『BLARE FEST. 2026』DAY2総括:coldrainが築いた“ラウドのホーム” LiSA、HEY-SMITH……国内フェス屈指の音圧と熱狂の渦

 『BLARE FEST. 2026』の2日目が幕を開けた2月8日。“冷たい雨”を超えてまさかの雪が舞うこの日だったが、外がどれだけ寒かろうとも、『BLARE FEST.』の炎は消せない。初日の余韻が残るポートメッセなごやにはさまざまなマーチを身につけた血気盛んなオーディエンスが集結し、開演を待っていた。

『BLARE FEST. 2026』DAY1総括:coldrainが体現する“自由”の核心 ONE OK ROCK、SiM……型を刷新してきた猛者たちの狂宴

coldrainが主催したフェス『BLARE FEST. 2026』、1日目(2月7日)の模様を徹底総括レポートする。

 FIRE STAGEでオープニングを飾るのは、『BLARE FEST.』皆勤賞のTHE ORAL CIGARETTES。「1発目は俺らに任せてください!」と山中拓也(Vo/Gt)が叫び、「GET BACK」「Shala La」とエネルギッシュなナンバーを畳みかけて早速オーディエンスを巻き込んでいく。「DUNK feat.Masato (coldrain)」では、Masatoを呼び込むと見せかけてMasatoっぽい格好をしたSPARK!!SOUND!!SHOW!!の169 イチロー(Dr/Cho)が登場し、爆笑を生んだところでやはりMasatoが飛び入り! というイタズラも大成功。coldrainへのリスペクトを伝え、堂々トップバッターを務め上げた。

THE ORAL CIGARETTES(写真=toya)

 熱狂を引き継いだFear, and Loathing in Las Vegasがド派手なラウドパーティを繰り広げたあと、Age Factoryは激情を轟音に乗せてストイックな3ピースサウンドで魅せる。アプローチはまったく違うのに、それぞれ音に宿る狂気がビシビシ伝わってくるのが面白い。同時に、さまざまなカラーのバンドに適応した音響の良さは特筆すべきものだ。筆者は過去2回とも参加しているのだが、『BLARE FEST.』で浴びる音圧のダイナミズムは国内フェスの中でも屈指だと思う。

Fear, and Loathing in Las Vegas(写真=toya)
Age Factory(写真=MASANORI FUJIKAWA)

 もうひとつの強みは、coldrainをはじめ、多くの出演者が讃えていたオーディエンスの熱量だ。どのアーティストでも前方エリアはライブハウス並のカオス状態となり、ステージ上と変わらない熱さに満ちていた。「NO RULES ONLY MORALS」をモットーにお互いが高め合うことで、『BLARE FEST.』にしかない空間ができ上がる。それをもっとも感じたのが、初出演のLiSAだ。

LiSA(写真=kawado)

 国民的ヒットソング「紅蓮華」で一気に心を掴みつつ、「呼ばれるの待ってたんですけどー!」と喜びを露わにして、いつも以上にロックモード全開。「ADAMAS」「REALiZE」とアグレッシブなセットリストで、力強い歌声を届けていく。モッシュピットが発生するフロアを満足げに見つめ、コケティッシュな微笑みで「わかれろ~!」とウォールオブデスを煽って「QUEEN」に突入。華やかな存在感で会場を掌握してみせた。

 一方、THUNDER STAGEでも、メインステージに負けない多彩なバンドたちがしのぎを削っていた。トップバッターとしてテクニカルなメタルコアを叩きつけたDEXCOREは、名古屋出身だけに初出演の感動もひとしおの様子。初回の『BLARE FEST.』に客として参加したという架神(Vo)が、当時楽しさとともに悔しさもあったと素直な想いを明かす。「やっと出れたよ!」と気合を漲らせ、しっかりと爪痕を残した。

DEXCORE(写真=kawado)

 彼らのようなヘヴィミュージック/メタルコアバンドは多くのロックフェスで良くも悪くもアウェイになりがちだが、『BLARE FEST.』ではホーム側となり得る。当然ながら、世界のメタルフェスで活躍する花冷え。は、スタート直後に入場規制がかかる大盛況。初出演を待ちかねていた観客の期待に応え、1曲目の「TOUSOU」からユキナ(Vo)の鬼気迫るスクリームが会場を揺らす。ポップスもサブカルチャーも飲み込んだ“HARAJUKU CORE”の威力を惜しみなく刻みつけた。

花冷え。(写真=MASANORI FUJIKAWA)

 花冷え。のプロデューサーを務めていた田浦楽=Gaku(Dr)を擁するCrystal Lakeは、Amira Elfekyの出演キャンセルを受けて急遽出演となった。『BLARE FEST. 2023』での公開オーディションを経て現ボーカルのJohnが加入した経緯を持つ彼らは、「恩返ししに来た」と宣言。熱い想いを、より強靱に進化したメタルサウンドに込めて放った。

Crystal Lake(写真=kawado)

 そんな中、「『BLARE FEST.』の仲間に入れていただいてありがとうございます!」と語り、THUNDER STAGEのトリを飾ったのはBLUE ENCOUNT。初期のナンバー「JUST AWAKE」や「PLACE」で攻めのモードを示しつつ、キャッチーなメロディを武器に真っ向勝負を仕掛けていく。絶対的アンセム「もっと光を」で彼らが描いた景色は、かつてこの場所では見たことがないほど眩しい光に満ちていた。

BLUE ENCOUNT(写真=ヤマダマサヒロ)

 後半戦に入ったメインステージには、16年ぶりの来日となるMemphis May Fireが登場。『BLARE FEST. 2026 EXTRA』出演キャンセルというトラブルを乗り越え、ついにFIRE STAGEに立った。大歓声に迎えられ、いきなりキラーチューン「The Sinner」を投下し迫力のグルーヴと叙情的メロディで席巻したかと思えば、最新アルバム『Shapeshifter』からの「Shapeshifter」「Overdose」など新旧織り交ぜたセットリストを展開した。マッティ・ミュリンス(Vo)がこのステージへの想いと感謝を何度も告げていた通り、出演が実現したのはかつてcoldrainと共演した縁から繋がったものだ。

Memphis May Fire(写真=MASANORI FUJIKAWA)

 来日公演は増えているものの、アーティスト主催フェスに海外ゲストを呼ぶハードルはいまだに高い。それでもcoldrainが諦めないのは、洋楽/邦楽の壁を取っ払いたいという強い意思があるからだろう。初回からブレないその意思は、しっかりとオーディエンスにも伝わっているように感じた。

マキシマム ザ ホルモン(写真=浜野カズシ)

 いよいよ終盤戦にさしかかり、百戦錬磨のマキシマム ザ ホルモン、自身もフェス主催者であるHEY-SMITHが灼熱のステージを繰り広げていく。いずれも国内ロックフェスを知り尽くした猛者だが、この日のアクトにはやはり端々からcoldrainへの愛情が滲み出ていた。マキシマム ザ ホルモンのナヲ(ドラムと女声と姉)は「バンドってマジかっけえ! おまえら超カッコいい!」と『BLARE FEST.』を讃え、HEY-SMITHは初期から切磋琢磨してきたcoldrainを「誇り」だと語る。讃辞をそのまま強烈なサウンドに変え、狂騒を生みだしてcoldrainにバトンを繋いだ。

HEY-SMITH(写真=Taku Fujii)

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