アイドルプロデューサー/運営陣が本音で語る『TIF』の価値 シーンが抱える課題と参入障壁の高まり

プロデューサー陣が本音で語る『TIF』の価値

若手不足、参入障壁の高まり……アイドルシーンが抱える課題

――興味深いお話をありがとうございます。皆さんのお話を聞いて、『TIF』自体の在り方も変わるタイミングにきているのかなと感じましたが、昨今のアイドルシーンにおける変化や課題などを挙げるとしたら、どのようなことがありますでしょうか?

松井:ライブアイドルシーンからも、バズって一気に動員が増えたり、無名グループのデビュー曲が当たって一気に駆け上がったりするようなケースもあるので、大手グループや大手事務所との垣根みたいなものはなくなりつつあるのかなと感じています。熱量や戦略でどうにでもなる時代になったのかな、という感覚はありますね。でも、僕らの身近なところからそこまで突き抜けたグループはまだいないので、ライブアイドルといわゆるメディアで活動しているグループとの垣根はまだまだあるのかもしれません。ただ、それで言うと、TikTokだけは少し別物だなという感じがあります。メディアで活躍するアイドルとも僕らのようなライブアイドルともまったく異なる、「ショート動画系のアイドル」という新ジャンルができたのかなという感覚が強いです。

加藤:アイドルシーンの課題で言うと、僕が今10年目ぐらいで、何人かは年下のプロデューサーも出てきましたけど、これまでは自分がずっと最年少だったので、若いプロデューサーがあまりにも少ない世界だなと感じています。去年、AOAOでメインステージ争奪LIVEに出た時にも他の運営はみんな知り合いでしたし、ライブアイドルのサーキットフェスなどで名を連ねる運営はすぐに連絡できる人たちしかいないくらいで。自分たちのイベントを組む時などには楽だしありがたいですけど、その反面、若い人がずっと増えていないなという感覚がありますね。「お前らがいるから若い奴らが出てこられないんだ」と言われたりもしますけど……(笑)。

 僕らが始めた頃は若い人がめちゃめちゃ増えていた時期で、大手じゃないところでも「自分でチャレンジしてみよう」という人がたくさんいたんですよね。結局、今は当時のグループがなくなってしまって、第2、第3のグループをやっているわけですけど、僕は“1回目の熱量”が一番すごいと思っています。もちろん今やっているグループに対しても僕が今持っている最大の熱量を出そうと思ってやっていますけど、最初に自分でかき集めたお金で作った曲などと比べると、熱量というか、そもそもの価値自体が違うと思っているんです。だからこそ、そんな初期衝動のような熱量を持った若い子が、アイドルシーンのプロデューサー側で増えてきたらいいなと思っています。それが課題というか、僕がずっと思っていることかもしれません。

甘噛:僕もそのお話に被せていいですか? 僕らがやっていた最初の頃は、ノリとテンションと勢いで全然いけましたけど、今のこのお金がかかったクリエイティブが溢れる中で、初手でライブアイドルシーンに入ってきて売れるグループを作れるやつがいたら超天才だと思います。

加藤:確かに。

甘噛:僕らの時代と難易度が違いすぎるというか……。我々が老害として蓋をしている部分もあるとは思うので、みんなで「せーの」で辞めて、3年ぐらい若い子たちに頑張れと託してみるのも面白そうですけどね。

加藤:席が全部空くわけですから(笑)。

松井:確かに、参入障壁というか、ハードルは昔と比べて格段に上がっている気がします。加藤さんは地元の友達とバイトでお金を貯めて、最初のグループを作っていいところまで行ったわけですけど、今それと同じことをやろうとしたら、1,000万くらい持っていないと売れないでしょうし、もしくは、顔が超広くないと売れないでしょうから。当時の状況と比べると無理だなと思っちゃいますよね。

甘噛:できる、できないは置いておいても、バイトして150万でも200万でも「お金を貯めてきたので教えてください!」と言ってくるような若者がいなくなったのは事実ですね。颯(加藤)たちは、成功するかはわからないけど、必死にバイトしてお金を貯めて、熱量を持ってライブアイドルシーンに入ってきた。その行動力が今の結果に繋がっていると思うので、そういう若者が今現れてくれたら我々もめちゃめちゃ可愛がると思いますし、ライブアイドルシーンがさらに面白くなるだろうなと思います。

松井:ぜひ、我こそはという方は連絡してきてください!

――ありがとうございます。最後に未来に向けたお話で締められたらいいなと思っていたのですが、思いがけぬ形でライブアイドルシーンの課題からそのまま未来に繋がるお話になりました。

甘噛:ここまで話してみて、やっぱり僕ら全員が一旦辞めるのが一番面白いかなと思いましたけどね。

一同:(笑)。

松井:あとは、僕やヤマモトショウさんみたいに、みんなが地方に散らばるしかないのかなと。

甘噛:それか、どこかのメディアで、アイドルプロデューサーのオーディション番組をやってくれたら面白いと思いますね。

松井:それを『TIF』がやればいいんじゃないですか。プロデューサー発掘番組。

加藤:僕らが「ああだ、こうだ」と言ってお金を投資するみたいな企画にしたら、きっと面白くなるんじゃないかなと思います(笑)。

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