中島健人「IDOLIC」がバイラルヒット 覚悟が刻まれる“アイドル”を突き詰めた一曲
Spotifyの「Daily Viral Songs（Japan）」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの10月29日付のTOP10は以下の通り（※1）。
1位：KIM CHAEWON「告白 (Confession) [Japanese Version]」
2位：Torbahed「YOSHO HAI MONTAGEM」
3位：中島健人「IDOLIC」
4位：JO1「Handz In My Pocket」
5位：中島 寂「夕日」
6位：Mega Shinnosuke「ごはん食べヨ」
7位：cape, JXNDRO, Sayfalse「MONTAGEM RUGADA」
8位：Tkandz, CXSPER「NOW OR NEVER」
9位：HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA「HALLOWEEN PARTY」
10位：米津玄師「1991」
今週も引き続きLE SSERAFIMのKIM CHAEWONによるドラマ主題歌「告白 (Confession) [Japanese Version]」とTorbahed「YOSHO HAI MONTAGEM」が、1位と2位をキープしているが、中島健人の「IDOLIC」が4位から3位へ浮上するなど、激しい競争が見える。他にも先週急上昇していたディアンジェロの楽曲は圏外になりし、その穴を埋めるように中島 寂による「夕日」や、Mega Shinnosukeの新曲「ごはん食べヨ」が初登場。また、ハロウィンが間近に迫った週ならではのHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA「HALLOWEEN PARTY」も9位に顔を出すなど、顔ぶれも入れ替わった。そんななか今週は、3位にランクインした中島健人「IDOLIC」にフォーカスしたい。
中島の「IDOLIC」は9月29日より先行配信され、10月29日にリリースされた2ndシングルだ。昨年4月からソロ活動を本格化させた中島にとって、アルバム『N / bias』、1stシングル『MONTAGE』に続く新章の幕開けとなる一曲である。注目すべきは、この曲がノンタイアップ曲である点だ。中島自身、「ノンタイアップです。この楽曲は中島健人という人生の主題歌だからです」（※2）とコメントしており、自身の表現したい世界観を詰め込んだ楽曲ということになる。「IDOLIC」というタイトルは“IDOL”＋“HOLIC”（〜中毒）の造語であり、アイドルとして貫いてきた人生を背負い、アイドル以上の存在へ進化していくという決意が込められているように感じる。中島は「Sexy」という自身の代名詞でもあるキーワードをアップデートし、「Hyper Sexy」へと昇華させたとも語っており、一皮も二皮も剥けた新たな魅力を存分に発揮した作品が「IDOLIC」なのだ
「IDOLIC」は中島と親交のあるクリエイター・MONJOEが作曲とプロデュースを手掛けたダンサブルな一曲だが、その中に意外な仕掛けも盛り込まれている。中島のリクエストにより、2番ではガラリと曲調が変化するジャズテイストの展開が加えられており、聴き手に鮮烈な印象を残す。この大胆なアレンジは他アーティストからも好評で、藤井 風が「2番の空気の変え方がオシャレで素敵」（※3）と称賛したというエピソードもある。Aメロでは小気味よくビートを畳みかけ、Bメロ以降で一気に華やかなサウンドを広げる構成によって、楽曲はまさにタイトルが示すとおり、クセになる中毒性とエンターテインメント性を兼ね備えたポップチューンとなった。
「IDOLIC」はリリース直後、2025年10月29日付のオリコン「デイリーシングルランキング」で2位を記録し（オリコン調べ／※4）MV再生回数もすでに950万回を突破している（11月3日現在）。
中島は「アイドルとは、どんな人生を歩んでいても、どんな人間でも一度ハマると夢中になって抜け出せない存在」（※4）と語っており、まさに彼こそがその体現者である。アイドルを突き詰めた先にどんなエンターテインメントが生まれるのかを示す楽曲であり、中島健人というアーティストの進化と覚悟が刻まれた「IDOLIC」。今後ますます進化を続けるであろう今後の中島健人から目が離せない。
※1：https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2025-10-29
※2：https://www.oricon.co.jp/news/2409363/full/
※3：https://www.billboard-japan.com/special/detail/5020
※4：https://www.oricon.co.jp/news/2409363/full/