CrowsAliveが“ロックバンド”として伝えたいこと――『Bri=dge』に込めた想い、制作プロセスの変化を語る

「Mr. Lonely」ーーショーン・ボウとのコライトで得た刺激

――いろいろ納得です。せっかくなので、ここまで話題に上がった「Mr. Lonely」について、どのような過程を経て完成に至ったのかについてお聞きできればと思います。この曲はバンドと、MIYAVIさんやXGなど幅広いジャンルのアーティストと共作してきたロサンゼルス出身のソングライター兼アーティスト、ショーン・ボウとのコライトによって生まれたそうですね。

Kenta:実は、当初はショーン以外のソングライターと一緒に、Ichiと俺でコライトする予定だったんですけど、直前にキャンセルになってしまって。上手くいかない悔しさや反骨精神から、「めっちゃいい曲作ってやる!」という気持ちがどんどん強くなって、その後大阪で田口さんと3人で「これからのCrowsAliveにとって新しい武器になる曲が欲しい」と話し合いをしたんです。そこから、さっき話したような「シンプルで、アリーナで演奏したらすごく映える」というこの曲の土台部分が生まれて。

Ichi:そのあと、新たにショーンのことを紹介されて、この曲を一緒に完成させようということになったんです。それまではKentaとしか一緒に曲を作ってこなかったので、バンド以外の人と曲作りをすることが初めてだったんですけど、これがまた刺激的でして。

Kenta:田口さんに話したことをあらためてショーンにも伝えて、いろいろ話し合いました。特にショーンは歌詞で伝えたいことを、どうリズムやメロディにはめていくかを重点的にこだわり抜いて。選ぶ言葉によっては、リズムやメロディも変わってくるじゃないですか。自分たちはどちらかというと、メロディやリズムが先にあってそこに言葉を当てはめていく形だったので、プロセスが逆だなと気づいて、すごく勉強になりました。

Ichi:ショーンから「この歌詞に合う綺麗なコードをちょうだい」って提案されると、その場で自分の引き出しから瞬時に探して対応したり、逆にKentaが曲の中で伝えたいメッセージについて話すと、ショーンは「10分ちょうだい」と言って考えて、ぴったりな言葉を選んできたりして。そういう積み重ねを経て、気づいたらたった1日で今の形の「Mr. Lonely」に近づいていたんですよ。そういうスピード感の速さにも驚きましたね。

――そもそも、外部のソングライターとコライトすることに対して抵抗はなかった?

Kenta:自分はオープンなほうなので、意外となくて。どうしてなんだろうと考えてみると、結局「誰と一緒に曲を書こうが、俺が歌えばそれは俺の曲になるし」っていう自信があるからなんですよね。なので、いい曲を作れるのなら、むしろいろんな人と一緒に作りたいし、結果的に刺激もたくさん得られるし自分たちの視野も広がる。プラスしかないですね。

――そんな「Mr. Lonely」を聴いて、YUTAさんやKazukiさんはどんな印象を受けましたか?

YUTA:送られてきたデータを聴いて「そっちなんだ!」みたいな。

Kazuki:純粋にアプローチしたことのない方向性だったので、「めっちゃいいじゃん! うちらがこれやってもいいんだ!」って驚きました。

YUTA:うちは結構暗い曲やシリアスな曲が多かったんですけど、今まで全然やったことがないけどいつか手を出してみたかったタイプの楽曲だったので、ワクワクしました。と同時に、「これはいろいろ音を詰め込んだらダメなタイプの曲だ」とも思ったので、ベースラインを考えるときは気合いが入りましたよ。

Ichi:休符が気持ちいい曲だからね。

YUTA :そうそう。実際、アレンジを詰めていく時も「もっと音を抜いてくれ」と言われたし。完成させるまでの過程は、とにかく楽しかったです。

Kazuki:うちってシンプルな中にも、地味で伝わりにくい難しいフレーズがあるじゃん。

YUTA:「実はこんなことやってますよ」みたいなやつね。

Kazuki:そうそう。特にこの曲は「ポップなのに、よくよく聴くと一筋縄ではいかない」要素が散りばめられてるよね。なので、単にシンプルでポップという言葉だけで片付けられない、いろんな魅力が詰まった1曲だと思っています。

――ギターに関しても、本作ではこの曲含め味付けの仕方にこだわりが感じられます。

Ichi:周りにヘヴィでラウドなバンドがたくさんいるので、そこから受ける刺激ももちろんあるんですが……言い方は難しいですけど、僕はその界隈で埋もれたくなくて。CrowsAliveってラウドロックとかオルタナティヴロックとか、リスナーの方の中でいろんな括りがあるかと思いますけど、個人的にはシンプルにロックをやっているつもりなので、好きに捉えてもらえばいいなと。なので、ラウドロックにありがちなダウンチューニングとかそういう固定概念に囚われることなく、自分の信じるロックを軸に、それぞれの曲に合ったプレイができたら本望です。

――EDMなどエレクトロの色合いが強い「Emotion Sickness (feat. John Robert Centorrino)」もかなり斬新でしたが、こういう曲にCrystal Lakeのジョンをフィーチャーするのも興味深かったです。

Ichi:Crystal Lakeってメタルコアで括られるとは思うんですけど、あえてジョンにクリーントーンで歌ってもらうという(笑)。

Kenta:もちろんCrystal Lakeは自分たちのルーツのひとつだし、ヘヴィミュージックは自分の根底にあるものだけど、CrowsAliveが表現したいものはあくまで幅広い意味でのロック。なので、そういう自分たちのスタイルにジョンを交えた時、彼の新しい持ち味を引き出せたらいいなと思っていたので、この曲でそれが実践できて嬉しかったです。

――フィーチャリングアーティストで言うと、「Platinum Future (feat.Kala)」もすごく印象的です。曲作りの初期段階から、「この曲にはこういう声が欲しい」と意識していたのでしょうか。

Kenta:いや、完成に近づいていく流れで「この曲、自分以外の声があってもいいかな」と思うのと、あとはそれこそ出会いがきっかけになったり。周りの人たちから紹介されて、その声が気に入ってしまうと「あの曲にこの声が入っていると、より曲の魅力を引き出せるかも」と考えるようになるので、そのへんは曲によりけりです。

目指すはアリーナ、そして世界へ 恐れず踏み出す“新たな勝負”

――なるほど。アルバムタイトルの『Bri=dge』についても聞かせてください。このタイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか。

Kenta:自分たちはコロナ禍という、先の見えない世の中を生き抜いたわけですが、いざコロナを抜けてみると自分たちが以前思い描いていた世界とは違うような、常に違和感が伴う日常に変わっていて。そういう嫌気からインスピレーションを受けたのが、今回の『Bri=dge』というアルバムなんです。

 自分たちにはやっぱり音楽しかないし、ロックバンドとして伝えられることって自分たちは何を求めて、何を得て何を失ったのかという自分たちの物語なわけじゃないですか。その中で、自分たちとリスナーのみんながこれから出会っていくものだとか、過去とか未来とかみんなそれぞれに思っていることとか、そういうことに対する架け橋になりたいという思いが、俺の中には強くある。俺はそれをライブを通してお客さんやリスナーに求めているし、リスナーも自分たちにそれを求めていると信じているんです。そういう意思を、この『Bri=dge』というタイトルに込めました。お客さんもコロナ禍を通じていろんな経験をしたと思うし、これから先もさらにいろんな経験をしていくはずなので、このアルバムを聴くことで時には救われたり、時には奮い立たされたりと、そんな1枚になってほしいなと思っています。

――1stアルバムからの4年強で、皆さんがバンドとして、そして人間としてどれだけ成熟したのかが、今の発言はもちろん、このアルバムからしっかりと伝わりました。そういう意味では、本作は2ndアルバムではあるものの、今のCrowsAliveにとっては真の意味での始まりを告げる1枚なのかなという気もします。この自信作を携え、皆さんはここからどこを目指していくのでしょう。

Ichi:前回のアルバムのツアーファイナルが名古屋のElectric Lady Landという会場だったんですが、ソールドアウトしたものの当時はコロナ禍だったのでキャパの半分しか入れられなくて。なので、次はフルキャパでソールドを目指したいです。

Kenta:野望が小さすぎない(笑)?

Ichi:えっ(苦笑)? じゃ、じゃあ……Zeppツアー……とか……。

Kenta:なんで恐る恐るなん(笑)。

一同:(笑)。

Ichi:でも、さっきKentaが「アリーナツアーができるぐらいのバンドになりたい」と言いましたけど、最終的にはそういうバンドになりたいです。

YUTA:それを先に言いなって(笑)。あと、海外でもツアーをしたいですね。

Kazuki:そのためにも、まずは今回のツアーをしっかり成功させないと。

Kenta:実際、去年の12月に先行配信した「Sky」とかそれ以前に出した3曲とか、リリースのたびに海外のリスナーが増えている印象があって。自分もやっぱり海外に行きたいとバンドを始めた頃から思っていましたし、もちろん日本も大好きなので、ここが絶対的なホームだと言える環境も整えておきたい。そのためにも必要なのが、Ichiが言ったZeppツアーであったり、最終的にはアリーナツアーに繋がると思うので、どんどん新しい勝負に臨んでいきたいと思っています。

※1:https://realsound.jp/2022/09/post-1140468.html

■リリース情報
『Bri=dge』
2026年2月18日(水)リリース

価格 : 2,000円(税込)
発売元:SELEBRO INC./ZESTONE RECORDS

<収録曲>
01. Introduction #2 – Bri=dge
02. Sky
03. Higher
04. Platinum Future (feat. Kala)
05. Neo Romancers
06. Emotion Sickness (feat. John Robert Centorrino)
07. Bri=dge
08. FeatherBloom
09. Mr. Lonely
10. Love Is All…

■リリースツアー情報
『CrowsAlive“Bri=dge Tour 2026”』

2/22(日)  豊橋club KNOT
3/1(日)  今池3STAR
3/14(土)  四日市CLUB CHAOS
3/15(日)  新潟CLUB RIVERST
3/20(金)  神戸Harbor Studio
3/21(土)  福岡Queblick
3/24(火)  広島SIX ONE Live STAR
3/26(木)  松本ALECX
3/27(金)  静岡UMBER
3/29(日)  札幌VyPass
6/5(金)  Yogibo HOLY MOUNTAIN
6/7(日)  ell.SIZE
6/12(金)  shibuya CYCLONE

■関連リンク
CrowsAlive
Official Website:https://www.crowsalive.com/
Instagram:https://www.instagram.com/crowsalive_jpn/
X(旧Twitter) :https://x.com/crowsalive_jpn

関連記事