ヤングスキニー Road to 日本武道館 Vol.1:かやゆー「どこまでもモテたい」 一貫した原動力、飾らない“リアル”の正体
ヤングスキニーにとって初の日本武道館公演『いつか僕は誰もが羨むバンドになってやる日本武道館』が、2026年2月17日に開催される。Real Soundでは、来たる日本武道館の当日に向けて、メンバー4人のパーソナルな一面に迫る計4本のソロインタビューを公開していく。
その第1弾となる今回は、かやゆー(Vo/Gt)のソロインタビュー。音楽のルーツや、歌やギターを始めたきっかけ、また、自身が思うバンド結成以降の最も大きなターニングポイントについて、愛犬の散歩をしながら語ってもらった。これまでの数々のインタビューでも語られてきたことではあるが、彼を猛烈に駆動し続ける“ある原動力”について、改めて深く知ることができるインタビューになったと思う。(松本侃士)
クリープハイプ「二十九、三十」が開いた“バンドの扉”
――はじめに、かやゆーさんのルーツからお聞きしたいと思います。音楽を好きになったのは、いつ頃からでしたか?
かやゆー:小さい頃から当たり前のようにめっちゃ音楽を聴いてて。たとえば、親が運転する車の中とか、通学中の電車とか。ウォークマンをギリ小学校高学年ぐらいに初めて持たせてもらったんですけど、それからiPod touchになって。授業中とかもこっそり袖にイヤホン通して聴いたりしてました。今はワイヤレスだから隠しやすいと思うんですけど、まだ有線だったから袖に通してて。小さい頃からそういう感じで、当たり前のように音楽に触れてましたね。
――ご家族も音楽が好きだったんですか?
かやゆー:そうですね。お父さんがちょっと楽器やってた、みたいな。でも本当にちょっとで、弾き語りでアコースティックギターが弾けるぐらいのレベルです。お母さんも音楽は好きで、車の中はずっと音楽が流れてました。
お父さんとは音楽の趣味が結構合いましたね。お父さんの車で流れてた曲を小さい頃からずっと聴いてたんですけど、お父さんはMr.ChildrenとかB’z、浜田省吾さん、尾崎豊さんとか、そういう感じの曲が好きで。で、小学校の頃、一番ハマったのがゆずでした。お母さんは激しい系の音楽が好きで、どっちかって言うと俺はポップな音楽のほうが好きだったから、お母さんの車ではいつもお父さんの車で知った曲とかを流してもらってたかな。
――初めて楽器に触ったのはいつ頃でしたか?
かやゆー:小学校5、6年だと思う。それで言えば、もっと前からお父さんのギターが家にあったんで、弾き方とか知らないまま触ったりしてたけど、ちゃんと自分のギターを買ってもらって、弾き出したのはそれぐらい。けど、本当に練習とかが苦手だからFコードが弾けないまま一度挫折して、たぶん2〜3年ぐらい弾かなくなって、中3ぐらいに久しぶりに弾いたら、ある程度弾けるようになって。それでも、高校3年生ぐらいまで、なんなら大学生になってバンドを組むぐらいまで、Fコードとかギリ弾けなかったんですよ。Bmとかも違う音を探して代用して、なんとかバレーコードを使わないようにやってました。
中3ぐらいから、InstagramとかXとかYouTubeとかに弾き語りを投稿し始めてたんですけど、その頃はレミオロメンの「3月9日」とかみんなが知ってるような曲を弾いたり。Mr.Childrenの好きな曲も弾いたりって感じでなんとなくやってました。それまでは、意識的にバンドの音楽を聴いてたわけではなかったんですけど、高2ぐらいの時にクリープハイプを知って、そこからどんどんバンドっていうものにハマっていきました。
――きっかけになったのは、クリープハイプのどの曲でしたか?
かやゆー:「二十九、三十」でした。当時、弾き語りをしている人がカバーしてる動画を観て、撮り方とか参考にしてたんですけど、よく観てた人がクリープハイプの「二十九、三十」をカバーしていて。この曲って、ほかのクリープハイプの曲に比べて癖がない感じの曲だと思うんですけど、さらにそれを違う人がカバーしてたから、より癖がなく、すっと入ってきたんです。今となっては、あの癖がいいんですけど。たぶん、それまでバンドとかにハマってなかった俺がすっと入れたのは、そういう経緯があったからかなって思いますね。
――そこから次第に、バンドシーンに興味が向いていったと。
かやゆー:そうですね。もともとMr.Childrenとかback numberは聴いてたんですけど、だんだんそこからMy Hair is Badとかも聴いたり。で、インディーズバンドも聴くようになって、それこそ最初はKALMAとか、リュックと添い寝ごはんとか。そういう人たちの曲を聴いて、どんどんバンドっていうものにハマっていって、それこそXで話題になっているようなバンドをどんどん漁ったりして、それがだいたい高校3年生から大学1年ぐらい。
――曲を作り始めたのはいつ頃でしたか?
かやゆー:最初に作ったのが高3の12月ぐらいで、それまではTikTokに弾き語りのカバーを載せてたんですけど、俺も作ってみようみたいな感じで、15秒ぐらいの、今はもう聴きたくない、しょうもないような曲を投稿したら、ちょっとそれがバズったりして。それがきっかけで曲を作り始めました。2つ目に書いた曲は、「ワンナイト」だった気がしますね。曲を作ったりしたのは、同級生にかっこいいところを見せたいとか思ったからで、そういう感じで高3の終わりぐらいから書き始めました。なんならこれもとんでもなく恥ずかしい話ですけど、俺は先に推薦で大学が決まってたんですけど、仲良かった友達ふたりが一般受験だったから、ふたりが受験勉強中に曲を作って、受験が終わった時にそいつらに弾き語りで聴かせた記憶とかあります。そんな感じでしょうもない曲を作りつつ、2020年に大学に入って、半年ぐらいでバンドを組んで。そこからは、ちゃんと曲を作り出した、って感じですね。
――先ほど、先に推薦で大学が決まっていたというお話がありましたが、どちらかと言うと真面目なタイプだったんですか?
かやゆー:いや、うーん、真面目です。この前も同級生と飲んだ時に、「なんだかんだか真面目だよね」って言われて。でも推薦って言っても、勉強の推薦っていうよりは、部活のボート部の推薦だったんですけど。うん、真面目でしたね。