“Mr.ノリック”と“Mr.マリックの実娘”コラボはなぜ実現? 木梨憲武×LUNA、所ジョージも加えて起きた想定外の化学反応

 Mr.マリックの実娘でR&BシンガーのLUNAが、木梨憲武をプロデューサーに招いた新EP『We Are』をリリースした。

 2003年にアルバム『FREAK SHOW』でデビュー。音楽活動やアパレルブランドのプロデュース、タレントなどマルチに活動してきたLUNA。木梨憲武の冠ラジオ出演を機に実現したという今作は、木梨憲武がプロデュース、作詞・作曲を所ジョージが担当。ディスコファンク×歌謡曲を木梨とLUNAが歌い上げる「I love You」をはじめ、彼女のボーカルスキルが光るR&Bナンバー「素晴らしき星」、そして壮大なバラード「忘れないで」とバラエティに富んだEPに仕上がった。

 木梨憲武がMr.マリックのパロディ “Mr.ノリック”で、お茶の間に笑いを届けていた頃から数十年。どのようにして二人は出会い、今作に至ったのか。木梨のプロデューサーとしての手腕、LUNAと所ジョージのコラボで起こった化学反応など、ここでしか聞けないレアな話を存分に語ってもらった。(編集部)

「お父さんも呼んでくれない?」ーー「愛でしかない feat. 紅桜」が繋いだ二人の縁

ーーまずは、2人のご関係性から教えていただけますか?

木梨憲武(以下、木梨):ご関係性はですね……LUNAのまわりにいる仲間たちは、俺も全員知っているんだけど、俺とLUNAは結構最近なんですよ。

LUNA:そうなんです(笑)。

木梨:そもそものきっかけで言うと、2024年の終わりから、ABEMAで『木梨レコード』っていう音楽番組をやっていて。その番組のMCを一緒にやっているAshleyっていうR&Bシンガーの子がいるんだけど、その子のプロデューサーをLUNAがやっていて。それで、現場で話すようになったんだけど、そしたらAIちゃんとか、俺のR&B/ヒップホップ関係の友だちは、みんなLUNAの友だちというか、全員繋がっていたんですよね。しかも、よくよく話を聞いたら、Mr.マリックさんの娘さんだって言うじゃない。

LUNA:そうなんですよ(笑)。

木梨:で、ちょっとビビり始めたというか(笑)。俺は「Mr.ノリック」っていうマリックさんのモノマネを、勝手にやらせてもらっていて。ある意味、マリックさんの子分みたいなもんだから(笑)。

LUNA:(笑)。でも、実際に共演したことは、これまでほとんどなかったって聞いて、ちょっと意外でした。

木梨:いや、俺はマリックさんの裏番組のほうで、勝手にやっていただけだから(笑)。

LUNA - 愛でしかない feat. 紅桜 (Official Music Video) 〜Mr.マリック&Mr.ノリック(木梨憲武)奇跡のWハンドパワー編〜

ーー(笑)。ということは、去年LUNAさんが発表した「愛でしかない feat. 紅桜」のMVで、木梨さんとマリックさんが共演しているのは……。

木梨:あれは結構な大事件でした(笑)。

LUNA:(笑)。あれも結構、急な話だったんですよね。たまたま「木梨レコード」の番組ゲストがラッパーの紅桜の収録があって、その時に「実は私も彼とコラボした新しい曲ができたから、ノリさん、聴いてみてくださいよ!」って、あの曲をその場で聴かせたら、ノリさんがすごく気に入ってくれて……。

木梨:そう、めちゃくちゃ気に入ったんだよね。で、「俺にも歌わしてくれない?」ってお願いしたんだけど、「いや、もう遅いです(笑)」って、軽くいなされて……。

LUNA:「だったら、MVはどうなの?」「MV作るんだったら、俺、出るけど?」って、ノリさんが言ってくれて……。

木梨:そう、「MV撮るなら、俺、行くけど、お父さんも呼んでくれない?」って、LUNAにお願いして……。

LUNA:で、その場で電話したら、マリックさんが快諾してくれたんです(笑)。

木梨:で、その現場で、LUNAはそっちのけで、いろいろとお話をさせていただいたというか、マリックさんに俺のライブに出てもらう約束まで、そこで取り付けたりして……。

LUNA
木梨憲武

ーーそれが、今年3月に木梨さんがやったブルーノート東京のライブになるわけですか?

木梨:そうそう。LUNAよりも先に、お父さんと一緒にステージに立ったっていう(笑)。

LUNA:(笑)。ノリさん、宙に浮かせてもらったりしていましたよね?

木梨:そう、ハンドパワーで(笑)。で、そこからもう一回、LUNAのほうに戻ってきたというか、「そうだ。LUNAと一緒に音楽を作ろうって話だった……」っていうのを思い出して……。

ーー(笑)。LUNAさんは、シンガー/プロデューサーとして、長らくR&B/ヒップホップの現場に携わってきたわけですが、木梨さんのことは、そもそもどんなふうに見ていたのでしょう?

LUNA:どんなふうにも何も、私は完全にとんねるず世代なので、小さいときから、とんねるずのテレビは全部観てました(笑)。もちろん、とんねるずの歌手としての活動も観てきたし、ノリさんがブラックミュージックが好きなことも知っていて。そういうところも、ずっとリスペクトしていました。

木梨:そう、LUNAと話すようになる前から、そっち系の新しい仲間たちと遊ぶことが多くなっていて。で、自分もアルバムを作りたいっていうか、おじさんが歌うR&Bとか、おじさんが張り切るヒップホップとか、誰も触らないようなところを、あえてやるような感じのことをやりたくなって……。

ーーそれが、2024年にリリースした『木梨ソウル』になるわけですか?

木梨:そうそう。その過程で知り合った仲間たちも、みんなLUNAの知り合いだったんだよね。だから、今回の楽曲も、全部そっちに乗っかる感じなのかなと思いきや、意外や意外、最近我々が所さんと一緒にやってきた新浜レオンくんとか、歌謡方面のものが欲しいっていうことで……。

ーーということは、今回のコラボレーションは、LUNAさんのほうから、話を持ち掛けた感じなんですか?

LUNA:そうです。というか、去年の夏ぐらいだったかな? ノリさんが毎週土曜の朝にやっているラジオ(『木梨の会。』)に、お邪魔させていただいたんですね。で、私は最近、若い子たちのプロデュースをやったりしているんですけど、「自分もプロデュースされたいんです!」っていう無茶なお願いを、ノリさんにして(笑)。

木梨:要は、所ジョージさんの曲が欲しいと(笑)。で、どの曲がいいだろうって、所さんが鼻歌で歌ったものをいくつか渡して、それをLUNAのほうでアレンジすることになったんですけど、それで戻ってきたものが、完全に今のR&B/ヒップホップな感じのものになっていたんですよね。で、所さんも喜んじゃって「俺の曲じゃないみたいで、すごくいいね」とか言い出して。「だったら、この曲はどうかな?」って、また違う曲をLUNAに渡したりして。まあ、そのへんは、俺が入り込む余地のないところなので、横でおとなしく見ていただけなんだけど(笑)。

ーー(笑)。LUNAさんは、木梨さんのプロデュースのもと、所さんが作詞作曲してきた楽曲の、どこに魅力や面白さを感じて、今回依頼することになったのでしょう?

LUNA:所さんの作る曲って、やっぱり歌詞の世界観が、すごく独特だと思うんです。そういうものを歌ってみたかったというか、最近のR&B/ヒップホップって、日記みたいな歌詞が多かったりするんですけど、もうちょっと文学的というか、哲学的なものが欲しかったというのもあって……。

ーー所さんの書く歌詞って、ちょっと不思議というか、ときどき「?」ってなる感じがありますよね。

LUNA:そうなんですよ(笑)。そこがいいというか、それを自分のR&Bの中に落とし込んだら、どうなるんだろうっていう。その化学反応みたいなところで、ちょっと遊んでみたいなって思ったんです。

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