TOBEアーティストの挑戦と共存、手に入れた強さ、その先へ! ヒーローたちの現在地を示した祭典『to HEROes』
4月20日から22日に愛知・バンテリンドーム ナゴヤ、5月16日と17日に北海道・大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)にて開催された『to HEROes 〜TOBE 3rd Super Live〜』(以下、『to HEROes』)。TOBE所属アーティストが集結する夢の祭典は、今年で3年目を迎えた。5月29日からはPrime Videoでの独占配信もスタートしている。
各アーティストが順に登場するオープニングブロックののち、グループの垣根を越えたコラボレーションコーナーを挟みながら、それぞれのステージが繰り広げられていく。ラストは再び全員がフロートに乗って登場するアンコールへ――。全体の構成は、1年目、2年目を踏襲した形だ。入れ替わり立ち替わり、畳みかけるようにパフォーマンスが続いていく、ノンストップの約2時間40分。だが、今年は愛知、北海道とどちらも初開催の地であったことや、各アーティストの個性が今まで以上に際立ったステージからは、TOBEという集団とその言葉の意味が着実に進化を遂げていることが示されていた。あらためて、『to HEROes』が単なる事務所の合同コンサートではなく、この一年でそれぞれが培ったもの、そして今の自分たちの姿勢を示す場であることを強く認識させられた。
毎年、「誰がオープニングを務めるのか」も合同コンサートならではのお楽しみであり、今年その役割を担ったのは北山宏光だった。「THE BEAST」でバイクに跨りながら、広いドームの前方と後方を一直線に繋ぐように設けられた花道を走り抜けていく。後半の自身のメインステージでも、ドラム演出や新レーベル移籍後初となる新曲「ULTRA」を披露するなど、多彩な演出で観客を魅了した。常に楽しませることを追求する、彼のエンターテイナーとしての矜持が感じられた。
IMP.は、年明けから行われた念願のアリーナツアーを経たことで、ライブパフォーマンスの迫力が格段に増していた。「Revolution」でピンク色に染まった花道に7人が横一列で並ぶ姿は圧巻で、観客を巻き込む煽りや空気作りからも、ライブを重ねるごとに培われた強さが伝わってくる。「Tricky」「BAM-BOO」「INVADER」など、観客の熱気を上昇させる攻めたセットリストからも、彼らの気合いが感じられた。それでいて、観客とのコミュニケーションも忘れない。ライブで魅せるグループとしての存在感が示されていた。
三宅健は「ホーンテッド」でロックに登場。フロートに乗り、広い会場の一人ひとりに愛を届けるように歌った「100CANDLE」を経て、なかでも印象的だったのが新曲の「さいわい」だ。照明を絞ったステージ。どこか儚さも感じさせる空間に、三宅の祈りにも似た歌声が静かに響く。曲が進むにつれて光が増していき、大勢のダンサーとともに幻想的な世界を作り上げていった。積極的に巻き込んでいくのとはまた違う、彼ならではの寄り添い方や魅せる美学で観客を引き付けていた姿が印象深い。
オープニングでは「未確認領域」「幸せいっぱい腹一杯」をパワフルに届けたNumber_iは、まるでひとつの物語のようなライブを展開した。「3XL」から始まると思わせながら、MV同様に撃たれる演出を経て、そこから復活を遂げるように「2OMBIE」で幕を開ける構成。最終的に「3XL」へたどり着く流れからは、セットリストそのものにストーリー性を持たせる彼らのこだわりが伝わってくる。昨年開催された全国ツアーもそうだったが、楽曲を披露するだけではなく、ライブ全体を作品として届けるという意思がそこには表れていた。
昨年、『to HEROes』初出演を果たしたISSEIとCLASS SEVENも、2回目となる今年はさらなる成長を見せてくれた。まず、ISSEIはオープニングで「サイレントミッドナイト」を歌い上げ、自身のメインステージでは「In My Zone」を経て「Perfect feat. SKRYU」を披露。カラフルなライティングに彩られたステージで、ダンサーたちとも目を合わせながら繰り広げたパフォーマンスは、心なしか昨年よりも表情が柔らかく、自然体な魅力を感じさせた。
デビュー後初の出演となったCLASS SEVENは、オープニングの「miss you」に加え、後半はバラード曲「White Love」、スタンドマイクでのパフォーマンスに挑戦した「ZAWAMEKI」、最新曲「心にキスをした」と、この一年で発表してきた楽曲たちを次々と披露。7人の揃ったダンスからは積み重ねてきた努力と深まった絆が感じられたし、カメラに抜かれた瞬間の凛々しい表情からも、アーティストとしての意識が高まっていることが伝わってきた。
『to HEROes』というタイトルには「この時代に生きる全員が“主役”であり、全員が“HERO”になれるように」という意味が込められている。そのメッセージからは“TRAINEE”(研修生)=“未来のHEROたち”の成長を見届けてほしいという滝沢秀明の想いも読み取れる。その意味で、今年は1年目、2年目よりも若手アーティストたちの成長がより鮮明に映し出されていたと思う。TRAINEEの岡本和蕗、赤﨑渚人、新藤琉空は、IMP.の「I Got It」をカバー。さらに、「Starry sky」からソロダンスを繋ぐ形で登場したwink firstは、新曲の「Apollon」を披露した。これまでの「CANDY」や「Starry sky」のようなキラキラとした世界観とは異なる力強いサウンドで、これから未来へと突き進んでいく彼らの姿にも重なる一曲だった。
そして、それぞれのアーティストの個性が重なり合うのが、中盤に設けられたコラボレーションコーナーである。まずは、ISSEIの「Go Getter feat. AK-69」にCLASS SEVENとwink firstが参加。3組の熱いパフォーマンスのあとは、ひな壇状のムービングステージに出演アーティストが集結。Number_iと北山による「GOAT」、三宅とNumber_iによる「スーパースター」、IMP.と三宅による「KISS」と、それぞれの個性をぶつけ合うように歌い繋いでいく。ラストは、今年このブロックの演出を手掛けた北山の「NE:Ø era」。IMP.メンバーもひとりずつ歌い繋ぎ、ほかの出演アーティストも一緒になって会場を盛り上げた。それぞれの色が混ざり合う、TOBEらしさが最も表れていた時間だったと思う。
以前、インタビューをさせてもらった時に、横田大雅(CLASS SEVEN)が先輩アーティストたちのパフォーマンスを「真似したいと思っても、なかなか真似できない」(※1)と話していて、個人的にものすごく腑に落ちた記憶がある。それぞれが異なる色を発揮させたステージから感じられたのは、事務所の一体感だけではなく、違いを持ったまま共存する強さだった。自分たちにしかできないことを追求する。その集合体が“TOBE”という組織なのだと、今回の『to HEROes』では示されていたように思う。
それぞれの個性を武器にしながら、TOBEアーティストたちは挑戦を続けていく。そして、TOBEという場所もまた広がり続けていく。その未来が楽しみでならない。
※1:https://realsound.jp/2026/05/post-2398027_3.html