ヤングスキニー Road to 日本武道館 Vol.3:りょうと「集大成を見せたい」 “パパバンドマン”が語るバンドとの出会い
ヤングスキニーにとって初の日本武道館公演『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやる日本武道館』が、2026年2月17日に開催される。Real Soundでは、来たる日本武道館の当日に向けて、メンバー4人のパーソナルな一面に迫る計4本のソロインタビューを公開していく。
第3弾となる今回は、りょうと(Ba)のソロインタビュー。今回のインタビューの中でも語られているように、彼は育児をしながら音楽活動に励む“パパバンドマン”。そうした彼の一面にフォーカスしたいと思い、今回は娘さんと一緒に公園を散歩しながら撮影を行った。その後、音楽のルーツや、ベースを始めたきっかけ、自身が思うバンド結成以降の最も大きなターニングポイントについて語ってもらった。第1弾のかやゆー(Vo/Gt)、第2弾のゴンザレス(Gt)のソロインタビューと合わせてぜひチェックしてほしい。(松本侃士)
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ーー今回は、娘さんとの撮影で、いつもとは違うシチュエーションだったと思いますが、いかがでしたか?
りょうと:やっぱり、新鮮でしたね。変な緊張というか、なんか恥ずかしいというか(笑)。
ーーまるで、家族写真を撮っているような雰囲気でした。
りょうと:そうですね。案外、娘が撮られ慣れてる感じでいてくれて、撮影がスムーズに進んだのでよかったです。今日は少ししか昼寝ができていなかったので、途中で寝ちゃわないかすごい不安だったんですけど、意外とそんなこともなく、(インタビュー中の)今もずっと元気でいてくれています(笑)。
ーーはじめに、メンバー全員への共通の質問として、音楽のルーツから聞いていきたいと思います。意識して音楽を聴くようになったのは、いつ頃からでしたか?
りょうと:5つ上の姉が家でいろいろなCDを流していたんですけど、その影響を直で受けて、小学校4年か5年ぐらいの時からバンドに興味を持ち始めました。当時から今に至るまで一番好きなバンドがBUMP OF CHICKENで、ほかにも、SEKAI NO OWARI、クリープハイプ、Mrs. GREEN APPLE、あとGalileo Galileiやflumpoolなど、本当にいろいろ聴いていましたね。
楽器を始めたのは小学校6年の時。叔母からアコースティックギターをもらって挑戦したんですけど、その時は手が小さくてぜんぜん弾けなくて、結局姉が弾いていました(笑)。その後、中学3年の頃に、今でも仲が良い親友から「身長が高い人はベースが似合うよ」と言われて、それがきっかけでベースを始めました。高校では軽音部に入って、RADWIMPSやKANA-BOONをコピーしていましたね。
ーー大学でも、そのまま軽音サークルに入ったんですか?
りょうと:大学に入るタイミングで音楽は辞めようと思って、最初は軽音には入らずに勉強していました。ただ、1年の夏休みに「やっぱりバンドやりたいな」と思って軽音に入って、そこでヤングスキニーの前のドラムと出会いました。
ーーどのようなきっかけでヤングスキニーに入ることになったのでしょうか?
りょうと:ドラムの子が、Instagramのストーリーズに「バンド、組みました」って載せていて。それが、「世界が僕を嫌いになっても」(ヤングスキニー)をスタジオで演奏している動画だったんです。この曲、めっちゃいいなと思って、最初はコピーだと思ったんですよ。オリジナルの曲だと知った時は驚きました。その1カ月後ぐらいですかね、当時のベースが抜けたことを知って、そこでメンバーに声をかけて、2020年9月に加入しました。
ーーかやゆーさん、ゴンザレスさんと最初に会った時のことを覚えていますか?
りょうと:かやゆーの第一印象は、もうイケメン。黒髪マッシュのイケメン大学生、みたいな。ゴンちゃんは1個上なんですけど、最初なんて呼んだらいいかわからなくて、ゴンザレス先輩って呼んでました。呼び捨てでいいよって言われてからは、“ゴンちゃん”って呼んでいます。
ーーInstagramのストーリーズを見てビビッときたバンドに自分が入ると決まった時は、どういう気持ちでしたか?
りょうと:「ラッキーだな」って。あの時、「世界が僕を嫌いになっても」を初めて聴いていいなと思った時の感覚、自分の耳を、信じてよかったと思います。
ーーバンドに加入してからの約5年間の中で、ご自身にとって一番大きなターニングポイントってどこだと思いますか?
りょうと:ターニングポイントで言うと、「本当はね、」(2022年)が伸びたことが一番でかいのかなって思います。そこを境にいろいろなことがいい方向に変わっていったので。
ーー「本当はね、」がヒットした時、またはそれ以降のことで、何か印象深いことはありますか?
りょうと:ありがたいことに忙しくさせてもらってたんで、もう記憶にないというか(苦笑)。楽曲制作にしてもライブにしても、とにかく来るものをひたすらに乗り越えていく、っていう感じでしたね。
ーーバンドの認知が広まったり、支持が大きくなっていくにつれて、ワンマンの会場やフェスのステージの規模がどんどんスケールアップしていったと思いますが、その渦中ではどのようなことを考えていましたか?
りょうと:当時は緊張がでかかったですね。僕はもともと人の前に立つのが苦手なタイプで、最初の頃は一つひとつのライブに対してめちゃめちゃ緊張していたので。最近でもたまに緊張するんですけど、当時よりは収まってきています。ライブの場数を踏む中で少しずつ自信がついてきて、どうやったらいいライブができるかを考える余裕が出てきました。
ーー楽曲制作やライブを重ねていく過程で、ヤングスキニーのベーシストであるという意識や矜持が、どんどん深まっていったと想像しますが、いかがですか?
りょうと:そうですね。それで言うと、ヤングスキニーに入る前から変わらないんですけど、目立ちたいというよりは、“支えたい”という気持ちが強いです。かやゆーの歌メロやゴンちゃんのギターを邪魔しないように、その隙間を埋めていく、っていう気持ちでベースを弾いてますね。ベースが目立つ曲もかっこいいと思うんですけど、僕は、さりげなくいいフレーズを弾いてるとか、さりげなくちょっと遊んでるとか、そういうベースがやっぱり一番好きで。
ーーそれこそ、先ほど好きなバンドとして挙げていたBUMP OF CHICKENのCHAMAさん(Ba)も、そういうスタイルですよね。
りょうと:そうですね。やっぱり無意識の内に、今まで聴いてきた曲が影響として出てきているのかなと思います。