CRAZY BLUES、代表曲「Lot」の広がりに見出す希望 3人の個性が混ざり合う新世代のオルタナロック
この3人だからこそ、「長くバンドを続けたい」
――新曲「夏、駆け抜けるような」もよしださんの作詞曲ですね。疾走感のある1曲の中にさまざまな感情が混ざり合っているような、爽快ながらもカオティックな楽曲。この曲はどのようにして生まれましたか?
よしだ:この曲は、バイト終わりにギターを弾いていたときにできた曲で。確か夏だったんですけど、その頃はナンバーガールとかのラウドな曲を聴いていた時期だったんです。イントロが最初にできたんですよね。そこから「自分は何を歌いたいんだろう?」と考えたんですけど、ちょっと時期は違うけど、毎日映画を観たり本を読んだり、物語を取り込んでいた時期があったんです。そのときに読んだ『おやすみプンプン』(浅野いにお)のイメージもあって、恋愛……というよりは“少年と少女の話”を書きたかったんですよね。美しいストーリーを書きたかった。でも、ハッピーエンドというよりは、ちょっと切ないような、実っていないし、もう側にはいないし、美しい記憶だけが残っている、っていう感じの、少年がひとりでひと夏を思い返しているような曲になったなと思います。書いている段階はそこまでちゃんとストーリーを考えていたわけではないんですけどね。「上手くいかない」という結末だけは頭にあったと思います。
――実らない結末に、よしださんは美しさを感じますか?
よしだ:そうですね。実った美しさも素敵だと思うんですけど、実らなかったからこそすっごく美しく見えるものってあると思うんです。人間って、自分が成せなかったことや得られなかったことの方が、より綺麗に覚えているものだと思うので。
――「Lot」もそうでしたけど、バイト終わりとか、生活の中で曲について考えることがはよしださんにとって大事な時間になっているのでしょうか。
よしだ:そう思います。今回の「夏、駆け抜けるような」は空想物語ですけど、私はできるだけ事実ベースで、自分が生活の中で思ったことを歌いたいという願望があるので。あと、これは私の性格なんですけど、自分の思っていることが正確に伝わってほしいんです。だからこそ、生活に近い歌詞を書くのかなと思います。
――今年5月には「ライトソング」、6月には「YoungGirlsNeverApart」が連続リリースされましたが、この2曲はいのうえさん作詞作曲ですよね。どちらもCRAZY BLUESの表現の幅を感じさせる楽曲たちだと思いますが、それぞれどのようなイメージから生まれた楽曲ですか?
いのうえ:「ライトソング」は、曲を作ったときに聴いていたのがスピッツの「8823」という曲だったんです。ああいう疾走感のある曲を作りたくて。で、曲は爽やかな感じでできたので、歌詞も応援歌のようなものをイメージして考えたんですけど……一応書くことはできるんですけど、客観的に見たときに「こんなの自分が言えた立場じゃないよな」と思ってしまうような歌詞ばかり出てくる。「俺、“頑張れ”なんて言えるか?」って思っちゃって。そのとき感じたんですけど、この曲を書いたとき僕は大学生で、課題を忘れたときに、横にいる友達も課題をやってこなかったらめっちゃ安心するんですよ。「(嬉しそうに)え、マジで?」みたいな(笑)。
――わかります(笑)。
いのうえ:そう思うと、「こんなダメダメな僕がいます!」と歌っている歌が、遠回しに誰かにとっての応援歌になることもあるんじゃないかって思って。だから、Aメロの〈どうしようもなく 悲しい夜に甘えたり〉とか〈素直なあの子をずるいと思ったりして〉っていうのは、本当に自分が感じたことを書きました。サビの〈歌を書きたくて〉っていうのも、歌詞に苦戦しているときに書いたから出てきた言葉で。そのくらい主観的な曲ですね。背中を押すというよりは、誰かと人生を並走できる曲になればいいなと思って書きました。で、「YoungGirlsNeverApart」はふたり(よしだとゆっち)に宛てた曲なんです。
――ああ、すごくしっくりきます。
いのうえ:ライブでもふたりの音量バランスを同じくらいにしてPAさんに音を出してもらっているんですけど、ふたりの声がライブハウスに充満する感じが本当に好きなんです。よしだはもちろん歌が上手いですけど、ゆっちもめちゃくちゃ上手で、コーラスの声もすごく綺麗なんですよね。なのでダブルボーカルっぽい瞬間がある曲があっても面白いな、と思って作りました。歌詞は「夏、駆け抜けるような」と同じように空想がメインなんですけど、参考にしたのは『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』という映画です。あの映画の、ふたりでニコイチな関係が、ドラムの視点からよしだとゆっちを見ている景色と重なるなと思って。人と人って、そんなに綺麗に繋がっていられるものではないのかもしれないけど、でも清濁併せ吞みながら、ふたりは一緒に歌っていてほしいという願い交じりでこの歌詞を書きました。
――じゃあ「YoungGirlsNeverApart」は、かつて放課後の軽音の部室でいのうえさんが見た、よしださんとゆっちさんがハモりの練習をしていた景色の延長線上にあるような曲なんですね。
いのうえ:確かに、そうですね。そうかもしれないです。
――ゆっちさんは、歌うのはお好きですか?
ゆっち:歌うのは好きです。よしだの声がいいなと思うので、しっかり音程は合わせたいし、私のハモりが入ることで曲がめちゃくちゃにならないようしたい。絶対に曲にプラスになるようにしたいなっていつも思っています。
いのうえ:CRAZY BLUESの楽曲では、ゆっちの声の存在がレコーディングでもライブでも大きくて。「ゆっちの声が入る前の曲はまだ2割で、ゆっちの声が入って10割になる」って、よしだはいつも言うんですけど。
よしだ:本当にそう。
いのうえ:ゆっちはよしだの声に対してのハモりも、バックコーラスも、ひとりで何テイクも録って和音を作るんです。しかも、ただ「3度上をなぞる」みたいな感じじゃなくて、新しいメロディを作曲してくるくらいのハモりを作ってくる。毎回驚きます。
よしだ:「頭の中、どうなってるの?」と思うくらい、ゆっちのハモりはオリジナルなんです。レコーディングまでは「恥ずかしいから」ってあまり聴かせてくれないんですけどね(笑)。レコーディングのときにはバッチリ仕上げてきてくれて、聴くと本当に2割だったものが10割になる。すごく感動するんですよね。
――最後に、CRAZY BLUESはこの先どうなっていきたいですか?
よしだ:高校生の頃からずっと「3人で長くバンドを続けたいね」と話してます。3人がデレデレ期のときは「おじいちゃんおばあちゃんになってもバンドしようね」って本気で言っているくらい(笑)。私は他の誰かとバンドをやることよりも、このふたりとバンドをやることに意義を感じています。
■リリース情報
デジタルシングル
「夏、駆け抜けるような」
2026年8月26日(水)配信リリース
配信リンク:https://CRAZYBLUES.lnk.to/NatsuKakenukeruyona
■ライブ情報
『exPoP!!!!! Vol.187』
2026年8月28日(金)渋谷 Spotify O-nest
『the neverminds Asis Tour 2026 in japan』
2026年9月 9日(水)心斎橋 LIVE SPACE CONPASS
『TOKYO CALLING」』
2026年9月22日(火・祝)
『MINAMI WHEEL』
2026年10月11日(日)
■関連リンク
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