コレサワ、日本武道館ワンマンを経て貫く“新しいコレサワ” 今考えるメロディと言葉の関係性

“歌って楽しい”と“耳に残る”の関係性――「タイトルには命を懸けています」

――最後は「優しくない女の子」。

コレサワ:毎回必ず入れる弾き語り曲です。超切ない失恋ソングになっております。

――情景描写を淡々としていく歌詞が……もう、最初から最後までツラい(笑)。

コレサワ:(笑)。最後まで聴くとツラいですよね。

――でも、メロディと歌声でツラさというか、暗さが中和されていると思いました。

コレサワ:自分の歌声は、どんな曲を歌っても暗くなりすぎずに歌えると思っていて。歌詞が全部暗いのは、あまり好きじゃないので書かないんです。歌詞は、ツラさとか暗さがあっても、何かしら希望や優しさがあるようにしたいと思って書いているので。でも、この曲はちょっと違って、「切ないのっていいよね」と思いながら書きましたね。大好きな人のはずなのに、一緒にいる時間が増えるたびにいがみ合ったり、喧嘩が増えたり、思いやりが欠けることが多くなったりして、「好きなのにどうしてそうなっちゃうんだろう?」っていう。だから、自分が本当に優しくない女の子になっちゃう前に、この子はさよならを選択する。そういうストーリーの曲です。

――2026年1月からは初の全国Zeppツアーも決まっていますね。

コレサワ:Zeppツアーってやっぱり憧れで、ずっとやりたかったことなんです。Zeppツアーができたらアーティストとしての箔がつくかなと。

――『ラブリーパンクツアー』というタイトルはどこから?

コレサワ:これまで、ライブはかわいいコンセプトでやることが多かったんですけど、憧れのZeppツアーだし、もう一度あらためて音で勝負しよう、と。かっこいいコレサワをこれまでと違うコンセプトで見せたかったんです。タイトルは、『ロック』か『パンク』で悩みました。でも、「君のバンド」(2015年)を歌うと「あの曲パンクだね」「コレちゃんは気持ちがパンクだよね」と言われることがあったし、誰にも流されないパンク精神みたいなものを忘れたくないという気持ちも込めて、『パンク』にして。だけど、“かわいい”もやっぱり好きだから、『ラブリーパンクツアー』にしました。まわりがどう言おうとかわいいものはかわいいし、「自分は自分!」っていう気持ちはパンクに通じることだなと思うんです。その意志を貫く気持ちで新しいコレサワを見せたいと思います。

――コレサワさんが作る曲のタイトルやフレーズは字面もキャッチーですし、メロディと一緒に歌ってみると爆発的なキャッチーさを生み出すものが多いですよね。どういう意識で作っているんですか?

コレサワ:聴いて耳に残るという意味では、かなり意識していますね。“歌って楽しい”と“耳に残る”が私のなかでイコールになっているんだと思います。自分が「楽しい!」と思えるレベルのものじゃなきゃ曲として出さないから、そう思う自分のなかのハードルが結構高めなのかもしれないです。

――単語単位ではどうですか? たとえば、「前髪」とか「たばこ」とか。

コレサワ:その曲のタイトルを知らない人が曲を聴いた時に「あの前髪の曲……」とか「あのたばこの曲の……」みたいに、知らなくても曲がわかるようなタイトルにしようと思ってます。いちばん耳に残る言葉をなるべくタイトルにするようにしていますね。普通のタイトルをつけても聴いてもらえないと思っているので、タイトルには命を懸けています。あとは、直感的に決めるようにしています。曲作りもそうですが「タイトルに悩むような曲なんて作るな!」という気持ちがあるので、タイトルも悩まないで決めることが多いですね。そうやって決めたタイトルを見て、「どういう曲なんだろう?」と思ってくれたら嬉しいです。

――では、最後の質問です。今回はJASRACとのコラボレーション企画ということで、“著作権”についてコレサワさんが思っていることを教えてください。たとえば、初めて意識したのは?

コレサワ:意識したのは、やっぱり印税が入った時ですね。私の代わりにJASRACさんに曲の権利をちゃんと守っていただいていて、聴かれたら聴かれたぶん、ちゃんとお金として手元に届くシステムは、本当にすごいなと。私が高校3年生で曲を作り始めた頃、著作権についてまったく知らなかったんです。だから、著作権についての授業のようなものを事務所やレコード会社はすべての若手アーティストにするべきなんじゃないかとも思ったりして。実際、私も10代の頃から知っていられたらよかったなというふうに思います。若いアーティストが自分の権利についても興味を持ってくれたら、さらに音楽シーンもよくなるんじゃないかなと思います。

■リリース情報
4th EP『あたしの恋人 E.P』

配信中

配信URL:https://lnk.to/AtashinoKoibito

<収録曲>
01. あたしの恋人
02. I LOVE ME(「ワコール」 コラボレーション楽曲)
03. 前髪(いち髪「流し前髪キープコーム」CMソング)
04. もうすぐ大人になっちゃうから (エスエス製薬「お守り EVE」キャンペーンソング)
05. 優しくない女の子

■ツアー情報
『コレサワ Zepp LIVE 2026 ラブリーパンクツアー』

1月24日(土)北海道・Zepp Sapporo
開場 16:00/開演 17:00

1月31日(土) 大阪・Zepp Namba
開場 16:00/開演 17:00

2月1日(日) 愛知・Zepp Nagoya
開場 16:00/開演 17:00

2月7日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
開場 16:00/開演 17:00

2月15日(日) 東京・Zepp DiverCity
開場 16:00/開演 17:00

<チケット>スタンディング
一般:6,000円(税込/ドリンク代別)
U18:5,000円(税込/ドリンク代別)

■一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC / Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers)

1939年、音楽クリエイターたちが集結し、JASRACを創設。
以降、JASRACは音楽クリエイターの権利を守り、その挑戦を支えてきました。
JASRACはこれからも音楽著作権の管理を通じて、
ゆたかな創造あふれる未来を音楽クリエイターとともにめざしていきます。

・JASRAC オフィシャルサイト:https://www.jasrac.or.jp
・X(旧Twitter):https://x.com/JASRAC_1939
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