スガ シカオは“破格”の存在であるーー30年の軌跡、The Family Sugarとともに鳴らした極上の横浜BUNTAI公演

30年の歩みへの感謝と60歳を迎える等身大の言葉

 アンコールはスガがひとりでステージに登場。「あと3日で60歳。人生の半分がミュージシャンという境目に」と感慨深く語る。17歳でモテたくて音楽を始め、30歳でデビュー。初のテレビ出演時にノーメイクのボサボサ姿で出てしまい、後日、放送を見て驚いたという失敗談や、前事務所から独立して一時メジャーから離れたが、現在のマネージャーやレコード会社のサポートに支えられたといったエピソードを赤裸々に明かし、紆余曲折をしながらもデビューからがむしゃらに駆け抜けてきたおよそ30年を振り返る。ファンに感謝を伝えるべく選んだ曲は、1997年のデビュー曲「ヒットチャートをかけぬけろ」。かれこれ18年間続けている弾き語りスタイルでの熱唱に、オーディエンスから惜しみない拍手と喝采が送られた。

 ここで再びファミシュガのメンバーがステージに登場。「今年、単独でのフルバンドライブはこれが最後。でも来年に向けていろんな面白いことが発表されると思う」と予告し、「本当にもう感謝、感謝で。そんな歌が届いたらよかったかなと思ってます。最後に、この曲を」と、キャリアを代表するアンセム「Progress」(2006年/kōkua)を披露。〈“あと一歩だけ、前に 進もう”〉というリリックを力強く歌い上げると、「これからも歌い続けるぜ~!!」と、改めて5000人のオーディエンスに誓った。

 スガがファミシュガの面々に、「またやろうね!」と笑顔で声を掛け、最後は全員で並んでオーディエンスに一礼。エドワード・エルガーの「威風堂々」が流れるなか、スクリーンに映し出された過去のスナップを眺めながらほがらかに退場。30年の足跡と、音楽への揺るぎない情熱が濃縮された30周年イヤーの鮮烈なキックオフライブが幕を閉じたのだった。

 ファミシュガの尋常ならざるグルーヴはもちろん素晴らしかったが、そのグルーヴに乗って、まさしく“威風堂々”のパフォーマンスを見せたスガが本当に素晴らしかった。歌の説得力も、アコギにエレキギターのプレイも、ステージングも、フィジカルも、そのすべてがShikao & The Family Sugar時代よりも、20周年当時よりも、タフで精悍だった。よくぞ、これほどまでの“いい曲”を、こんなに書き続けてきたものだ。それでも、この日の大半はキャリア初期の楽曲だったのだから、改めて“破格”のシンガーソングライターである。

 スガの予告通り、終演直後には10月より放送のTVアニメ『恐怖コレクター』(NHK総合)のオープニング/エンディング両テーマの書き下ろし決定に、12月からスタートする30周年記念ツアーのスケジュール、2027年2月23日に『スガフェス』形式でツアーファイナルを飾る神奈川・横浜アリーナ公演の発表と、さっそく情報解禁が連発。誰にも似ていない日本語ファンクネスを武器にますます加速するスガ シカオの30周年イヤー、今後の展開が楽しみでならない。

■セットリスト
『YOKOHAMA UNITE音楽祭 2026 presents スガ シカオ 30th ANNIVERSARY Shikao & The Family Sugar ONE NIGHT LIVE!』

M01.かわりになってよ~性的敗北
M02.ドキドキしちゃう
M03.アシンメトリー
M04.正義の味方
M05.ホームにて
M06.青空
M07.黄金の月
M08.アストライド
M09.日曜日のお午後
M10.あまい果実
M11.イジメテミタイ
M12.19才
M13.ストーリー
M14.夜空ノムコウ
M15.夕立ち
M16.Soul Music
M17.午後のパレード
M18.コノユビトマレ
EN1. ヒットチャートをかけぬけろ(弾き語り)
EN2. Progress

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