チャットモンチー、SHISHAMOに続く期待のガールズバンドは? ちゃくら、らそんぶる……今押さえておきたい4組を紹介

 2000年代初期から2010年代中盤までガールズバンドシーンを牽引し続けた存在といえば、チャットモンチーの名が真っ先に挙がるだろう。活動は完結を迎えたが、2025年11月23日にメジャーデビュー20周年を迎え、同年12月から2026年1月にかけて、アニバーサリーイヤーを祝したライブ映像ウォッチパーティーを開催。加えて同年4月には、初期、中期のアルバム計4タイトルのアナログ盤リリースが控えており、再び注目を集めている。

 また、ガールズバンドシーンを語るうえで欠かせないのが、2010年代中盤から活躍を続けてきたSHISHAMOの功績だ。2016年1月には初の日本武道館単独公演を成功し、2017年には『第68回 NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出場。2023年1月にはCDデビュー10周年を記念して2度目となる武道館のステージに立つなど、チャットモンチーが完結した2018年以降も大きな存在感を放ってきた。そんなSHISHAMOは、2026年6月に活動を終了することが決定している。では今後、チャットモンチーやSHISHAMOに続くガールズバンドは果たして誰なのか。本稿では、今押さえておきたい次世代ガールズバンドを4組紹介する。

ちゃくら

 2022年6月結成、“猪突猛進ガールズロックバンド”をキャッチコピーに掲げる4ピースバンド・ちゃくら。数多のライブハウスのステージで着実にキャリアを積み上げ、2025年12月には、自身最大キャパとなるZepp Shinjuku (TOKYO)でのワンマン公演を実現させた。YouTubeでのMV総再生回数が60万回を超える現時点での代表曲「海月」を筆頭に、ちゃくらの楽曲は繊細な胸の内や切ない恋心を丁寧に紡ぐ。一つひとつの歌詞を噛み締め、強く共感するリスナーは数多くいるだろう。2022年11月の初ライブ後、2023年には月10本以上のライブをがむしゃらに重ねて経験を積むなど、着実にライブ力を高めてきたちゃくらにとって、“猪突猛進”とはまさに言い得て妙だと思う。「まるで駄目な女子高生はバンドマンになった」のシンガロングパートを聴くだけで、観客が一斉に口を開け、ステージに向かって拳を突き上げるフロアの情景がありありと浮かぶし、生粋のライブバンドであることを強く思い知らされるのだ。今年6月には、ユニバーサルシグマからのメジャーデビューが決まっている。ライブハウスを主戦場として、ちゃくらのさらなる快進撃が始まりそうだ。

ちゃくら - まるで駄目な女子高生はバンドマンになった (Official Music Video)

らそんぶる

 2024年1月結成、4人組ガールズバンド・らそんぶる。昨年開催された『JAPAN JAM 2025』への出演を果たした勢いそのままに、今年4月からまわる東名阪ツアーの千秋楽では、キャリア最大規模である東京・LIQUIDROOMのステージに立つことが決まった。代表曲「ロックンロールに恋をしたんだ!」では、ロックに恋い焦がれるピュアな気持ちを宿したエネルギッシュなサウンドで、胸を高鳴らせてくれる。一方で「らしくあること」のように、自らが抱える葛藤や弱さをさらけ出しつつ、〈あなたにもあなたらしくいてほしい〉とリスナーの心に寄り添うことができるのも、“らそんぶるらしさ”のひとつと言えるだろう。人間はみな完璧ではないからこそ、不完全な自分を受け入れ、それでも前へ、前へと歩みを止めない人の背中は、より輝いて見える――。らそんぶるのステージを観たり、音源を聴いたりしていると、そんな不完全だからこその美しさに改めて気づかされるのだ。LIQUIDROOMのステージでも、きっといつもと変わらず、その“らしさ”を発揮してくれると思う。

らそんぶる「ロックンロールに恋をしたんだ!」(Music Video)

Faulieu.

 前身バンドから改名し、2023年3月に新たに始動した4人組ガールズバンドのFaulieu.もまた、ライブハウスで存在感を放つ要注目のバンドだ。昨年リリースされたバンド初の書き下ろし楽曲「愛煩い」は、ドラマ『子宮恋愛』(読売テレビほか)のエンディング主題歌として話題に。また、今年の春にはキングレコードよりメジャーデビューすることが決まっており、今後ますます活躍の場を広げることが予測される。Faulieu.は、アミューズ所属一発目の楽曲「Voyage」をはじめとし、ハンドクラップが耳に残る「YOLO!!!!」など、「もう一歩前に進みたい」と願う人々の背中を力強く押すような楽曲が多い。たしかなキャリアを積み上げてきたFaulieu.が歌うからこそ、一つひとつの楽曲に求心力が宿り、リスナーを鼓舞するのだろう。また、Faulieu.の特徴ともいえるキャッチーなサウンドや、Canaco(Vo/Gt)の伸びやかで艶のある歌声は、アニメ作品との親和性が高いように感じる。今年4月から放送のTVアニメ『カナン様はあくまでチョロい』(TOKYO MX/BS11)のオープニングテーマ「初恋モーメント」を担当することも決定し、バンド初のアニメタイアップということもあり、キャリアを語るうえで重要な一曲になりそうだ。昨年に引き続き、知名度向上の一途をたどっているFaulieu.からますます目が離せない。

Faulieu. 『愛煩い』 -Music Video-

バウンダリー

 2013年5月結成、キャリアを積み上げるごとにライブバンドとして成熟を重ねているバウンダリー。“君に効かせたいエナジーロック”を掲げて活動しており、バウンダリーの楽曲を聴くと、自然と元気がみなぎってくる。今回ピックアップしたバンドの中では比較的活動歴が長いが、「名前を挙げておかねば」と思ったのには理由がある。それは昨年7月にリリースされた2ndフルアルバム『ミラクル』を聴き、バウンダリーに“沼る”人が爆発的に増える可能性を個人的に感じたからだ。特に1曲目の「沼。」は、いわゆる“恋愛の沼”について歌っており、中毒性のあるメロディに目まぐるしく変わるリズムパターン、爽快なラストサビの転調、終盤で次々と投下されるハンドクラップの心地よさがたまらず、何度聴いても“バウンダリー沼”に引きずり込まれるような感覚になる。ほかにも「エナジー」「ハシレ」など、バウンダリーの代名詞である“エナジーロック”を体感できる曲が勢揃い。漠然とした不安や生きづらさを抱える人で溢れた現代において、聴くだけで元気みなぎる“エナジーロック”は、多くのリスナーの心に刺さる気がしてならない。

バウンダリー「沼。」Music Video

 今回紹介した4組に共通しているのは、ライブハウスに身を置いて真っ向勝負を挑んでいること。2026年から、この4組がガールズバンドシーンを牽引してくれることに期待して、本稿を締めくくりたい。

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