三代目 J SOUL BROTHERSが誓った“MATEと共にある未来” 15年の歴史が結実した初のスタジアム公演

三代目JSB、初のスタジアム公演レポ

 続く映像パートではパフォーマーメンバーを動物に模したキャラクターが活躍。恐竜に立ち向かう姿をコミカルに描き、笑いを誘っていた。最後にはキュートなキャラクターがCGのタッチも変わって恐竜に負けない強い姿に大進化! NAOTOを模したカワウソは……可愛いまま!

三代目 J SOUL BROTHERS
小林直己

 そしてここからPERFORMERコーナーがスタート。ELLYの「ブチ上がれるかい!」という声かけを皮切りに、アウトサイダーなモード全開なユニゾンナンバーを展開。そこからまずNAOTOが捉えどころのないスタイルを見せて撃ち抜いていく。「要!」ではお馴染みの大きな手も登場し会場を1つに。続く小林は刀を使った武士的なパフォーマンス。

三代目 J SOUL BROTHERS
山下健二郎

 「S.A.K.U.R.A.」に合わせ季節外れの桜吹雪が吹き荒れる。最後にはギタープレイも見せ観客を引き込んだ。ELLYは海外ドラマにありそうなワンシーンから始まり、「マジでヤバいですね!」と観客とコミュニケーションを取りながら、スタジアムを巨大なクラブへと変えて盛り上げた。そしてまた5人となり、女性ダンサーと共にムーディーな空気を充満させるダンスを見せた後、岩田が闘争心満点のドSモードで会場を煽る。その姿はバトルで成り上がっていくラッパーのよう。その強い言葉の弾丸からは決して15年間順風満帆ではなく、ここまで本気で戦ってきたことが伝わってきた。最後に山下がメインステージにハーレーダビットソンで登場! サポートダンサーと一体となったダンスは本能をビリビリと刺激し、「STORM RIDERS」のタイトル通り存在感を残した。ラストはまた5人でパフォーマンスし「これが三代目 J SOUL BROTHERS!」とELLYが叫ぶと、大爆発の演出でPERFORMERコーナーは終了した。

三代目 J SOUL BROTHERS

 ØMIの動物キャラクターも登場するムービーを挟み、ステージ上にØMIも合流すると「MUGEN ROAD」でまだまだ燃やしていくJSB3。心なしか演出の炎の量が増え、サポートダンサーのフラッグも熱気を煽り、チーム全体でスタジアムの熱を上げ、燃やし尽くす勢いで始まった後半戦。続いてモニターに「LOVE」の文字が映し出されたら「Feel So Alive」だ。ELLYのラップもキマっていて、中毒性もある楽曲。今度はアリーナの真ん中を通っていくフロートステージに乗って、観客に近付いていくメンバーたち。さらなる至近距離でのメンバーの姿にアリーナは沸き立ち、グルーヴもまた一段階上がる。

三代目 J SOUL BROTHERS

 そしてここからは9曲のメドレー。ダンスもジャンプもコールアンドレスポンスも止まらないラインナップだった。「Summer Madness feat. Afrojack」「Share The Love」「Rat-tat-tat」とダンスが話題になったナンバーから、爽やかで心が軽くなる楽曲たちの応酬に天国級のピースフル。バルーンも再度投入された。メドレーの最後は「STARS」。辺り一面、一番星のように輝く笑顔に溢れ返っていた。

三代目 J SOUL BROTHERS

 本編ラストは「R.Y.U.S.E.I.」。日本の音楽シーンにも燦然と輝く、誇り高きダンスナンバーがこのスタジアムライブの最後を締めくくる。ØMIの「踊ってくれますか!?」もあり、アリーナもスタンドも思い思いのランニングマンを見せて熱唱する。曲中には本物の花火が打ち上げられたが、もう余裕で掻き消すコールアンドレスポンスとØMIのシャウト。これが正真正銘スタジアムアーティストのキラーチューンだということをを見せつけた。マイクに全てをぶつけたØMIは「改めて、三代目 J SOUL BROTHERSでした! ありがとうございました! また会いましょう!」と告げ、最後はカメラに何度も投げキッスを送って、本編は終了した。

三代目 J SOUL BROTHERS

 アンコールの要求はすぐに起こり、幕間は客席参加型のダンスコーナーで楽しませる。続いて山下主催の『山フェス2026』、NAOTOの2度目となるソロツアーの開催決定を告知して盛り上げた。そしてロンドンバスがスタジアムに向かっていくムービーが流れると、前方下手側にバスの実物が。バスの上にメンバーが登場し「BLAZE」のパフォーマンスからアンコールがスタートすると、バスはアリーナの外側を回り、スタンドにいるMATEを喜ばせた。赤い衣装に身を包んだメンバーはまだまだヒートアップさせる気満々で全身で歌い踊る。続く「J.S.B. LOVE」では、今にもバスから飛び降りてきそうなメンバーのアグレッシブさが際立つ。ダンスの体力や変わらぬハイトーンは、どれだけストイックにここまでやってきたのか、想像もつかないほど。途中バンドメンバーやサポートダンサーをスクリーンに映して紹介すると、メンバーだけでなく、サポートや裏方も含め、この日が生まれていることを改めて感じさせた。最後はこの日何度目かの大爆発演出でこの愛を締めた。

三代目 J SOUL BROTHERS

 いよいよアンコールも終盤。最後の曲の前にMCが設けられる。いつの間にか雨は日中のように強く降り出しており、メンバーは「MATEも濡れてるから俺らも濡れよう。みんなでビショビショになろう」とステージの前で話す。岩田は「ほんまおおきに」の後、「(このスタジアム単独公演は)10年近く言い続けたステージ。夢が叶いました! ありがとうございます!」と重ねて感謝する。「今後の活躍も楽しみにしてほしいですし、さらに盛り上がっていくぞ!」と伝えた。京都出身の山下は煽り煽って「関西ただいまー!」と叫ぶと「おかえりー!」と返ってきて「気持ちいい……!」と一言。ここまで来れたのはMATEのおかげと感謝を伝える。また「『1st Place』で盛り上がったのが嬉しかった」と15年という歴史を共に歩んできたファンの姿に喜びをにじませた。

 NAOTOはMATEに「あんたらすごいわ」と伝え、「俺たちの力を見せつけるぞ!と思ってたんですけど、MATEの力をまざまざと見せつけられたライブでした。このステージまで伝わってきました!」と感謝する。MATEのダンスも成長していると感じたと話し「これからも僕らとMATEで歴史を一緒に作っていきましょう!」と約束した。

 続くELLYが「楽しかったですか!」と聞くと大歓声。「俺らのライブのスタイルはどこのグループにも負けないNo.1のライブの作り方だと思う」と自信を示し、「この先も一緒に楽しんでいけますか!」と最後に問いかけ、再び大きな声が返ってきた。小林は「感動しました」と感慨深げに伝える。それは1曲目に登場した瞬間から、スタジアムの景色、歓声を聞いて感じたとのこと。みなさんもこのライブに「絶対に来るんだ!」という強い思いを持ってさまざまな準備をして、このスタジアムに臨んでくれたことが伝わったと話す。15年の中からいろんな曲をやって、客席がそれを「あの時ああだった」というのを噛み締めながら楽しんでいるように見えたと振り返ると「一生忘れられない日になりましたか!」と問いかけ、「今日しかできないライブができた」と感謝を伝えた。

 最後はØMI。「なるべくベストを尽くそうと」と話すと、メンバーと客席から労いの言葉と拍手が届く。「みんなに助けられた」と感謝し、「雨が止めば、虹がかかります」「皆さんにもいろんな大事な人がいると思います。僕らにとっても大事な人がいますので、どうかその虹の向こうに届くように、一緒に歌ってください」と伝え、最後の曲「RAINBOW」に繋げた。ライトスティックで虹色に染まるスタジアムはメンバーと一体となって歌う。一体となって手を振る。その手をメンバーに向けると、たしかに手を取り合った感触がそこにはあった。いろんな感情が押し寄せたのか、ELLYは堪らず感極まると〈歩き出した day 1〉からの道のりを思い返すように空を見上げ、ØMIの目にも光るものがあった。そしてØMIは「大丈夫。また会えるよ」と伝えた後、最後の1パートを歌い上げた。感動的なアウトロの中、ØMIが「三代目 J SOUL BROTHERSでした! ありがとうございました! 今日来れなかった全てのMATEにも感謝してます! 本当にありがとうございました!」と感謝を伝えステージを後にしたメンバー。最後にモニターに”FOR MATE”という言葉が映し出されて、スタジアムライブ初日は終了した。

 この日は5万人が集まったが、会場は完全に一体となり、スタンドの最上階の端の方まで楽しむ姿が見られた。その理由はいろいろあると思うが、このスタジアムライブで印象的だったのは、MATEとメンバーとの絆が1本1本強く繋がっているということ。15年の歩みを経て、タイトルの“ONE”のように強く結びついていたことだった。1人1人との出会いに彼らは本当に感謝しているからこそ、MATEも記念すべきスタジアムで15年間の想いを重ねながら全身でその一体感を感じられたのだろう。その共鳴が止まらないライブだった。彼らが約束してくれたように、“これからもずっとMATEと一緒に紡いでいく未来”を心待ちにしている。

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