レイニ、まざまざと見せつけた輝かしい才能 “未完の大器”が描く壮大な物語の第一歩を目撃
レイニの1stアルバム『Act. 0』のリリースを記念したスペシャルライブが1月24日、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催された。
昨年1月にテレビドラマ『相続探偵』(日本テレビ系)の主題歌「ラストレター」にてメジャーデビューを果たしたレイニ。そこから1年の間にドラマ 木曜劇場『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)の主題歌「Spiral feat. Yura」がドラマとともに注目を集めたほか、レイニが役者として出演したNetflixドラマ『グラスハート』が世界的に大反響を呼ぶなど、短期間で目まぐるしい日が訪れることとなった。その間にじっくりと時間をかけて制作されてきた今回のアルバム『Act. 0』は、「まだ何も始まっていない、まだまだこれから、ここからが本番でスタート」という自身の強い意思が込められた、今の彼にとって名刺代わりと呼ぶに相応しい内容に仕上がっている。
定刻を過ぎた頃、雑踏を思わせるSEと煌びやかなミラーボールの光が会場中に充満すると、4人のバンドメンバー(ギター、ベース、ドラム、キーボード)が姿を現す。そして、雷の音が鳴り響くとフロアから歓声が沸き起こり、続いてジャケット&パンツ姿のレイニが客席通路から登場し、「無口な涙」にてライブをスタート。彼がそのままステージに上がると、それまで着席していたオーディエンスは一斉に立ち上がり、ステージに向けて声援を送る。レイニはこれがメジャーデビューしてから初の本格的なワンマン公演とは思えないほど余裕と、新人とは思えないほどの風格とオーラを漂わせながら、シルキーさとスモーキーさを併せ持つ個性的な歌声を会場中に届けていく。
続く「Flower」では、程よい音の隙間の残したバンドアンサンブル横ノリのミディアムビートに乗せて、セクシーなボーカルで観る者を魅了。スクラッチ音から始まる「ナイトサーカス」でも前曲のノリを引き継ぐノリで、全身をしなやかに回転させながらディープな歌声を響かせた。
3曲立て続けに披露し終えると、この日最初のMCへ。レイニは「今日という日を、ものすごく楽しみにしていました。みんなに会えて、みんなの顔が見えて、みんなの前で歌えることができて本当に幸せです。みんなにも幸せになってもらうために精一杯、僕が今思う幸せを提供できたらと思います」と気持ちを込めて伝えると、客席からは温かな拍手が鳴り響く。そこから、アコースティックギターを抱えたレイニが繊細なフレーズをつまびき始めると、バンドメンバーも落ち着いたトーンの演奏を重ね、「アコガレ」へ突入。独特のうねりを放つビートに乗せて、レイニは切なげな歌声でこの曲を見事に表現してみせた。
印象的なギターのアルペジオとともに人気曲「Spiral feat. Yura」が始まると、ステージにはスペシャルゲストのYuraが登場。レイニはワインレッドのドレスを身に纏ったYuraとともに、美しいハーモニーで会場を包み込んでいく。時に繊細に紡ぎ、時にエモーショナルに鳴り響く2人の歌声に対して、客席からは盛大な拍手が送られ、ライブはこの日最初のクライマックスを迎えた。
これまでテレビで2回、レイニのバースデーライブ配信の計3回、2人で一緒に歌唱してきた「Spiral feat. Yura」だが、オーディエンスの前で披露するのはこの日が初めて。堂々と歌い上げる様子が印象的だったYuraだが、歌唱後には「実は緊張してました」と笑みをこぼす一幕も。この1曲だけのために会場を訪れたYuraを送り出すと、レイニは「もう後半戦です。早いよね」と客席に語りかける。そして、「僕、今すごく元気じゃないですか。でも、前はこんな人間じゃなかったんですよ(笑)」と笑顔で告げると、続けて「以前はすごく暗かったし、つらいこともたくさんあったし。でも、この1年でみんなと出会って、バンドメンバーと出会って、チームと出会って、いろんな歌に出会って、本当に楽しくやらせていただいていて。だから、すごく幸せです」と現在の充実ぶりを会場のファンと共有してみせた。
「盛り上がる準備できてますか? まだ足りないですよね?」という煽りに続いて、ライブは「I'm in love」にて後半戦へ。ミディアムナンバー中心の前半から空気は一変し、レイニはアップテンポのビートに乗せて、踊りながら力強い歌声を聴かせていく。かと思えば、ロック色の強いストレートなバンドアレンジが施された「ラストレター」、ダイナミックなアンサンブルに合わせてパワフルな歌声を轟かせる「CALLING」と、多種多様な楽曲に合わせてレイニの歌声はさまざまな表情を見せることに。ピアノをバックに、繊細に語りかけるような「夜のカケラ」では美しいファルセットを交え、没入感を強めていく。エンディングでは〈誰か ぼくを みつけて〉という歌詞にちなんで、感情たっぷりに「見つけてくれてありがとうございます」と伝えると、会場は温かな拍手で包まれた。
ため息混じりに「ありがとうございます」をと感謝を伝えると、ライブもいよいよエンディングの時間に。レイニはそばに置かれた花瓶に触れ、「このオレンジの花、アルストロメリアっていうんです。花言葉は『友情』や『未来の憧れ』」と口にすると、最後に用意された曲が何なのか察知したファンからは、喜びの拍手が鳴り響く。そう、この日のラストナンバーに選ばれたのは、その花の名前と同じタイトルを持つ楽曲「アルストロメリア」。会場中が華やかなオレンジの照明で照らされる中、アコギを手にしたレイニは光の中へ抜けるような強い歌声で、会場の空気を掌握してみせる。そんな彼に追随するように、曲終盤ではオーディエンスもシンガロングに加わり、ステージと客席がひとつになったところでライブはフィナーレを迎えた。
オーディエンスの声に導かれるように、アンコールに登場したライブTシャツ姿のレイニは、改めて客席に向けて感謝を伝える。そして、「アルバムの曲順に意味があるから、ライブもこの曲順でやりました」と、この日のライブ本編が1stアルバム『Act. 0』の曲順通り(インタールードを除く)であることを告げた。さらに、7月25日には渋谷CLUB QUATTROにて1stワンマンライブ『Summer of '26』を開催することが発表され、客席からは喜びの声が上がる。「今年は『Act. 0』で始まりましたが、夏のワンマンライブを経て0を1にできたらと思います」と力強く宣言すると、最後に再びYuraをステージに呼び込み、アルバムにボーナストラックとして収録された「Spiral feat. Yura (English ver.)」を2人で歌唱。ライブ本編よりもリラックスした表情の2人は、お互いの歌声を尊重しながら、エモーショナルさと熱量を伴うボーカルワークで観客を圧倒。存在感の強い2人のフェイクや息の合ったハーモニーを交えながらエンディングを迎えると、客席からはこの日一番の拍手と歓声が送られた。
冒頭にも書いたように、短期間で急成長を遂げたレイニだが、この日のライブでは彼の現在進行形の姿が余すところなく提示されていた。と同時に、これが完成形ではなくまだ(本人曰く)0であり、ここから1へ向けて経験を積み重ねていくのだと思うと、半年後の1stワンマンライブではどこまで進化したレイニを観ることができるのだろう。ここから彼がどんな未来を描いていくのか、じっくり見守っていきたい。
<セットリスト>
01. 無口な涙
02. Flower
03. ナイトサーカス
04. アコガレ
05. Spiral feat. Yura
06. I'm in love
07. ラストレター
08. CALLING
09. 夜のカケラ
10. アルストロメリア
アンコール
EN1. Spiral feat. Yura (English ver.)