Aqua Timez、ORANGE RANGE、YUI……アニメ『BLEACH』音楽史、20年以上の時を超えて響く名曲の数々
TVアニメの最終クールとなる『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』(テレビ東京系)が7月25日より放送スタートする。2004年に放送が開始したTVアニメ『BLEACH』では、これまでに数多くのテーマソングが生まれてきた。『BLEACH』としての約7年半の放送と、劇場作品や最終章『千年血戦篇』の楽曲を含めると、その数は全50曲以上にもおよぶ。その中から、時代を象徴するヒット曲や、のちに大きくブレイクスルーを果たしたアーティストも数多く存在する。
時代を彩ったヒット曲とブレイクの軌跡
バンドの20周年を記念して書き下ろされた「OLDROSE」を含めると全5曲を手がけたAqua Timezは、『BLEACH』の音楽を代表する存在と呼んでいいだろう。オープニングテーマらしい疾走感にあふれながら、スタイリッシュな映像ともマッチした「ALONES」と「Velonica」。エンディングテーマ「MASK」では胸を締め付けるエモーショナルなボーカルを聴かせ、『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』主題歌「千の夜をこえて」では、ストリングスとアコースティックギターが印象的なバラードでファンの心を掴んだ。どこかミステリアスさも孕んだストーリー展開を踏まえながら、登場人物たちの心情にもしっかり寄り添った楽曲群は、実に理想的なタッグだった。
サンボマスター、ポルノグラフィティ、YUI、SCANDALらは、それぞれ2曲ずつテーマソングを担当している。サンボマスターが手がけたエンディングテーマ「君を守って 君を愛して」は、歌詞に合わせて雨の情景を描いた映像も印象的。『劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』主題歌「光のロック」では、映画のメインキャラクターとなった日番谷冬獅郎の活躍をアッパーのサウンドに乗せて歌い上げた。ソリッドなギターとボーカルがクールな、『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』主題歌「今宵、月が見えずとも」を担当したポルノグラフィティは、オープニングテーマ「アニマロッサ」の印象も強いだろう。ラテン調のパーカッシブなサウンドに乗せて、一筋縄ではいかない戦いを旅になぞらえて歌った。
YUIは、映画『タイヨウのうた』(2006年)への主演で注目を集める前年に『BLEACH』と初タッグを組み、「LIFE」がエンディングテーマとして起用された。その後発表されたオープニングテーマ「Rolling star」のMVはエレキギターをかき鳴らす姿も印象的で、同曲を収録したアルバム『CAN'T BUY MY LOVE』で自身初の「オリコン週間アルバムランキング」で1位を獲得(オリコン調べ/※1)。YUIの快進撃の傍らには『BLEACH』の存在があったと言える。
SCANDALによるオープニングテーマ「少女S」は、土砂降りの中でダンスするように演奏する品川庄司の品川ヒロシが監督を務めたMVと、朽木ルキアと井上織姫が制服姿でダンスするオープニング映像も話題を集め、彼女たちの出世作となった。2012年には爽やかな風が吹くような「HARUKAZE」で再びオープニングテーマを担当。同曲を収録したシングルの初回生産限定盤では、Aqua Timezの「ALONES」とORANGE RANGEの「*~アスタリスク~」をカバーして“『BLEACH』愛”を見せた。
YUIやSCANDALのように、デビュー間もない時期のアーティストが『BLEACH』のタイアップをきっかけに人気を獲得していった例は多い。UVERworldのデビュー曲「D-tecnoLife」はその代表格だろう。ソリッドかつ疾走感にあふれ、切なさや悲しみをはらみながらサビは爽快に展開する『BLEACH』楽曲のお手本のような同曲は、20年経った今も彼らのライブで人気のナンバーになっている。また、2010年代に入ってからはSPYAIRの2ndシングル表題曲「Last Moment」、Aimerの2ndシングル表題曲「Re:pray」がそれぞれエンディングテーマに起用。どちらも、のちに数々のアニメソングを手がけていく足がかりとなった。
バラエティ豊かなEDテーマ、ジャンルを超えた多彩なコラボ
ORANGE RANGE、ASIAN KUNG-FU GENERATION、BEAT CRUSADERSなど、ロックバンドを中心とした楽曲が多く起用されたオープニングテーマに対し、エンディングテーマには実に幅広いジャンルのアーティストが起用されてきたのもTVアニメ『BLEACH』の特徴だ。HOME MADE 家族、いきものがかり、中孝介、Lil'Bなど、ジャンルもメンバー構成もさまざまだ。
近年ではAve Mujicaのサウンドプロデュースや、渡辺直美が出演するTVCM『チョコサクサァァーク』篇の「ウェカピポ meets チョコサク」(「ウェカピポ」をリメイク)などで再注目を集めている、SOUL'd OUTのメインMC·Diggy-MO'も『BLEACH』ファミリーのひとり。ソロ楽曲「STAY BEAUTIFUL」でエンディングテーマを担当し、アメリカをモチーフにキャラクターを描いたスタイリッシュなエンディング映像も話題を集めた。
意外なところでは、2009年に浅井健一の「Mad Surfer」がエンディングテーマに起用され、スタイリッシュな映像とクールな楽曲が見事にマッチし、『BLEACH』のアート性を体現する1曲となった。2010年の『劇場版BLEACH 地獄篇』では、『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などのイメージが強かったT.M.Revolutionが主題歌「Save The One, Save The All」を手がけた。さらにシドやViViDなどのビジュアル系バンドや、ステレオポニーやチャットモンチーなどのガールズバンドも名を連ねた。