EXILE TRIBEを継承し、常識を“ぶっ壊す”覚悟ーーNEO EXILE、パーフェクトイヤーへの自信を感じたスペシャルライブ

『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』レポート

「俺らには受け継ぐものがあります。そして俺らには常識をぶっ壊す覚悟もあります。NEO EXILE、歴史を更新するときだ」

 この日のライブでGHEE(WOLF HOWL HARMONY)が放った言葉だ。その言葉通り、EXILE TRIBEとしての継承、そしてそれを更新し、新たな色をEXILE TRIBEにもたらす存在であることを、LIL LEAGUE、KID PHENOMENON、THE JET BOY BANGERZ、WOLF HOWL HARMONYは『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』で証明した。

 『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』は12月26日に千葉・ ららアリーナ 東京ベイにて行われたLIL LEAGUE、KID PHENOMENON、THE JET BOY BANGERZ、WOLF HOWL HARMONYによる合同ライブ。2024年9月以来1年半ぶりの開催となった今回は、4組の成長と進化、そして覚悟を見せつけるステージとなった。

『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』LIL LEAGUEライブ写真
LIL LEAGUE

 暗転すると、4組を紹介するオープニングムービーが流れる。一人ひとりが映し出されるたびに客席からは大歓声が上がる。ステージにNEO EXILEが集結している今日は、客席にはLIL Friends(LIL LEAGUEファンの呼称)、SPINEL KIDS(KID PHENOMENONファンの呼称)、TEAM JETZ(THE JET BOY BANGERZファンの呼称)、LOVERED(WOLF HOWL HARMONYファンの呼称)が大集結しているのだ。4階席の上部までぎっしり埋め尽くされた会場へ、開幕を告げるように流れてきたのはEXILE TRIBE「24WORLD」のイントロ。LIL LEAGUE、KID PHENOMENON、WOLF HOWL HARMONY、THE JET BOY BANGERZの順番でゆっくりとステージに登場すると、EXILEから脈々と受け継がれる同曲を、1組ずつブロックを受け持つ形で、大切に、でも力強く歌い繋いでいく。会場中央に伸びた花道も使い、総勢27人で埋め尽くしたステージでは、歌だけではなく、それぞれ8×4カウントずつダンスパートも。EXILEの楽曲に、各々のグループの血を通わせていく。

『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』KID PHENOMENONライブ写真
KID PHENOMENON

 「24WORLD」は、EXILEのライブではアンコールで披露されることの多い楽曲。この楽曲をライブの1曲目に持ってくることで、継承していく覚悟を表すと共に、新時代へと続く道を描くという姿勢も表すと、ここからは自分たちの楽曲でライブを紡いでいく。THE JET BOY BANGERZがデビュー曲「Jettin'」で人数を生かした群舞を見せると、途中からWOLF HOWL HARMONYが登場。〈世界切り開く Take my Revenge〉と歌う同曲を、14人で届けた。WOLF HOWL HARMONYと入れ替わるようにKID PHENOMENONが登場。続いてはKID PHENOMENONのデビュー曲「Wheelie」をTHE JET BOY BANGERZと披露した。そしてKID PHENOMENONが後ろを向くと、ステージ後方からLIL LEAGUEが登場し、「GATEWAY」へ。岩城星那と夫松健介がラップを掛け合うなど、合同ライブらしいコラボパフォーマンスでショーへと誘っていった。LIL LEAGUEが花道で待ち構えていると、メインステージがせりあがりWOLF HOWL HARMONYが登場。2組はWOLF HOWL HARMONYの「Frozen Butterfly」をしなやかにパフォーマンス。客席で揺れるフラッグも白い羽が羽ばたいているように見え、会場全体で〈夢へ羽ばたいていく/君は美しい〉というリリックを彩った。

『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』THE JET BOY BANGERZライブ写真
THE JET BOY BANGERZ

 LIL LEAGUEを除く3組は、今年1stアルバムをリリースし、初の単独ツアーを開催した。これまでよりも一層、ライブを意識した楽曲作りや、魅せることに意識を向けた1年だったはず。ということで、ここからはそれぞれがしっかりと自分たちのステージを魅せるブロックへ。スクリーンに「shout TJBB」と映し出され、ストンプに乗せて大きな「TJBB!」コールが響き渡る。頼もしい観客の声に誘い出されたTHE JET BOY BANGERZメンバーは、赤いMA-1ジャケットに身を包み「TEN」「Attention」「BOYS -TJBB Anthem-」をアクロバットも取り入れダイナミックにパフォーマンス。スキルフルな歌とダンスは求心力を持ち、大人数ながら、会場中の視線を一点に集めていった。

 シルエット姿からラップで存在感を示したのはKID PHENOMENON。全員がマイクを持ち、ファーやレザージャケットなどゴージャスなジャケットに身を包んだ7人は「我こそが主役だ」とばかりに次々とセンターに立つ爆発力のあるパフォーマンスを見せたかと思えば、カメラと花道をうまく使い、にぎやかな雰囲気を会場中に届けるなど、多彩なパフォーマンスで「Party Over There」「Cinderella」「Unstoppable」を届けた。

 狼の遠吠えに誘われるようにステージにやってきたのはWOLF HOWL HARMONY。静寂のなか4人が揃ってフードを脱ぐと、同時に「BAKUON -爆音-」「ROLLIN' STONES」を続け激しいナンバーで焚き付ける。「ROLLIN' STONES」の終盤ではGHEEが担うロングトーンをひときわ長く聴かせ、続く「Marmalade」ではシンプルな伴奏に乗せ4人が美しいハーモニーを生み出すなど、歌唱力と表現力で観客の胸を打った。

 LIL LEAGUEは、ロゴが書かれたボックスがステージ上空から降りてくる演出で観客の視線を集めたところで、客席内から登場するというサプライズ。「48 BARS RELAY」で個性豊かなメンバーを紹介すると、矢継ぎ早のラップと細かな振りが繰り出される「刺激最優先」を楽しくパフォーマンスした。観客からの声をもらおうと岡尾真虎が煽り、大きな声が返ってきたことに「最高です」と笑顔を見せると客席からは「かわいい……」と声が漏れるなど、愛くるしさもLIL LEAGUEの魅力。その愛嬌も存分に生かし、デビュー曲「Hunter」でキュートにこのブロックを締め括った。

『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』WOLF HOWL HARMONYライブ写真
WOLF HOWL HARMONY

 雰囲気をがらりと変えたのはTHE JET BOY BANGERZ。白いシャツを羽織るYUHIから始まり、TAKIがタバコを咥えるなど、スーツに着替え大人の余裕を見せてから、ジャジーな「Say Something」へ。先ほどまでのヤンチャなストリートなムードから一転、クールかつ色気をのぞかせるステージングを見せた。階段に腰掛けたメンバーの元へSUZUKIが駆け寄ってから始まったWOLF HOWL HARMONYのターンでは、青春をしたためた「ピアス」をドラマチックに表現。KID PHENOMENONは今年の8月にリリースした「Sparkle Summer」で夏の匂いを連れてくる。MV同様、最後に打ち上がる花火を7人が見上げる後ろ姿で終わると、その花火の下からLIL LEAGUEが姿を見せ、今年の初夏にリリースした「真夏ノ花火」を妖艶に歌唱。MVともリンクさせながら、真夏の夜を見事に描き出した。

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