「イイじゃん」「好きすぎて滅!」「メタルなかよし」……2025年EBiDANの“トンチキソング”を総括
Lienel「超絶SUMMERでバカになれ」
EBiDANの持つ“トンチキ”の系譜をしっかり受け継ぐのが、結成3年目のLienelだ。6thシングルの表題曲である「超絶SUMMERでバカになれ」は、冒頭から〈夏夏夏夏、夏のせいッッッ!!!/そーれそーれ〉という掛け声から始まり、〈えっさほいっさほい〉と続く。もうこの時点でとんでもない曲だということは想像がつくだろう。近年のうだるような夏の暑さをこれでもかと表現しつつも、夏らしい西瓜や胡瓜、冷やし中華、BBQも花火楽しみたい、でも宿題もあるよね、とフレッシュなグループならではの夏への期待と鬱憤が入り混じった楽曲となっている。その一方で、パートによってメンバーの歌い方もかなり工夫されており、実はボーカル面では実力が試される楽曲でもある。
MVは7月2日に公開された曇天の中でメンバーが水が張られていないプールで夏を待ちわびる“梅雨ver.”が公開され、その後“フルver.”として公開された映像では、最後のサビで本当の海へと飛び出していくという開放感あふれる内容になっている。なお、8月20日には“暴風ver.”も公開。こちらはその名の通り、曇天の下、暴風を受ける中でのパフォーマンスとなっている。
Lienelと言えば、これまでにも「Curry on love」というカレーへの愛を歌った楽曲も話題になった。クールな楽曲も難なく歌いこなす彼らだが、EBiDANの新たなトンチキソングの担い手として期待したい。
M!LK「好きすぎて滅!」
おそらく2025年のEBiDANトンチキソングを締めくくることになるであろう楽曲が、M!LKの「好きすぎて滅!」だ。冒頭の〈マジ ぎゅんぎゅんぎゅん/好きすぎて滅!〉というフレーズだけで心を鷲掴みにされた人も多いのではないだろうか。歌詞は一見するとなかなか難解だが、すべては「好きすぎて滅!」という結論につながっている。「好きすぎて滅」とはどういうことなのか、しっかりと1曲をかけて説明しているのだ。
セリフあり、ガシガシ踊るパートあり、ラップあり、真似したくなるダンス、決めの“滅!ポーズ”……とバズるための要素をこれでもかと盛り込み、それをM!LKの5人が見事に自分のものにしている。初デートで背伸びをしてコーヒーを飲む心境を素直に綴った楽曲「コーヒーが飲めません」でCDデビューした彼ららしい、いい意味でのダサさを忍ばせた楽曲を貫いてきたM!LK。引き続き注目を集めるであろう同曲がどこまで伸びるのか、注目したい。
トンチキソングは、その面白さゆえに特に耳に残る。だからこそついその楽曲のことを考えてしまうし、考えているうちに、そのほかの小さなことは気にならなくなってくる。そして気づけばふいに口ずさんでいたりもする。聴くだけで、そして歌うだけで元気になれるのがトンチキソングの魅力だろう。2026年もEBiDANのトンチキソングが楽しみだ。
※1:https://bullettrain.jp/WhydontyouBT/news/31/
※2:https://www.vivi.tv/post407680/