SixTONESはなぜライブに強い? 絶えずオーディエンスを巻き込む自在なパフォーマンスの凄み

 今年1月から4月にかけて、グループ初の5大ドームツアー『SixTONES LIVE TOUR 2025「YOUNG OLD」』を開催したSixTONES。そのライブ映像作品が、10月29日にリリースされる。

SixTONES、“6色の歌声”が重なる鮮やかなライブ

SixTONES –「THE BALLERS」from LIVE DVD/BD「YOUNG OLD」(2025.1.27 TOKYO DOME)

 リリースに先駆けて、グループの公式YouTubeチャンネルでは「THE BALLERS」「こっから」「Underline」のライブ映像が公開された。映像を観ていると、大規模なドームでさえもファンとの一体感を失わない、彼らのライブパフォーマンスの凄さをあらためて感じることができる。

 SixTONESのライブの魅力のひとつに、生ならではの音楽空間を楽しめる点が挙げられるだろう。昨年の『SixTONES LIVE TOUR 2024「VVS」』に続き、今回の5大ドームツアーもバンドセットにて行われた。迫力ある生演奏に、ジェシー、京本大我、松村北斗、髙地優吾、森本慎太郎、田中樹それぞれの個性豊かなボーカルが重なる。パートによって声のトーンを変えてみたり、メロディをアレンジしたりと、生音を浴びながら遊ぶようにパフォーマンスする彼らからは、この場を心底楽しんでいることが伝わってくるのだ。バンドの演奏とメンバーの歌声が共鳴し、楽曲が再構築されることで、ライブならではの興奮や感動を生み出しているように思う。

 『YOUNG OLD』でいえば、“GOLD殿”と題したセットに海賊船を模した巨大なフロート、ムービングの花道にスモーク、紙吹雪など、絢爛かつユニークな演出の数々もライブを盛り上げるのに一役買っていた。単独ライブではない複数のアーティストが出演するイベントやフェスでは、そういった演出は限られてしまう。それでも、『COUNTDOWN JAPAN 24/25』や『SUMMER SONIC 2025』といったステージでSixTONESが話題を集めてきたのは、彼らがオーディエンスの反応や場の空気を敏感に受け取りながらライブを展開してきたからかもしれない。

SixTONES –「Underline」from LIVE DVD/BD「YOUNG OLD」(2025.1.27 TOKYO DOME)

 10月17日にYouTubeチャンネルでライブ映像が公開された「Underline」も、6人のそのグルーヴ感が発揮されていた。Kroiが提供したこの楽曲はツアー『YOUNG OLD』ではバンドセットで披露。音源とは異なるアレンジが施されたサウンドに、自由に遊ぶようにして声を乗せる姿は、まさに“ライブのSixTONES”の真骨頂のようなパフォーマンスだった。

SixTONESのライブは“誰一人置いていかない”

SixTONES –「恋のバタリアン」from CANNONBALL 2025

 YouTubeチャンネルでは、8月に行われた音楽フェス『CANNON BALL2025』に出演した際の映像も公開され話題になっている。映像は、同じ日に出演したマキシマム ザ ホルモンと、楽曲「恋のバタリアン」をコラボパフォーマンスした時のものだ。まず、冒頭からクラップを煽った6人は、ステージを左右に動き回りながらボーカルを歌い繋いでいく。ジェシーの〈Ladies & Gentlemen, welcome to COTTELEE WORLD! It’s show time!〉のパートを経て、曲が激しくなると同時に全員でステージ端まで猛ダッシュ。その後も、お立ち台の上にジェシーが寝そべって歌唱したり、ヘドバンをしたりとカオスな展開が繰り広げられるのだが、彼らの自由なステージングから熱狂が生まれていたことを映像から感じる。

 曲が始まる前に呼びかけたり、曲中でジャンプやハンズアップを促したりと、SixTONESはオーディンエンスを巻き込んでいくのも上手い。そうやって誰一人置いていかず、かつ想像以上に楽しませることを、彼らは単独ライブだけでなく、出演する音楽フェスやイベントのすべてにおいても徹底しているように見える。彼らのライブには、音源だけでは味わえないワクワクが詰まっている。言い換えれば、パフォーマンスを通じて同じ時間を共有している喜びを強く感じられるからこそ、私たちはSixTONESのライブに魅了されるのだろう。

 まもなくリリースされる『SixTONES LIVE TOUR 2025「YOUNG OLD」』の映像作品。映像を見届けながら、再び彼らの生パフォーマンスの凄みを目撃できる日を楽しみにしたい。

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