Leinaにとっての“ライブ”という居場所ーー再び路上に立った理由、20歳の悔しさを糧に挑む『Jellyfish』ツアー
2025年のKT Zepp Yokohama公演を経て、さらなる飛躍を遂げたLeinaが、3月から全国ツアー『Leina Live Tour 2026 “Jellyfish”』をスタートさせた。ツアーに先駆け、自らの原点である“路上”へと再び舞い戻った彼女が見つけたのは、大切なファンとの絆だった。今回のインタビューでは、引き算を意識したという今ツアーに込めた想い、新曲「キャリーバッグ」で見せた新境地、そして“弱さ”を受け入れながら歩み続ける彼女の現在地に迫る。(編集部)
Leinaが路上ライブで紡いだ「当たり前じゃない」景色への感謝ーー孤独に寄り添い、人々の心に触れた夜
3月12日、19時50分過ぎ、新宿・歌舞伎町の東急歌舞伎町タワー横の広場に用意されたステージに、アコースティックギターを抱えたL…“原点”で見つけた、ブランディング以上に大切なもの
──今回はライブツアー『Leina Live Tour 2026 “Jellyfish”』直前ということで(※取材は3月中旬)、ライブについてのお話をメインに伺えればと思っています。今年のLeinaさんは2月から路上ライブツアーを行い、3月12日には新宿・東急歌舞伎町タワー横の広場でも開催されました。そもそも、今回路上ライブをやろうと思ったのはどうしてだったのでしょうか?
Leina:3月から始まるライブツアー『Leina Live Tour 2026 “Jellyfish”』は、国内は4公演なんです。前回は11公演だったんですが、その時に「やっと会いにきてくれた」と言っていただけた会場もあったので、なるべく会いに行く回数を増やせたらと思って、路上ライブツアーをすることにしました。一年くらい前は、逆に「まだ路上をやっていてはダメかな」みたいな意識があったんです。ライブの会場が大きくなっていくなかで、“まだ路上ライブをやっている”という印象がつくのはよくないかなと思っていて。
──ということは、今は何かを認められるようになった?
Leina:そこは自分でもどうしてかはわからないですが、「やるべきことはツアーでちゃんとやっているし、そことは別軸でいつも応援してくださる方に会いに行きたい」と素直に思えたんです。自分が学生の時は自分でチケットを買ってライブに行くことが簡単ではなかったから、Leinaを好きでいてくれる人の中にもそういう思いをしている人もいるよなって。ブランディングとかそういうものよりも、大事にしたいものがあると改めて思えた。実際、やってみたらみんなが「まだ路上をやってくれるんだ」って思ってくれて。やってよかったなと思いました。
──「まだ路上ライブをやっているんだ」と思われると思っていたけれど、「まだやってくれるんだ」と思ってもらえたと。
Leina:はい。「路上をやらないと人が集まらない」じゃなく、「路上をやってくれてありがとう」っていう言葉をいただいて。そう思ってもらえるのは、自分が成長しているからなのかなって思ったらすごく嬉しいし、これからも、大きいステージを目指していきながらも、会いに行ける時はできる限り行きたいなと思いました。
──そもそもLeinaさんが路上ライブを始めたのは何がきっかけだったんですか?
Leina:ライブハウスでのライブって、やろうと思ってすぐにできるわけじゃないんですよね。ノルマがあったりするし。だけど路上ライブは誰に許可もいらない……いや、許可はいるんだけど(笑)。
──物理的な許可は必要ですが、意思確認という意味での許可は不要ですね(笑)。
Leina:だから、誰かに直接届けるには手っ取り早かったんです。あとは憧れもありましたね。路上ライブをしている人の姿って、自由でカッコよく見えて……「自分もやってみたい」と思った。何よりも、とにかくたくさんの人に知ってもらいたいし、たくさんの人に歌を届けたかったから、そのためにやれることは全部やりたいと思っていたので。もう、がむしゃらでしたね。
──新宿の路上ライブでは、下北沢Lagunaのスタッフさんと再会したというトピックもありましたが、これまででライブにおいてのターニングポイントを挙げるとしたら?
Leina:2023年3月28日の1stワンマンライブですね。渋谷のGee-geという100人規模のライブハウスで、『小さな愛が熟れるまで』というライブをしました。18歳になった次の日で、今の事務所にサポートしてもらえるようになってから最初のワンマンライブで。その時に「Zeppでワンマンライブをやる」という目標を掲げたんですが、実際にその2年後の3月28日にKT Zepp Yokohamaでワンマンライブをしたんです。そういう意味では、Gee-geでのワンマンライブはターニングポイントになったのかなと思いますね。
──どんなライブでしたか?
Leina:『音楽チャンプ2022』(テレビ朝日系)で優勝した半年後くらいのタイミングだったので、オリジナル曲のほかに、宇多田ヒカルさんの「初恋」も歌いました。だけど、ライブ自体は今と変わらないですね。「人の心に触れたい」「自分の歌で聴いてくれる人にタッチしたい」ということは、その時から言っていたし、思っていました。
──3年前の1stワンマンライブを振り返った時に、「今と変わらないです」と言えるのは素敵なことですね。「今振り返ると拙いライブでした」とかでなく。
Leina:いや、拙かったですよ。ギターも歌も拙いし、下手だった。だけど、伝えたい思いみたいなものはずっと変わらないと思います。ただ、その2年後のKT Zepp Yokohamaでのライブは、結構反省点の多い、悔しさの残るライブでした。
──そうだったんですね。どういう悔しさがあったのでしょう?
Leina:初めてのZeppでめっちゃ意気込んじゃって。その規模に慣れていないこともあったし、Zeppだからこそやりたいこともたくさんあったから、とにかく詰め込みすぎたし、こだわりが強くなってしまって。今振り返ると、もうちょっと引き算してもよかったし、もっと周りの人たちに「こういうことを伝えたいんだけど、どういう方法があるかな?」って相談したらよかったなと思うんですが。20歳になった翌日だったんですけど、良くも悪くも20歳っぽい、初々しいライブでした。でも、だからこそ今回の『Leina Live Tour 2026 “Jellyfish”』は、だいぶ引き算を意識したライブになっていると思います。おいしいお肉をシンプルに塩だけで食べるみたいな。だけど、たまにわさびもくる、みたいなバランスです。
──悔しさを経験したからこそですね。
Leina:はい。今回は自分一人で決めすぎず、マネージャーやダンサーさん、制作の方など、みんなの意見が反映されています。今回は自分の中で、「なんでもいいよ」って言える余白を持つようにしていたんです。その余白に、皆さんの引き出しや意見を入れ込んで。かなり良いライブになりそうな気がしています。
──身軽になっているんですね。
Leina:そうそう、ライブ前に体調を崩していないの、初めてなんですよ。太って体調を崩しづらくなっているというのもあるんですけど(笑)、これまでは毎ツアー、必ず体調崩して。楽しみよりも不安が大きかったんです。だけど、今回は楽しみのほうが大きくて! 早くやりたいですね。
──Leinaさんはライブに関して「聴いてくれる人の心に触れるライブをしたい」という考えを一貫して持っていますよね。そういったライブを目指しているのはどうしてなのでしょうか?
Leina:いろんなライブを観させてもらっているなかで、自分が感動するのは、心を突き刺された時だなと思ったんです。自分自身がめっちゃしんどかった時にライブを観て救われたり、やる気をもらえたり、そういうことを経験して、自分もこういうものを届けられるアーティストになりたいなって思いました。もちろんアートのように見せる瞬間もライブにはあると思うんですが、やっぱりライブに来たからには、帰る頃には生命力ややる気に満ち溢れてほしいなって。
──そう思わせてくれたのはどなたのライブだったのか、差し支えなければ教えてください。
Leina:いっぱいいらっしゃいますけど、特に清水翔太さんは本当に歌が上手くてすごく感動したし、UVERworldさんのライブもめちゃくちゃ心にタッチされまくりましたね。なんならガッと心を掴まれました。知らない曲もあったんですが、そんなの関係なしに届いたものがあって……そういう、目に見えないエネルギーもちゃんと届けられるようなアーティストになりたいなって思いました。