmikinaの頭を撫でる姿に胸が熱くなる。

 「Fleeting」を経ての「00:00」では、ステージ上のカメラがメンバーの表情越しにフロアを映し出す。「もう1個ギア上げていきませんか!」というmahoの言葉とともに始まった「Obsession」では、mikinaの過去最高に力強い〈見逃さないで〉が飛び出し、「DON'T CRY」ではマスターを巻き込んで巨大なパーティーを作り上げる。ここからライブはますます加速。ExWHYZのパフォーマンスもさらに本能を解放していった。「Unknown Sense」での問答無用の高揚感が、「TONIGHT TONIGHT」でのレーザーを駆使した演出と4人の息の合ったコンビネーションが、「Our Song」で巻き起こった美しいシンガロングが、永遠に続いてほしいこの夜にクライマックスを少しずつ連れてくる。そして、ここで「Wanna Dance」が投下された。スクリーンに浮かび上がる「EVERYTHING STARTS AT THE END」「DANCE YOUR DANCE」の文字が、このラストライブの意味と、ExWHYZがずっと伝え続けてきたものをマスターに強く印象づける。「goodbye」の眩しいロックサウンドが文字通り光のように会場を照らし出すと、ライブはいよいよ最後のセクションだ。

 「最後に作詞をしました」。そう話し始めたのはmaho。「この活動を始めたときも、グループが変わったときも、何気ない日々の中でも、そして今でも。私はいつだって〈あかるいみらい〉がほしい。それを忘れないように、ここに置いていきます」。そんな言葉とともに届けられたのは「FADED」だ。スクリーンにはこれまでのグループの軌跡が次々と映し出される。〈ね、神様おねがいです/かなしみはねむらせてよ〉〈連れていってよ このまま/まだ知らない夜の先へ〉。過去にしがみつくのでも、終わりを惜しむのでもなく、あくまでその先へと進んでいきたいという願いが滲む歌詞を、4人は感情を込めて歌う。このラストライブは終わりではなく“始まり”なのだ。そして「GIVE YOU MY WORD」をもって本編は終了。「以上、私たちExWHYZでした。ありがとうございました!」。爽やかとも言える幕切れに、場内は大きな拍手に包まれたのだった。

 だが、もちろんこれで終わるわけにはいかない。有無を言わせない勢いのアンコールの声が鳴り響くなか、スピーカーから「zION」が流れ始め、ステージにひとりずつ戻ってきた4人がひとつになり、「WHERE」を歌い始めた。「NOT SORRY」では、まだそんなに元気なの? とびっくりするような声量のコールがメンバーに投げかけられる。「iD」のテンションの高いダンスと歌、ラップが炸裂すると「Everything」へ。ダイヤモンドダストのように浮遊するサウンドと軽やかなビートが新たな夜明けを連れてくるようだ。落ちサビを歌い終えたmahoが笑う。この曲では、最後に手を振る動きで終わるのだが、yu-kiはまるで地元を出ていく子どもを見送る母親のようにブンブン手を振っていた。

 そのyu-kiが「あー、終わっちゃうよ!」と名残惜しそうに口にして、最後のMCへ。「続けていくうちにたくさんの人に出会って、みんなとここに行きたいなって、こんな歌をみんなに届けたいなって、どんどん鮮明な夢が描けるようになっていって。そんな日々が、私はすごく大好きでした」。そして感極まりながらスタッフ、メンバー、マスターに「みんなのおかげで9年間、本当に幸せでした!」と伝えると、この日一番のビッグスマイルを見せてくれた。

 次はmayu。「振り返れば恥ずかしくて、情けなくて、消えたくなるくらいだけど、全部消さないって決めたんです。綺麗なことはもちろんだけど、後悔だって、都合よく書き足したり消したりしないって。全部自分のなかに大切にしまって、これからも進んでいくって決めました。今日こうやって清々しい気持ちで立てているから、それがすべてなのかなって思います」。「明日からどうやって生きていこうー!」と笑う彼女だが、「私はまだ途中だから! 生きていく理由はそれでいいと思ってる!」という言葉に惜しみない拍手が送られた。

 「今日、実感ないまま迎えてしまって、今もライブが楽しいから、あんまり実感できていません」と言ったのはmaho。ライブ直前、突然目が腫れて「勘弁してよ〜」と思ったという言葉に笑いが起きる。「でも、怖くなかったです。ここに来ればみんながいるし、ずっと私たちのそばにいてくれた曲があるし、だからどうなっても大丈夫って胸を張って来れました。そうやってここに歩いて来れたことが、この8年のすべてだと思います」と、文字通り胸を張るようにして、力強く言い切った。

 最後はmikina。「いろんな理由を考えて、自分を保つことはできなくはないけど、それでも離れがたいし……現実なんてどうでもいいから、ずっと一緒にいたいな……」と本音を吐き出して声を詰まらせる。「でも目の前に、愛おしい、笑わせたい、幸せを願っている人がこんなにいるって思えたら、明日からも頑張れる。そう思いませんか? だから頑張るんです。みんなのこともずっと願っている。本当にありがとう、大好きだよ」。そのmikinaらしい言葉は、同時に本当の終わりを告げる合図でもあった。「みんな、まだまだ歌えますか!? 最後、一緒に歌いましょう」。そして始まったのは、これまで何度も何度もライブ会場をひとつにしてきた「STAY WITH Me」。メンバーもマスターも一緒になってぐんぐん高みに昇っていくExWHYZらしい光景で、彼女たちは幸福なラストを迎えたのだった。

 ライブが終わってもステージを去らずにおしゃべりを続け、記念写真を撮り、会場みんなでウェーブを楽しむ4人。少しでも長くこの空間を味わっていたいという気持ちはマスターも一緒だ。何より嬉しかったのは、そのバックに流れていたのが「6WHYZ」のトラックだったこと。この曲はタイトル通り、脱退したmidorikoとnowを含めた6人だからこそ生まれた曲で、6人だからこそ意味を持つ曲。2人が脱退したあとライブで歌われることはなかった。だからこそ、最後の時間をこの曲と一緒に過ごせたことはとても感慨深かった。

 この日のライブの終了後、9月1日にExWHYZ最後の新曲がサプライズリリースされた。タイトルは「光」。そこには、4人からメンバーへの、そしてマスターへの想いがまっすぐに刻まれている。ExWHYZという光は消えたーーでもその残像は、まぶたの裏で新たな光となってこれからも灯り続ける。

ExWHYZは最後の瞬間まで未来を歌う 変化し続けてきた集大成、ラストアルバム『zION』に込めた“明日への願い”

活動終了間際のExWHYZから、3rdフルアルバムにしてラストアルバム『zION』が届けられた。ラストツアーの振り返りや『zIO…

ExWHYZが刻み込んだ全力の存在証明 感傷を蹴り飛ばし、“今”を楽しみ尽くしたラストツアー『DANCE YOUR DANCE』

『ExWHYZ LAST TOUR 'DANCE YOUR DANCE'』のファイナル東京公演が7月4日、Zepp DiverC…

◾️セットリスト
『ExWHYZ LAST LIVE '光'』
M1 ドラマ
M2 NOT ENOUGH
M3 SHOWTIME
M4 xANADU
M5 BLAZE
M6 Des Speeching
M7 You & Me
M8 フラチナサマー
M9 リグレット
M10 FIRST STEP
M11 Shall We
M12 Sweet & Sour
M13 SONNET
M14 Fleeting
M15 00:00
M16 Obsession
M17 DON’T CRY
M18 Unknown Sense
M19 TONIGHT TONIGHT
M20 Our Song
M21 Wanna Dance
M22 goodbye
M23 FADED
M24 GIVE YOU MY WORD
<アンコール>
M25 zION
M26 WHERE
M27 NOT SORRY
M28 iD
M29 Everything
M30 STAY WITH Me

関連記事