KiiiKiii、LE SSERAFIMらK-POPガールズグループに来ている“ハウス”の波 2026年のトレンドに?

 K-POPガールズグループ・KiiiKiiiの新曲「404 (New Era)」の評判が上々だ。1月26日に配信されたこのナンバーは口コミで人気に火がついたのか、MelOnのウィークリーチャート(2月9日~2月15日)で1位を獲得し、発売16日目で「TOP100」1位を獲得してから、連日トップの座を守り続けている。

K-POPシーンで存在感を増しているハウス

KiiiKiii 키키 '404 (New Era)' MV

 タイトルの「404 (New Era)」とは、“404 Not Found”のこと。入力したURLに対応するページがサーバー上に存在しない場合に表示されるエラーメッセージを指す。システムの中に存在しない、つまり既存の枠にとらわれない生き方をテーマにしたこの曲は、“新世代のガールクラッシュ”の到来を実感させてくれる仕上がりだが、さらにアレンジ面でハウスミュージックを意識しているのが非常に興味深い。

 ハウスは1970年代後半にアメリカ・シカゴから発信されたジャンルで、イギリスのユニット・M/A/R/R/Sの1987年のヒットソング「Pump Up The Volume」によって世界的にメジャーなジャンルとなった。サウンドのパターンとしては、リズミカルな鍵盤の響きとハイハット/シンバル/スネアドラム/バスドラムによる軽めのリズムの組み合わせが基本で、ダブやジャングルなどのエッセンスが加えられるケースも多い。現在ではテクノやベースミュージック寄りのタイプも増えているようで、音作りの幅は年々広がりつつある。

 では韓国の音楽シーンはどうかというと、K-POPのダンスミュージックに限れば、当初からHIPHOP的な感性で作られたものが大半で、ディスコやフィリーソウルがルーツであるハウスは長い間、“アルバム収録曲の1曲”といった印象が強かった。だが、面白いもので近年はハウスの存在感が徐々に強まってきており、特にガールズグループのリードトラックに採用される機会が増えているように感じる。

STAYCは「BEBE」唯一無二の存在に

LE SSERAFIM (르세라핌) 'CRAZY' OFFICIAL MV

 まずピックアップしたいのが、LE SSERAFIM。彼女たちが2024年に発表した「CRAZY」は、EDMの様式美を取り入れたハウスである。胸が高鳴るような出来事に出会ったときの感情を歌い上げるが、「クレイジーになる」と決意する熱い内容と無機質なビートの温度差がいちばんの聴きどころだろう。ちなみにこの曲は、米ビルボードとともに世界2大ポップチャートに挙げられる英オフィシャルシングルチャート(UK Singles Chart)に初チャートインするなど、グループの人気をワールドワイドに押し上げる決め手の一つと言えるような楽曲だ。

STAYC(스테이씨) 'BEBE' MV

 STAYCの「BEBE」(2025年)も、押さえておきたいナンバーのひとつだ。「今までで最も衝撃的なイメージチェンジができたナンバーだと思っています。こんな姿も見せることができるんだ、こんなジャンルもできるんだとアピールできたのが何よりも嬉しかったです。私たちの従来の型というか、殻や壁というか……『BEBE』はそういったものをすべて壊してくれましたね。」(※1)とメンバーが語るほどグループの自信作。持ち味を壊さずにスタイリッシュかつアグレッシブに攻めた「BEBE」のおかげで、STAYCは唯一無二のポジションをキープできたように思う。

 ひと口にハウスといっても、現在はチルハウス、ディープハウス、アシッドハウスといったように細分化されている。それぞれの良いところを凝縮させたのが、Billlieが2026年1月にリリースした「cloud palace (Before moonset mix)」だ。「夢と現実の境界で失われた自分と向き合うメンバーたちの覚醒」を描いたトラックで、トレンドを追うだけでなくグループの世界観をストイックに追求しようとする姿に心打たれる。さすが個性派ミュージシャンのユン・ジョンシン率いる事務所・MYSTIC STORYの所属グループと痛感せずにはいられない。

KiiiKiiiと同世代 Hearts2Heartsが築く独自のスタンス

Hearts2Hearts 하츠투하츠 'FOCUS' MV

 最後にセレクトするのはHearts2Hearts。KiiiKiiiと同じ第5世代を代表するガールズグループだが、彼女たちも2025年秋にハウス風のナンバー「FOCUS」をヒットさせている。恋のときめきをストレートに綴ったラブソングで、冷静になろうと思いつつも一気に高まる気持ちを速めのBPMに乗せて綴っていく。彼女たちの所属先であるSM ENTERTAINMENTは、新人の個性を丁寧に育てていくのが王道のパターンらしく、このグループも新曲を出すたびに微調整をしながら独自のスタンスを築き上げつつある。

 以上、ここ数年のガールズグループのハウス楽曲をいくつか紹介したが、このようにまとめてチェックしてみると、いずれも前に進もうとする時の“決意表明”もしくは“勇気”をハウスのクールなリズムで表現している点に気づく。日本でもかつて小泉今日子が昭和のアイドルシーンからは当時かけ離れたものでもあったハウス調の作品「Fade Out」を出したこともあったが、最近のK-POPガールズ勢もそれと似た動機でこのジャンルを採用しているのだろう。2026年はKiiiKiii「404 (New Era)」のヒットで、ハウス再評価の機運が高まることに期待したい。

※1:https://realsound.jp/2025/07/post-2075781.html

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