Q-MHz、syudou、前山田健一、川谷絵音、綾小路翔……歴代楽曲提供陣に見るROF-MAOの類稀なるエンタメ性

 近年、さまざまなジャンルで活動の幅を広げているVTuberたち。その活躍はバーチャル空間のみに留まらず、いまや多くの三次元コンテンツへも進出しつつある。そんな彼らの活躍拡大の中でも、直近で注目を集めたニュースのひとつがROF-MAOによるVTuber史上初の『みんなのうた』(NHK総合)への起用である。

ROF-MAO、“エンターテイナー”としての能力の高さ

 にじさんじ所属の加賀美ハヤト、剣持刀也、不破湊、甲斐田晴の4名による男性VTuberユニット・ROF-MAO。「面白くてかっこいい」をコンセプトに、音楽のみならずエンタメ方面においても多彩な活動を続け、今年で活動4周年を迎えた彼らは、これまでVTuberシーンの新境地を数多く切り開いてきた。多くの快挙を成し遂げてきたユニットの最大の魅力、それは時に身体を張りながら大勢のリスナーを楽しませ、さまざまなシチュエーションへ柔軟に適応する“エンターテイナー”としての能力の高さである。

ROF-MAO – AGATTA (#ROFMAO_2ndライブ Special Edit Ver.)

 これまでに展開された多数の動画/コンテンツのみならず、ROF-MAOの音楽性からもそんな“エンタメ性”の片鱗は見て取れるだろう。その証左ともなるのが、バラエティ豊かな面々が揃う楽曲提供陣だ。インターネットミュージックやアニメソングの重鎮、キャラクターソングや声優提供曲を中心に手腕を振るう作曲家たちから、ロックシーンで長年活躍するバンドマン、音楽好きならば誰もが知る国民的アーティストまで。ここまで幅広い音楽性のクレジットラインナップが並ぶことは同シーン内でもなかなかなく、それもまたROF-MAOの唯一無二性をより強調しているように感じられる。

 改めてその一例を見てみよう。まず、ユニットのデビュー曲となった「New street, New world」は、制作の大部分をプロデュースチーム・Q-MHzが担当。チーム名だけではまだピンとこない人もいるかもしれないが、その正体は畑亜貴、田代智一、黒須克彦、そしてUNISON SQUARE GARDENのベーシスト・田淵智也という、まさにアニメソング界のドリームタッグとも呼べる存在である。

ROF-MAO - New street, New world (YouTube Edit)

 本曲が収録されたミニアルバム『Crack Up!!!!』は、オリコン週間アルバムランキング(2022年4月19日発表)で首位を獲得(オリコン調べ/※1)。今やユニット初期を代表する人気曲となった、ボカロP/シンガーとしても活躍するsyudouによる「前進宣言」や、KEYTALK・首藤義勝が制作を手掛けた「I wanna! You wanna!」など、著名アーティストによるナンバーが複数収録されたことも、作品に対する熱い支持の一端を担っている。

ROF-MAO - 前進宣言

 続く1stフルアルバム『Overflow』の収録曲クレジットにも、多岐にわたる音楽ジャンルから大勢のクリエイターが名を連ねている。「一撃」を手掛けた宮崎誠は、これまで柿原徹也や浪川大輔、吉野裕行、新谷良子など数多くの声優のオリジナル曲を中心に多数のコンテンツで楽曲制作を担当。さらに作詞曲をヒャダインこと前山田健一が手掛けた「Life is Onceで候」や、これまで数々のアニメ楽曲制作に携わってきたソングライター・Yashikinによる「Crazy Buddies!」など、強力な制作陣が徐々に携わってくるようになる。

Life is Once de Sourou

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