808(YAOYA) × かりゆし58 前川真悟 特別対談 名曲「アンマー」がつないだ縁と音楽
「このバトンを引き継いでいきたい」(808)
——そしてMVは、20年前に沖縄でかりゆし58の「アンマー」を撮った吉澤正悟監督が、808の地元・兵庫県小野市で撮影したのも面白い試みでしたね。
前川:当時、糸満にある古い市場に撮影に行ったとき、若者なんか寄り付かないローカルな場所だし、標準語を喋る、いわゆる県外から来た人がカメラを持って来たら母ちゃんたちは警戒するから、どうにかそれをほぐせないかとメンバーの車に乗せてたアコギを引っ張り出してきて「アンマー」を歌って。そうしたら「あっちでも歌わない? こっちでも歌わない?」って言われて、かまぼこや刺身をもらいながら歌って歩いたのを撮ったのがあのMVです(笑)。市場は建て直されて今ではもうあの味はないんですけどね。
——それが今ではYouTubeの再生数が1億回を突破して。
前川:この間、計算してみたんですけど、5分4秒×1億回=963年とかで。今ではもう天国に行っちゃった母ちゃんたちも963年分世界中を旅してるとすれば、街の歴史の一幕のBGMになれてるなら、役割は果たせてるのかなという感じかも。20年前、何者でもない若造の歌を受け入れてくれた母ちゃんたちみたいに、808くんの「アンマー」も地元の町で愛されて、音楽と人の歩み寄りを記録したMVになってるかもしれないですね。
——「アンマー(808ver.)」も街の温かさがにじみ出たMVで、小野市に行ってみたくなりました。
808:監督さんも一緒に小野のアンマー=母ちゃんを探しまくってくれたんですけど、風貌が怪し過ぎてなかなか人が寄りつかなくて(笑)。でも、商店街に200年続いてる薬局があって、このままだと多分、今のおばちゃんの代で最後なんですけど、そこもMVに残せてるんで、かりゆし58にとっての「アンマー」のように、このバトンを引き継いでいきたいなと思ってます。
——音楽だけでなく記録としての映像の力も感じる、意義あるプロジェクトになりましたね。それが期せずして、かりゆし58のデビュー20周年と重なったのも縁というか。
前川:20代半ばに幼馴染みの同級生でバンドを始めて、大きな結果を残そうみたいなこともなく一丁前の人間になることだけが目標だったのが、30歳を超えた辺りで(中村)洋貴(Dr/Per)がジストニアになって、一時休みに入って10周年。洋貴が戻ってきてよしやるぞという15周年はコロナ禍で、20周年でようやくメンバー全員がステージに立ったまま節目を迎えられる。それこそデカい会場でライブをする話もあったんですけど、洋貴と(新屋)行裕(Gt)が人見知り過ぎて、「人が多いから嫌です」とか言い始めて(笑)。
——そういうところも20年ブレてない(笑)。何ともらしいアニバーサリーですが、2月22日にはデジタルシングル『愛を編む』が配信されました。808は聴いてどう思いました?
808:温かくて泣けます。もう今すぐ一人にさせてほしいです。家に持って帰ってもっと聴きたい。
前川:「愛を編む」はシンプルに言うと「奥さんが好き」という曲なんですけど、2曲目の「youth」は808くんと同じ兵庫出身のガガガSPのギタリストである(山本)聡が曲とメロディを作ってくれて、タイトルも彼が決めたんですよ。この曲に「息子に向けた歌詞を乗せてほしい」と言われて。だから、息子へと気持ちが向かった「youth」が実は先にあって、かりゆしの一歩目、世間との初めてのつながりくれたのが「アンマー」だから、20歳を迎えるときも家族歌でいこうということで、後から「愛を編む」が選ばれました。
——「愛を編む」からは包み込むような、「youth」からは背中を押すような愛を感じたのは、だからですね。「アンマー」は息子から母への歌だったのが、20年経ってその息子に愛する人と家族ができて……。まさに時間が積み重なったからこそ生まれた曲ですね。
前川:あと、洋貴はジストニアで4年バンドを離れたけど今はパーカッションとして戻ってきてるから、サポートのドラマーもいるわけで。どうしたらドラムとパーカッションの折り合いを付けられるかなとアフリカンビートを実験的にリズムに取り入れてみたんだけど、それもうまくいったんじゃないかな。
「自分たちのいびつな音楽の個性を信じてやってきて良かった」(前川)
——続いて3月18日には、かりゆし58初のトリビュートアルバム『かりゆし 58 20th TRIBUTE ALBUM-Solo-solo HA!touch-』がリリースされます。培ってきた関係性から豪華アーティストが参加してくれていますね。
前川:かりゆしはロックフェスに出ても浮くし、レゲエフェスに行けば他のジャンルと数えられる。自分たちの根差す場所がないことが、ジャンルレスなミュージシャンたちによる13曲というトリビュートにつながったと思います。よりどころとしてのジャンルに逃げず、自分たちのいびつな音楽の個性を信じてやってきて良かったなと報われるような作品で、何よりその出来がものすごくいいので。うちのメンバーが言ってたけど、子どもが生まれたら親として心を砕かなきゃいけないけど、トリビュートは孫が帰ってきたご褒美みたいなものだから、とにかく猫かわいがりでいいという(笑)。
——PUSHIMさんと「アンマー」の組み合わせは指定したんですか?
前川:さっき「アンマー」に対して「親離れできてない子どもが母ちゃんからのお守りをぶら下げて生きてるようなもの」と言いましたけど、母性を宿す歌い手に歌ってもらうことでこれを一回輪廻させたかったから、PUSHIMさんに甘えさせてもらいました。
——そういう意味では、最強の母ちゃんが歌ってくれましたね。トリビュートに参加したORANGE RANGEのHIROKI(Vo)さんが、「58周年まであと38年ありますが、かりゆしならいけそうな気がします」とコメントしていましたが、あながち不可能ではないような。
前川:20年だって絶対に短い時間じゃないのにあっという間だったんですよ。となると58周年もあっという間っていうことだから、今からゾッとしてます(笑)。
——今回は「アンマー」がつないでくれた対談でしたが、終えてみていかがですか?
前川:こうやって話すのもいいけど、パフォーマンスした方が純度高く表現できるから、ライブを一緒にやりたくなるよね。
808:それはワクワクしますね。ぜひライブで「アンマー」を歌わせてください!
■リリース情報
808「アンマー(808 ver.)」
配信:https://orcd.co/anma-808ver
■808 関連リンク
Instagram:https://www.instagram.com/808.ne.jp
TikTok:https://www.tiktok.com/@808yaoya_tiktok?_r=1&_t=ZS-93Bz1uLjVmz
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◾️かりゆし58 関連リンク
配信シングル『愛を編む』
2026年2月22日(日)リリース
1. 愛を編む
2. youth
[かりゆし58楽曲配信サイト]
https://orcd.co/kariyushi58
『かりゆし58 20th TRIBUTE ALBUM -Solo-solo HA!touch-』
2026年3月18日リリース
『かりゆし58 20th TRIBUTE ALBUM -Solo-solo HA!touch- TOUR』
3月20日(金祝)東京・Zepp Diver City w/MONGOL800
3月27日(金)福岡・Zepp Fukuoka w/04 Limited Sazabys
3月29日(日)大阪・Zepp Osaka Bayside w/ORANGE RANGE
【かりゆし58 20周年特設サイト】
https://kariyushi58.com/feature/20th
【かりゆし58 公式HP】
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