EVE OF THE LAIN、後悔や怒りを音楽のエネルギーにーー苦難の日々を昇華した新シングル『HEART BEAT』を語る

やりきれなさや悔しさがずっと僕を動かしてはいる(惣田)

EVE OF THE LAIN『HEART BEAT』Music Video

ーー表題曲の「HEART BEAT」は、イブオブが今打ち出すべき曲として、内容としてもサウンドとしてもストライクを投げられた感じがあると思うんですけど。これはどういうふうにできた曲だったんですか?

惣田:これはもう全員一致で、とにかくかっこいい曲を作ろうっていう。もともと大旗が種を持ってきた曲があったんですけど。そのスピードを上げてーー。

岩根:で、残ったものはBメロだけ(笑)。

まっきい:Aメロも変えて、サビも変えて。

惣田:まあ、めっちゃ鋭利にしていったって感じなんです。ちゃんとかっこいい曲にしようっていうのをとにかく意識してサウンドを作っていったので、オケだけ聴いてもかっこいいなって思ってもらえる曲やなと思います。歌詞は考えてる時に「熱いな、この曲」と思って、それに乗せる歌詞なら強いメッセージがいいなと思ったので、「心を燃やせ」みたいな、怒りでも努力でも目標でも何でもいいんで、そこに向かって心臓を揺らして、命燃やしていけよ、みたいなメッセージをギュッと詰め込めたかなと思います。

ーー確かに、明らかにライブでめちゃくちゃ盛り上がる、一緒になって騒げる曲だと思うんですけど、今おっしゃったように、歌詞は「一緒に楽しもうぜ」っていうものではないじゃないですか。これはもともと惣田さんのなかにあった思い?

惣田:ああ、もうめちゃくちゃありますね。とにかく伝えたいことをまっすぐ書くのが自分の特徴やなと思うので、それをふんだんに詰め込めたのかなと思います。この生きにくい世界の中でも自分を大事にしてほしいっていうメッセージも込めつつ、曲としてはもう「全部壊していけ」みたいな。全部壊して自分の道を作れ、みたいな気持ちを込めました。

ーーだから、広く世の中や今を生きてる人たちに向けてという側面もこの曲にはすごくある。でも同時に、バンドとして、あるいは自分自身として置かれている状況だったり、今まで経験してきたこともすごく重なっている気がするんですよ。

惣田:そうですね。

ーーというときに、〈裏切られた〉とか〈逆境〉とか〈絶望〉とか、そういう言葉が出てくるっていうのはどういうことなんだと思いますか?

惣田:まあ、〈裏切り〉と書きましたけど、一緒に戦ってきたバンドの仲間とかが辞めていったりっていうこともザラにあるし、続けることの難しさみたいのをずっと経験してきて。あとは、自分がバンド始めたときはコロナど真ん中やったんで、ライブもできなかったし、できてもみんなマスクして、フロアに立ち位置があって、みたいな時期やったんです。そういうのを乗り越えてきたし、その過去があるから今がなおさら楽しいなっていう。

まっきい:確かに。

惣田:いい思いだけして、ポンと知ってもらったバンドじゃないので、書けた歌詞なのかなっていうのは思います。

まっきい

ーー今まで書いてきた歌詞と何か違うところもありますか?

惣田:いやー、まっすぐ書いてるんで。その時その時の自分が思う感情をダーッと連ねてる感じなんで。たとえば2年前にこの曲書けてたかって言われたら書けてないと思う、みたいな意味では新しさはあると思うんですけど、常に最新の自分が歌詞に出ている感じなので、書き方を変えたりとかはあんまりしてないですね。

ーー自分自身の変化や状況の変化がそのまま表れている。

惣田:そうですね。こういうかっこいい曲にはそういうふうに書こうって思ってます。

ーーじゃあ、歌詞を見たら、今の惣田航平がどんな人なのかってのがわかるということですよね。

惣田:分かると思います。

ーー曲が着実にいろんな人に届き始めているという手応えと自信があるからこそさらけ出せるというか、「俺たちはこういうところから来たんだ」っていうのを改めてすごくストレートに書くことができたのかなという気もします。

惣田:そうですね。やっぱり、いちばん素直に言葉にできるのが歌詞だと思っていて。ライブで喋ることもそうですけど、いちばん投影できるのが歌詞なんで、本当にリアルかなとは思います。

ーー2曲目の「BURNING」はどうやってできたんですか?

惣田:「BURNING」も大旗が種を持ってきて。最初のデモのタイトルが「王者の行進」だったんで、もうこの曲の通り、みたいな。

齋藤:分かりやすかったな、ほんまに。

惣田:だからこれに関しては、持ってきてくれたやつをそのまま、よりイブオブらしさを出して、でもシンプルに「男」みたいなところを見せられたらいいなという感じでできていきました。

ーー「HEART BEAT」は疾走感があって、キレ味で走り抜けるみたいな感じだけど、「BURNING」はどっしりと構えていて、デカいところで鳴ってるイメージが浮かぶ音になっていますよね。

岩根:そうですね。作ってるときはずっと聴いてるんですけど、聴きながらずっとニヤニヤしてました。もう見えるんですよね、ステージが。できたときは1人ですごい興奮しました。よすぎると思って。打ち込みなんですけど、ストリングスも初めて入れたんで。もうそういうのもあって広がって聞こえてるのかなと思います。

ーーこういう曲はベードラは気持ちいいですよね。

まっきい:そうですね。もう、デモがきた段階でわかってました。僕たちが要だなと(笑)。

全員:(笑)。

まっきい:僕たちが曲の重さを出すんだという。大河くんともめっちゃ話し合いましたし、もっと「王者の行進」感を出そうと2人で相談し合いながら決めていきました。

齋藤:イントロに限っても、リズムは何回も変えましたし。やってることはめっちゃシンプルなんですけど、より重たいものを追求して。技術的にいえばめっちゃ簡単なんですよ、音符が少ないので。でもどうやって曲のイメージにより近づけるかということをいちばん考えた曲かもしれないです。「重い」とは何か、よくわからなくなりましたもん。それぐらい思い入れは強いですね。

ーー惣田さん、この曲の歌詞はどんな思いで書きましたか?

惣田:これはもうインターネットに対する僕の皮肉というか。みんなが使えるし、みんな何でも言えちゃうからこそ疲弊しちゃう心とか、それに潰されてしまうというのがめっちゃ嫌やなと思って。生きづらい世界だよな、でも負けないでいような、みたいな気持ちを「BURNING」という言葉にのせて書かせてもらいました。

岩根大旗

ーーこの歌詞に込められた思いは「HEART BEAT」のテーマとも通じ合うものがあると思うんですけど、これは自分の中ではどういうタイミングだったんだと思いますか?

惣田:ま、とにかくムカついてたかもしれないですね。

全員:(笑)。

惣田:やっぱりやりきれなさや悔しさがずっと僕を動かしてはいるので。それをこういう言葉にできるのは自分の強さかなと思うので。「ひっくり返してやるぞ」っていう気持ちはずっと持ってます。

ーーそういうある種ネガティブな思いっていうのが、ポジティブなエネルギーになっていくっていうのがおもしろいし、このバンドのよさだなあと思います。

惣田:そうですね。負けん気みたいなのは、やっぱ小さい頃からあったので。マラソン大会も負けたくなかったし(笑)。それをポジティブにできるのは自分の強みかなと思います。

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