伊藤理々杏、相次ぐメンバー卒業との向き合い方 乃木坂46で経験した3度の波、アイドルとしての使命

3期生として迎える“変化の季節” 「乃木坂人生の中で3回くらい大きな波があった」

ーー話題は変わりますが、3期生は9月4日に9周年を迎えました。昨年理々杏さんにインタビューした際(※4)、「3期生が一番の先輩になって、グループ内での立ち位置って変わりましたか?」と質問しましたが、その時はお姉さんとして頑張ろうとしたとおっしゃっていました。でも、先日のアンダーライブでは佐藤璃果さんをはじめ後輩から愛でられる存在になっていましたよね。

伊藤:そうなんです(笑)。最近はお姉さんの役割は4期生や5期生に渡して、自分は一歩引いてみんなを見ているというか、「今を楽しむ」みたいな気楽さが芽生えてきたような気がしています。なので、6期ちゃんに対しても5期生とか4期生がすごくお姉さんしてくれているので、こっちはもうおばあちゃんのつもりで「みんな頑張っていて、偉いねえ」っていう感じで見守っています(笑)。

ーー6期生は孫なんですね(笑)。

伊藤:本当に、何をしても可愛い孫です(笑)。だから5期が子供で、4期は妹みたいな感覚なんですよ。

ーーじゃあ、今の理々杏さんは妹や子供から可愛がられるおばあちゃんであると。

伊藤:そういうことになります(笑)。

ーー(笑)。先ほどの話じゃないですが、3期生の人数が少なくなればなるほど、関係値がより密になるということですが。

伊藤:なるべく時間を共有しよう、みたいな気持ちにみんながなってきたんじゃないかな。昨年までは「誰か卒業するんじゃないか」みたいな覚悟もあったんですけど、とはいえあんまり現実味もなくて。それが昨年から今年にかけて一気に卒業っていうものが現実味を帯びてきたので、「ちょっとちょっと、誰かが卒業する前に写真撮っておこうよ!」みたいに思い出を残そうとしているんです。

ーー特に3期生は最初に大園桃子さんが卒業するまでも長かったですし(※5)、そこから11人でいる期間も長かったですものね。

伊藤:めちゃくちゃ長かったですし、桃子の次にやま(山下美月)が卒業してから5人になるまでのスピードが速すぎて、気持ちがついていかないっていうか。

ーーその山下さんの卒業でさえ、昨年5月の話ですし。

伊藤:もっと前のような気がしますよね。それくらいスピード感がありすぎて焦ってしまうから、より「一緒にいよう」みたいな気持ちが強いのかもしれません。

ーー今年に入ってからも与田祐希さんや佐藤楓さん、中村麗乃さんが卒業し、今は久保史緒里さんの卒業も控えています。そういう現実を、理々杏さんはどう受け止めていますか?

伊藤:寂しさはもちろんあるんですけど、「ここまでよく頑張ったね!」という気持ちが強くて。先輩方もちょうど7、8年目ぐらいに卒業されていきましたし、そういう時期にきたんだなと受け止めています。

ーーそう思っているんですね。

伊藤:こういう状況に対して、後輩に関しては心配もあるんですけど、でも「大丈夫だろう」っていう気持ちもあって。というのも、自分がまさにそういう経験をした時に乗り越えることができたから。私、乃木坂人生の中で3回くらい大きな波があったんです。最初は松村(沙友理)さんとか高山(一実)さんとか、仲の良い先輩方が次々に卒業した時。すごく寂しくなってしまったんです。2回目は(齋藤)飛鳥さんが卒業された時。自分が乃木坂46に入ったのは飛鳥さんがきっかけで、ずっと尊敬していたし大好きだったので、いろいろ考えすぎてしまいました。でも、それも乗り越えられたけど、3回目の波がきたのはやまが卒業した時。あの時はやまが乃木坂46からいなくなったら自分がどうなるのかまったく想像できなくて、正直寂しくて自分も卒業したくなっちゃうんじゃないかと覚悟していたけど、後輩や同期のおかげで乗り越えられた。きっと私と同じように、後輩たちも先輩や同期がいなくなってしんどい思いをすることもあるだろうけど、私が乗り越えられることができたんだから、みんなもきっと乗り越えられるし大丈夫だろうと信じています。

ーーそうやって後輩たちも同じ思いを経験しながら、グループって歴史を重ねていくものなんでしょうね。では、今の理々杏さんにとって乃木坂46ってどんな存在ですか?

伊藤:最初は憧れの場所だったけど、先輩方が全員ご卒業されてからは守るべき場所に変わって。でも、去年から今年にかけて後輩ちゃんたちがどんどん逞しくなって、自分が頼れるようになったので、今は落ち着く場所といいますか……人生のほぼ半分ぐらいこのグループにいるので、実家のように心を許せる場所になってきたのかなと思います。

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