9Lana、ヘッドライナーとして届けた剥き出しの歌声 『YouTube Music Weekend 12.0』での衝撃、世界中を虜にする凄み

 第12回目となるYouTubeのオンライン音楽フェス『YouTube Music Weekend 12.0』が8月21日〜23日に開催された。今回は、アニメやゲーム、ネット発のカルチャーなどを横断する全113組のアーティストによる、プレミアムなライブ映像やMVが各アーティストの公式YouTubeチャンネルから順次公開された。日本で培われたカルチャーがいまや越境し、世界に熱狂を巻き起こしている。その力をまざまざと感じさせた3日間の祭典も、8月23日に大詰めを迎えた。

9Lana MINI LIVE |『プロポーズ』Cover /『足跡 – Brave the unknown / 『螺旋』

 最終日、TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』(テレビ東京系ほか)とのコラボレーション枠にてヘッドライナーを務めたのは、同作のエンディングテーマに「螺旋 - RASEN」が起用された9Lana。彼女は、2020年よりインターネット上で歌ってみた動画の投稿を開始し、2024年4月にアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系)エンディングテーマ「Let me battle」でメジャーデビューを果たした。エッジボイスやがなりをはじめ、9つの声質を使い分ける“歌役者”として知られる歌い手で、近年は自ら作詞・作曲にも携わるなど、表現の幅を広げている。物語の世界観や主人公の心情を汲み取り、言葉の端々にまで感情を宿らせる一方で、舌先で言葉を意のままに操るような軽快なボーカルワークこそ、9Lanaならではの持ち味だ。

 当日のライブ映像のリアルタイムチャットでは、日本国内はもちろん、海外リスナーの声も目に留まった。例えば、「WOAH OMG WHAT(うわ、マジで!?)」「WAIT SHE'S LIVE!!??(待って、彼女、生で歌ってるの!?!?)」「IM CRYING(泣いている)」「beautiful(美しい)」「I've prayed for this moment(この瞬間をずっと待ち望んでた)」「this is PEAK(これが最高到達点だ)」「지리네(すごすぎる)」など、ライブ映像に感極まる声から9Lanaの歌唱を賛美する声まで。とりわけ筆者が注目したのは、9Lanaが歌で感情のうねりを表現するたびに、チャットにも涙の絵文字や感情を露わにする言葉が相次いだこと。歌声に込められた感情の揺れが、そのままリスナーの感情へと波及していく。その様子がリアルタイムで可視化されていたことは実に印象深かった。

 さらに目を見張ったのは、ステージに集うその豪華な布陣。バンドマスター/サウンドプロデュースを務めるTakafumi"CO-K"Kokeiを筆頭に、Masaki Hori(Dr)、SHUN(B)、Yuki Nara(Gt)、Yudai Ohi(Key)らが揃う。彼らはAdo、米津玄師、ちゃんみな、アイナ・ジ・エンド、あいみょん、INI、NewJeansなど、音楽シーンの第一線で活躍するアーティストのレコーディングやライブサポートに携わってきた面々だ。加えて、バイオリンやチェロからなるストリングス隊までが集結した。高さの異なるステージに演奏陣が立体的に配置され、レトロな洋館の一室を思わせる舞台美術が広がっている。アンティーク調のライティングビューローに身を隠すように腰掛け、9Lanaは歌い続けた。ステージ前方中央の小さな台の上には、9Lanaの新イラストを模した人形がぽつんと置かれていた。

 ボカロP・内緒のピアスの代表曲「プロポーズ」のカバーで音世界の扉が開く。今にも割れそうなガラスを思わせる繊細さから、飛散したガラスを元の姿へと引き戻すほどの再気力。その両極を行き来する9Lanaの歌声には、人形に生命を宿すような、どこか神がかった力さえ感じられた。人形に限った話ではない。交錯する鮮烈な照明や空気から、荒れ狂うストリングスにバンドサウンドまで。ひとつも残すことなく、すべてをさらい、ステージ全体を巨大な機械仕掛けの装置にしてしまう。畏怖すら覚えるほどの凄みがある。

 実はこの「プロポーズ」は、海外ファンダムの拡大を決定づけた1曲。2024年4月に「プロポーズ」のワンコーラスをカバーした動画をTikTokに投稿したところ、海外ユーザーを中心に大きな反響が生まれた。それを受け、同年8月、初日の昼に初出演を果たした『YouTube Music Weekend 8.0』内では、本家によるアレンジを加えたフルサイズの「プロポーズ」をサプライズ公開した。同楽曲はその後も国内外で支持を広げ、2025年6月にはMVの累計再生数が1000万回を突破。現在では4700万回を超える驚異的な数字を叩き出している。米国やメキシコを中心に海外層に浸透し始めた2ndシングル曲「BALALAIKA」を上回るヒットとなった格好だ。

【MV】プロポーズ/ 9Lana cover

 そして、2025年8月開催の『YouTube Music Weekend 10.0 supported by PlayStation』内で、9Lanaの出演枠は最終日の夕方へとステップアップ。ここでは、9Lanaの名刺ともいえる「BALALAIKA」のアコースティックバージョンのMVとともに、「九尾」のMVを初公開。その後、「BALALAIKA」もロングヒットを続け、2026年5月にはMVの累計再生数が1000万回に到達した。

【MV】 「BALALAIKA」 / 9Lana

 こうして振り返れば、「プロポーズ」「BALALAIKA」がグローバルなファンダムを定着させつつあるなか、そのヒットの節目には『YouTube Music Weekend』があった。そして今回、2年前には通常ラインナップの一組として初日の昼に登場した彼女が、ついに最終日のヘッドライナーとして名を連ねるまでになったのである。

 呼吸の自由が制限されやすい姿勢でありながら、これほどまでに激しくがなり、荒れ狂う歌声を放つのか。なんとも驚かされる。過去から未来へと続くストーリーラインを持つ新曲「足跡 - Brave the unknown -」。言葉一つひとつに異なるタッチを加え、楽曲の情景を描き分ける。力強くも澄み渡るロングトーンが、その物語を鮮やかに響かせてみせた。9Lanaの歌唱に込められた感情の“熱”には、確かに言葉だけでは捉えられない引力がある。故に、異なる言語圏の海外リスナーの心を打つのだろう。そのことは、リアルタイムチャットの反応を見ても明らかだったと思う。

 フィナーレを飾ったのは、TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』のエンディングテーマ「螺旋 - RASEN」だ。響き渡るストリングスとバンドサウンドが広大な音の海を作り出し、9Lanaはそこへ剥き出しの感情を塊にして投げ込んでいった。その均衡が絶妙に思えた。ここでひとつ触れておきたいのが、今回のライブ映像の公開前に解禁された「螺旋 - RASEN」のアコースティックバージョンのMVで流れた音源と、『BLEACH』の物語の連動について。この音源は第45話の劇中で、ヒロイン・井上織姫のクライマックスを描いた2分尺のオリジナルシーンの挿入歌として使用された。願いをつぶやく彼女の姿と〈運命を変えたいの〉というフレーズが重なり、決意を胸にした場面で〈歩き出した 僕の因果〉と歌うサビへ。9Lanaの静謐な歌声から、刃を剥くような歌声の変化にも圧倒された。それは物語の転換、歌詞、歌声がひとつになり、作品に深い感動をもたらすエモーショナルな演出だった。

 最後には、10月3日に『9Lana 1st Online Live「DOLLS」』の開催も発表。ライブ映像が解禁された今、インターネットで育まれてきた9Lanaの歌が、世界へと直接解き放たれる準備は整った。その歌声の持つ射程は、まだ誰にも測れない。

【MV】螺旋 -Acoustic Ver.- / 9Lana | TVアニメ最終クール『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』エンディングテーマ

◾️リリース情報
螺旋 – RASEN – Acoustic Ver.
配信リンク:https://9lana.lnk.to/RASEN_AcousticVer

◾️ライブ情報
『9Lana 1st Online Live「DOLLS」』
2026年10月3日(土)PM7:00(JST)Streaming Worldwide.

<チケット受付>
国内:https://stagecrowd.live/9Lana_1st_onlinelive_2026/
海外:https://intl.stagecrowd.live/9Lana_1st_onlinelive_2026/

<見逃し配信>
2026年10月3日(土)21:00~2026年10月18日(日)23:59

<チケット販売期間>
2026年8月23日(土)22:20~2026年10月18日(日)23:00
※各種支払いの詳細に関しては、StageCrowd販売ページをご確認ください。

<チケット価格>
グッズセット付チケット:7,700円(税込)
グッズ内容:メタルチャーム+オリジナルフェイスタオル
※国内のみでの販売。
※システム手数料440円(税込)+グッズ送料880円(税込)が別途発生

通常チケット:4,200円(税込)
※システム手数料440円(税込)が別途発生

<配信プラットフォーム>
StageCrowd:https://stagecrowd.live/

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