スーパーギタリスト・高中正義が魅せた言語を超える音楽と圧巻のパフォーマンス ワールドツアー東京公演
アンコールではサーフボード型のギターを携えて登場
ライブ後半には、斉藤ノヴも当時のレコーディングに参加した、1976年リリースのソロデビューアルバム『SEYCHELLES』の楽曲も披露され、会場は大歓声とともに大きな拍手が鳴り響いた。キラキラとしたイントロの「Oh! Tengo Suerte」では、冒頭のトークボックスが印象的。「トーキョー・レギー」では、爽やかなメロディと心地のいい浮遊感あふれる高中の歌声が披露され、少しチルアウトしたムードで観客を魅了するコーナーとなった。
「Oh! Tengo Suerte」「トーキョー・レギー」は、2年前に急逝した高橋幸宏が作詞を手掛けたことでもファンの間でお馴染み。高橋とはYellow Magic Orchestraが結成される以前の1970年代初頭、サディスティック・ミカ・バンドのメンバーとして行動をともにした。海外でも精力的な活動を行い、英国の国民的バンド・Roxy Musicのツアーでオープニングアクトに抜擢され、1975年に全英で16公演を行った経験を持つ。今回のツアーは、11月に中国・北京、来年はイギリス・ロンドン、アメリカ、オーストラリアでの公演も予定しており、本格的な海外公演はサディスティック・ミカ・バンド以来およそ50年ぶりになる。
また、「M5」ではメキシコの伝統的な帽子であるソンブレロを被って登場。曲中で『鉄腕アトム』のフレーズなどを入れ込むお茶目さで会場を沸かせたほか、壮大なコーラスを会場全体で合唱した「TROPIC BIRDS」、そしてラストの「READY TO FLY」では、70代とは思えないパワフルなジャンプを披露した。さらにアンコールの「Jumping Take Off」ではサーフボード型のギターを携えて登場したほか、ラストの「YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE」ではタッピングやボトルネックなど多彩な奏法でも聴かせた。
ライブを終え、誇らしげに両手を広げ、深くお辞儀をした高中。音はもちろんのこと、演奏テクニックでも、目でも楽しませるステージ。言語を越えたこの音楽とパフォーマンスが、再び世界中を魅了する。