BE:FIRSTは常に音楽表現を更新し続ける 映像で引き出す「Missing」の魅力と物語を彩る歌の深み
7月1日、BE:FIRSTが10thシングル『Missing』をリリースした。表題曲「Missing」はUKダンスシーンを代表するDJ/プロデューサーのジョナス・ブルーを迎えたダンスポップナンバーだ。ジョナス・ブルーとは「Don’t Wake Me Up」以来の2度目のタッグで、「Missing」はダンサブルなトラックとBE:FIRSTの美しい歌声が印象的。歌詞では忘れられない恋人への未練と後悔が繊細に描かれており、感情の揺らぎと高揚感が交差する切ないラブソングになっている。そんな「Missing」のMVは、シングルリリースに先駆けて6月29日に公開。「Story ver.」と「Move ver.」の二本立てになっており、同じ楽曲を異なる視点で描く初の試みがなされた。
BE:FIRSTが「Missing」で挑んだ新たな音楽アプローチ
「Story ver.」は、俳優・窪塚愛流が主演を務めるドラマ仕立て。留学先であるタイで出会った女性と過ごす日々の思い出を胸に、物理的に離れ離れになっていく様子を描いたストーリーだ。BE:FIRSTの出演は、窪塚と女性が彼らがパフォーマンスをしている繁華街に偶然居合わせるという、ごくわずかに留められている。しかし、楽曲の存在感はしっかりと際立っている。映像は一つの物語として成立している一方、その感情の機微を映し出しているのは歌そのもの。楽曲がナレーションのように物語へ寄り添い、登場人物の心情を描写する役割を担っているのだ。“楽曲に映像が付いている”のではなく、“楽曲が物語を支えている”。つまり、あくまでも歌が主役のMVと言えるだろう。
対して「Move ver.」は、BE:FIRSTのパフォーマンスを存分に堪能できる映像だ。振り付けを手掛けたRyusei Haradaが「夏に感じる幸せだけど楽しいけど、寂しいな切ないなの感情が耳からも目からも感じ取れるように作りました! けど1番はLiveで生でお客さんを楽しませれるように、Liveで完成するようにそうちんくんと相談しながら作りました」(※1)とコメントしている通り、楽曲が持つ複雑な感情をダンスでも表現している。また、全員で同じムーブをする部分も多く、それぞれのダンスの個性が際立ってもいる。たとえば冒頭のスナップ一つ取っても、メンバーによって表現はさまざまだ。
歌唱面で印象的なのは、随所に散りばめられたハイトーンボイス。歌詞の世界を繊細に表現しつつも、決して線の細い声にはなっておらず、胸の中心から音が響いているように聴こえる。そのため単に悲しみだけではなく、恋しさや後悔、希望などのさまざまな感情の揺らぎが感じられるのだろう。
こうして2本を通して見てみると、「Story ver.」では楽曲の世界観が膨らみ、「Move ver.」ではパフォーマンスの熱量が伝わってくる。物語とパフォーマンスという異なるアプローチを組み合わせることで「Missing」を多角的に味わうことのできる、これまでとは異なる映像表現を提示したのである。パフォーマンスを軸に魅せてきたBE:FIRSTが、楽曲を映像作品として届けるという新たなアプローチに踏み込んだことも、本作の見どころの一つだ。
デビュー5周年という節目を迎えたBE:FIRST。歌やダンスだけでなく、それらをどう映像で届けるのかという表現にまで挑戦した「Missing」は、彼らの表現の幅広さを改めて感じさせる作品となった。これからもBE:FIRSTは進化を続け、新たな形で音楽を届けてくれるに違いない。
※1:https://www.instagram.com/p/DaK8xchkx-Y/


























