10-FEET TAKUMA、やり場なき寂しさが剥き出しのロックに――『ゴールデンカムイ』主題歌で叫んだ“今一番言いたいこと”
「叶えたかったことも叶わないまま、かっこよく生きてる人がいっぱいいる」
ーーでは〈朝まで独りきり/それでも構わない〉っていうのは、どんな時に浮かんだ言葉なんでしょう?
TAKUMA:僕ってわりと夜型というか、曲を作る時って深夜しか時間のないことが多いんですよ。大体0時か1時ぐらいから朝6時ぐらいまで、毎日のようにやってるんですけど、それがなかなか重労働というか。机と向き合って、思い詰めて思い詰めてっていうのがしんどいし、その時間帯はお喋りする仲間とか連絡できる相手もおらんから、ひとりで動画観たりゲームするぐらいしか息抜きの仕方がなくて。もともと、部屋にこもるような夜型の陰キャ気質は十分持ってるんですけど、それでもやっぱりめっちゃ虚しいし、寂しいというか。それを振り払ってでも制作しなくちゃ、曲と向き合わなくちゃ……みたいな、ほとんどそういう人生やったんですよね。
だけど、僕の場合は時間帯が深夜なだけで、日中働いているサラリーマンでも、学生でもフリーターでも、みんな何かしらそういう孤独を背負って生きてるだろうなと思って。そういうことを脳裏によぎらせながら書く歌詞っていうのは、みんなもきっと共感してくれるんじゃないかなって…………(熟考)…………いや、正直あまり共感のこともイメージしてはいないかな。もうちょっと酔っ払って書く作文みたいな感じというか(笑)。「ちょっとディープすぎたな」「ウェットすぎたな」と思って、次の日消したくなるぐらいの勢いで書いてるんですけど、今回はそれが大丈夫っていう気持ちで残しました。
ーー〈朝まで独りきり/それでも構わない〉っていうのは10年前の初期からあった歌詞ということでしょうか。
TAKUMA:そうですね。ずっとそうやから、僕の人生。深夜とか朝までっていう働き方の人のほうが世の中少ないとは思うけど、そうじゃない人にもなんとなく届く気はしています。
ーー誰でも、大事な人と離れてひとりで何かを成し遂げなきゃいけない時間のほうが多かったりしますもんね。そういう普遍的な境遇に響き得る歌詞だと感じました。
TAKUMA:ありがとう。
ーーあと〈よくある話さ 旅は終わったよ〉っていう歌詞なんですが、テンポを落として少し音を弱めた状態で歌われるから、言葉がダイレクトに刺さってきて、ちょっと辛辣に聴こえるパートだなって思ったんです。世の中の真理が急にグサッと刺さってくるような気がして。
TAKUMA:めっちゃ聴いてくれてるやん(笑)。そこはね……僕は何不自由なく音楽をやらせてもらっていて、『ゴールデンカムイ』とか『THE FIRST SLAM DUNK』とか、大ヒットするような人気作品の主題歌もいろいろやらせてもらえて。なかなかこの年齢で手に入るチャンスではないと思うし、自分の実力以上に、何倍も何倍もそういう評価のある場に導いてもらえた。本当に素晴らしい人生、素晴らしい音楽キャリアでやってこれてるなって思うんです。
でも一方で、音楽面でもひとりの人間としても、「あの人みたいになりたかったな」とか「もっとこうなってたはずやのにな」と思ってたことは、やっぱり各年代で叶わなかったことのほうが多いんですよね。あんなに「俺が全部なんとかしたる!」と思ってたのに結局どれもできなかったなとか、もっと余裕で届くはずやったのに、届かへんことばっかりやったなとか。50歳になってみて、僕ができなかったことを10代とか20代とか30代で実現している人たちを見ると、ものすごく眩しいんですよ。今は悔しさを通り越して「人生ってそういうものなんかな」と思っているけど、結局それもまた、誰もがみんな同じようなことを背負って生きているんですよね。「私なんか恵まれてるんで、そんな贅沢言えないです」とか言いながら、一番叶えたかったことも叶わないまま、それでもポジティブにかっこよく生きてる人が世の中にはいっぱいいて。みんなそうなんやろうなって思いながら書きました。
ーーとても沁みる話だったんですが、ということは極論かもしれないけど、“年齢やキャリアを重ねれば重ねるほど寂しくなる”ってことなのかもしれないですよね。
TAKUMA:それもありますよ。もちろん悪いことだけじゃないし、むしろ寂しくなくなっていく部分もあるんですけど。寂しさを受け入れることによって寂しくなくなるとか、寂しさを他の何かに昇華できたりとか、それをわかる誰かとこうやって話し合ったりすることもできるし。だから必ずしも寂しいことばっかりじゃないですけど、寂しいことも同じぐらい増えてきているなと思います。
誹謗中傷ばかり溢れる世の中に「言いたいことは山ほどある」
ーー〈少しだけ届かなかったよ〉っていう歌詞があるじゃないですか。まさに「少しだけ届かないこと」を歌ってきたのが10-FEETだと思っていたので、改めて言葉にしていることにグッとくる反面……。
TAKUMA:もともと10-FEETっていうのが、“届きそうで届かない距離”という思いも込められているんでね。
ーーそうですよね。でも、やっぱり今でもまだ届かない高さがあるのかってことを知って、正直複雑な気持ちになったんです。ロック史やフェスシーンにおける功績もそうですし、「第ゼロ感」の大ヒットも含め、10-FEETはダンクを決めてくれるバンドだっていう認識がかなりあると思うので。
TAKUMA:まあ、生きてればいろんなことがありますからね。音楽だけじゃなくて、プライベートでも。だから〈少しだけ届かなかったよ〉は、心からそう思って書いたフレーズです。さらっと歌ってるけど、僕の中ではすんげえ重いことを歌っているつもりで。“届かなかった”という結果だけが残るっていうのはすごく残酷なことやし、終わってしまったことだからリチャレンジすることもできない。しかもそういう残酷さに乗じて動く人間も世の中にはたくさんいるから、消えない悲しみって生まれていくんやろうなって思ったりとか。でも、それすらも〈よくある話さ〉って言いながら、「面白くなってきやがったぜ」みたいな感じで、なんとか明日も頑張っていくしかないんですよ。ライブって、そんな風に思ってるヤツらが集まった飲み会みたいなもんやと思ってるんで。
ーーあぁ。まさに10-FEETのライブってそういう場所ですよね。
TAKUMA:もうやるしかないんでね。明日があるから、笑って帰らなあかんし。『ゴールデンカムイ』も、辛辣なことや悲しいことがたくさんある中でも、めちゃくちゃギャグ多めでとぼけたりしながら大冒険してみんなをドキドキさせる作品やから。そうやって観るとすごく素敵な作品やなって思うし、それに負けへん曲を作りたいという情熱がありました。
ーーよくわかりました。昨年「スパートシンドローマー」の話もお聞きしましたが、今回のシングルは、3曲通してバンドとしてのフィジカル性、ストイックなロック精神が前面に出た作品にもなったと思うんです。“最もリアルに感じていること”という話もありましたけど、結成30周年も見えてきた中で、これから歌い鳴らすべきことの展望というのは、新たに見えてきているんでしょうか?
TAKUMA:…………(熟考)…………なんか、ネットの誹謗中傷が、いつまで経っても時事ネタの中ですごく目立っているなと思うんです。選挙のことでも有名人に対しても、何事においても、そんなに気持ちが込められていないにも関わらず、ものすごく殺傷能力のある言葉が気軽に打ちまくられていて。コンプラとか言って規制もされていくけど、そういう悪い正直さがお手軽に発信されて、どんどん誰かに突き刺さっていってるのが、僕はとても残念なんですよね。「めちゃくちゃヒューマンエラーやん」って思ってるし、それを踏まえるだけでも言いたいことは山ほどあって、これからやりたいことも山ほど増えていくやろうなと思ってます。
そういう“軽くて重い”誹謗中傷に対して、俺らや仲間のバンドが作る音楽っていうのはそこまでの発信力や拡散力はないけれども、“そうではないもの”を確実に誰かに届けられると思うから。「そんなことはやらないほうがいいよ」っていう気持ちを、なぜそう思うかも含めて意義のあるシャウトに乗せて汲み交わしながら、みんなで幸せになれる大事なものを一緒に手作りで作っていけるんじゃないかって信じてます。そのためにライブっていう“飲み会”でめっちゃ盛り上がるネタをしばらくは書いていきたいなと。具体的に何かって言われるとなかなか上手く説明できないけど、まだまだ溢れ返ってくるんじゃないかなと思ってますね。
ーー心強いです、っていう言い方が正しいのかわからないですけど、今言っていただいたことはまさに自分も感じていることなので。便利っていう意味じゃなくて、本当によくない意味でファストな選択肢ばかりが選ばれているような気がしたりとか。
TAKUMA:ほんまにそう思います。だから、もっともっと盛り上げていこうと思ってますよ。
ーー楽しみにしてます。だからこそ、こうして10年かけて生まれてきた名曲に大きな希望を感じました。
TAKUMA:そうやね、ありがとう。俺らの“醸造アホになれるウイスキー”、これからも楽しみに待っててください。
◾️リリース情報
10-FEET
22nd Single『壊れて消えるまで』
2026年3月18日(水)発売
予約・購入:https://lnk.to/10feet_kk_ec
「壊れて消えるまで」先行配信中:https://lnk.to/10feet_kk
初回生産限定盤【CD+DVD】UPCH-89633:¥2,970(税込)
通常盤【CD】UPCH-80636:¥1,210(税込)
[CD]全形態共通
M1. 壊れて消えるまで(映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』主題歌)
M2. スパートシンドローマー single ver.(アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』第2クールオープニング主題歌)
M3. 我主我主我主~Oh!Soccer!~(Daigasグループ創業120周年記念CMソング)
[DVD]
初回生産限定盤のみ
「京都大作戦2024~翔んで騒いで万々祭~」
<DAY1> goes on / 風 + オフショット映像
<DAY2> ハローフィクサー / Freedom + オフショット映像
「京都大作戦2025~暑さも雨もお茶のこ祭祭~」
<DAY1> Re:方程式 / 太陽4号 / 第ゼロ感 + オフショット映像
<DAY2> その向こうへ / ヒトリセカイ + オフショット映像
<全形態/初回プレス分:封入特典>
「10-FEET "壊れて消えるまで" ONE-MAN TOUR 2026」CD封入最終先行 シリアル(抽選)
受付URL:https://l-tike.com/st1/10-FEET-kowaretekierumade
1つのシリアルコードで2回申し込み可能。
・受付期間
1回目)2026年3月17日(火)昼12:00~2026年3月23日(月)23:59
2回目)2026年7月頃(詳細も7月頃発表)
◾️ツアー情報
『10-FEET “壊れて消えるまで” ONE-MAN TOUR 2026』
5月25日(月)Zepp Osaka Bayside
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代別
問合せ先:サウンドクリエーター 06-6357-4400
6月2日(火)仙台GIGS
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代別
問合せ先:G/i/P 問い合わせフォーム https://www.gip-web.co.jp/t/info
6月11日(木)広島BLUE LIVE
開場18:00 開演19:00
全席自由 前売料金:¥4,950(税込)ドリンク代別
問合せ先:夢番地広島 082-249-3571
6月15日(月)高松festhalle
開場18:00 開演19:00
全席自由 前売料金:¥4,950(税込)ドリンク代別
問合せ先:DUKE高松 087-822-2520
6月19日(金)Zepp Sapporo
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代別
問合せ先:SMASH EAST 011-261-5569
6月23日(火)新潟LOTS
開場18:00 開演19:00
全席自由 前売料金:¥4,950(税込)ドリンク代別
問合せ先:FOB新潟 025-229-5000
8月15日(土)クロスランドおやべ
開場17:00 開演18:00
1F 自由/2F、3F 指定 前売料金:¥5,500(税込)ドリンク代無
問合せ先:FOB金沢 076-232-2424
8月19日(水)高崎芸術劇場 スタジオシアター
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代無
問合せ先:シグナス 028-637-9999
8月26日(水)KT Zepp Yokohama
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代別
問合せ先:SOGO TOKYO 03-3405-9999
9月2日(水)名古屋COMTEC PORTBASE
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代別
問合せ先:JAILHOUSE 052-936-6041
9月10日(木)Zepp Fukuoka
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代別
問合せ先:キョードー西日本 0570-09-2424
9月16日(水)Zepp Haneda
開場18:00 開演19:00
1F 自由/2F 指定 前売料金:¥5,280(税込)ドリンク代別
問合せ先:SOGO TOKYO 03-3405-9999
【チケット申込・入金・発券方法に関する問合せ】
ローソンチケットインフォメーション:https://l-tike.com/contact/
◾️作品概要
『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』
●出演者:
山﨑賢人
山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 栁俊太郎 塩野瑛久 稲葉友 / 矢本悠馬
大谷亮平 高橋メアリージュン / 桜井ユキ 勝矢
中川大志 北村一輝 國村隼
池内博之 木場勝己 和田聰宏 杉本哲太 / 井浦新
玉木宏 舘ひろし
●原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
●監督:片桐健滋
●脚本:黒岩勉
●音楽:やまだ豊 出羽良彰
●主題歌:10-FEET「壊れて消えるまで」(UNIVERSAL MUSIC / BADASS)
●アイヌ語・文化監修:中川裕 秋辺デボ
●製作幹事:WOWOW・集英社
●制作プロダクション:CREDEUS
●配給:東宝
●©野田サトル/集英社 ©2026映画「ゴールデンカムイ」製作委員会