NOMELON NOLEMON、『EYE』を携えた革命の夜ーー0.1秒の熱量を可視化、初の視覚演出がもたらした一体感

 2月11日にリリースされたNOMELON NOLEMONの3rdアルバム『EYE』。リリースから2日後の2月13日に開催されたライブ『NOMELON NOLEMON LIVE 2026 “EYE SYNC”』では、演出面の新たな試みも交えつつ、お馴染みの楽曲群に加えてこの日ライブ初解禁となるアルバム曲も複数披露された。公演後の“サプライズ”も含め、ファンにとっては話題満載の一夜となったことだろう。東京・EX THEATER ROPPONGIに集まった大勢のリスナーへ、ユニットの現在地と新境地を確かに示した本公演。本稿では、そんな彼らの記念すべきライブの模様をレポートする。

「目でも、耳でも、心でも」ーーツミキが語る『EYE SYNC』公演コンセプト

 会場に入るとまず目に入ったのは、暗転したステージと後方のバックスクリーンに映る4本の縦線の映像である。さながら天上より垂らされた蜘蛛の糸のようなそれを眺めていると、舞台が暗転。壇上にひとり登場したツミキのかき鳴らすギターによって公演はスタートした。ギターの音像の中、次々と登場したバンドメンバーが演奏を始めると、それに伴ってバックスクリーンに映っていた縦線がリアルタイムに各楽器の音と連動した波形へ変化していく。セッションとともに4本の音の波形がスクリーン上を縦横無尽に錯綜し、浮かび上がったライブタイトルと高まったボルテージの先に姿を現したみきまりあ。ライブの幕開けを華々しく飾ったのは、アルバムのオープニングナンバー「カイカ」だ。

 「NOMELON NOLEMONです! ワンマンライブ『EYE SYNC』へようこそ!」。みきまりあの台詞から続けて披露されたのは、今やライブの定番曲である「SAYONARA MAYBE」と、やや久々の生演奏となる「ウィスパー・シティ」。その後のMCでは、「今回のライブには“EYE SYNC”=“目で同期する”というタイトルを付けました。音と視覚情報の同期、皆さんと目と目を合わせての対話・同期。ふたつの意味でのシンクロを、目でも、耳でも、心でも最後まで楽しんでほしい」との公演コンセプトがツミキから明かされ、会場から大きな歓声と拍手が湧き上がる。

 本公演で最も特筆すべき事項は、やはり“視覚演出”だろう。これまでもNOMELON NOLEMONのライブでは、バックスクリーンを用いた映像演出や空間演出など、さまざまな視覚的手法が用いられてきた。しかし今回、ライブ中の音声・映像を、リアルタイムに素材として活用する演出は初の試みとなる。大袈裟な表現かもしれないが、わずか0.1秒後には過去となる“今この瞬間の熱量”を、どうにか拾い上げて目に見えるものとし、ここに集まった人々と共有したい――ツミキの言葉からは、そんな真剣な彼の“眼差し”と思いが伝わるような気さえしてくる。

 そんなMCの熱をそのまま受け継ぐアップテンポなポップチューンの「SUGAR」から、「線香金魚」「きえない」「mutant」と火照った会場の熱を徐々に落ち着いた雰囲気へと導く巧みな曲構成が続く。映像演出も相まって、どこか宇宙のような広大で深度を感じさせる静謐なムードで曲を終えたあと、聴こえてきたのはゴボゴボと水中を思わせる気泡音のSE。光を受けた海中の煌めきや、海辺の爽やかさを想起させるバックバンドのフィーリングセッションを挟み、新曲「シーグラス」が披露された。

 ここで再び、バックスクリーンには楽器音と同期した4本の音の波形が登場。その中央へ新たに出現したゆっくりと回る白線の円は、みきまりあの歌声に同期して、円の形を残したまま不規則な波形を都度描いていく。ステージ上の5人の奏でる音が巧みに絡み合う様をリアルタイムに目視でも楽しめる、非常に贅沢なライブ体験だ。

 続いて披露されたのは、こちらもライブ初出かつ『EYE』で唯一みきまりあが作詞曲両方を担当した、グリッチ感あるダーティな「焦熱」。そして「rem swimming」も、直近では彼らのライブの十八番となりつつあるナンバーだろう。曲後のMCでは、ツミキによる彼の盟友・Kazz Fukudaが手掛けた今回初の試みとなるリアルタイムな映像演出の紹介も。ひょうきんな歌声で波形を操るみきまりあや、「これ撮っといて、シャッターチャンスよ」と嬉しそうに撮影を促すツミキに、会場のあちこちからは温かな笑い声が起こる。そんな和気藹々とした雰囲気から一転、「早くも中盤戦! まだまだついてこれますか!」というみきまりあの煽りを受け、ここから公演は怒涛のダンスチューンパートへと突入していく。

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