Mrs. GREEN APPLE、SixTONES、FALL OUT BOY、aespa……『SUMMER SONIC 2025』豪華アクトの注目ステージを振り返る
都市型音楽フェス『SUMMER SONIC 2025』(以下、『サマソニ』)が、8月16日&17日に東京と大阪で開催された。このうちZOZOマリンスタジアム、幕張の浜(幕張海浜公園)、幕張メッセ(東京)でのライブの模様と、8月15日に幕張メッセで行われた『サマソニ』東京前夜を彩るオールナイトイベント『SONICMANIA』の模様が、10月26日にWOWOWで放送・配信。さらに、これに先駆けて10月14日には注目アーティストをピックアップしたハイライト番組『SUMMER SONIC 2025 ハイライト』も放送・配信される。本稿では各プログラムでオンエア予定のアクトについての見どころを紹介。当日会場で観覧した人はもちろんのこと、これから番組を通じて触れるであろう各アクトの魅力をここで感じ取っていただきたい。(※編集部注)執筆時は放送楽曲が発表されていないため、記事内容とオンエア楽曲は異なる可能性がある旨、ご了承いただきたい。
THE PRODIGY(『ソニマニ』)
2019年に主要メンバーのひとりキース・フリントを失ったものの、2022年からリアム・ハウレット&マキシムを中心にライブ活動を再開させたTHE PRODIGYがついに日本に上陸。ステージを牽引するメンバーはマキシムひとりになってしまったものの、亡きキースの意思を引き継いだ圧倒的なパフォーマンスとヘヴィ&ダンサブルなサウンドはさらなる進化を遂げていた。「Breathe」や「Omen」など時代を超越して現在もなお有効であることを証明してみせた代表曲の数々と、それを惜しげもなく連発する爆音アンサンブルは往年のファンから新規リスナーまでもを巻き込む贅沢なもの。フロアを埋め尽くすオーディエンスが終始シンガロングする様も圧巻なだけに、この歴史的瞬間をぜひ目に焼き付けてほしい。
FALL OUT BOY(『サマソニ』DAY-1)
FALL OUT BOYにとっての『サマソニ』は、日本との絆を確認しながらより強めていくための大切な場だった。2006年の初出演から数え6回目となる今年、ついに『サマソニ』東京DAY-1のMARINE STAGE/大阪DAY-2のAIR STAGEのヘッドライナーを務めることに。入院着姿のパトリック・スタンプ(Vo/Gt)が病院のベッドの上で歌い始めるオープニング演出を筆頭に、彼ららしいユーモアも随所に散りばめられたステージと、「Dance, Dance」や「Thnks fr th Mmrs」など時代を彩ってきた名曲の数々で観る者を圧倒。「これぞ『サマソニ』!」と言わんばかりの王道のライブは、ファンならずとも必見だ。
AI & JUJU(『サマソニ』DAY-1)
コモンやジミー・ジャム&テリー・ルイスなどの海外勢、ウルフルズやスチャダラパーといった国内勢とバラエティ豊かなメンツが揃った今年の『サマソニ』DAY-1のBEACH STAGEは「Billboard LIVE & JUJU's BEACH PARTY」と題して、90'sを目一杯楽しむビーチパーティを展開。その1日の締めくくりとしてステージに登場したAIとJUJUは「やさしさで溢れるように」や「最終宣告」などそれぞれの代表曲に加え、PUSHIMやスチャダラパーといった90'sを彩った豪華アーティストたちとのコラボレーションも展開。ゴージャスなバンドアンサンブルと一夜限りのセッションは、幅広い世代の音楽ファンに新鮮に響くスペシャルな時間となったことだろう。
Official髭男dism(『サマソニ』DAY-1)
Official髭男dismは、ホーンセクション&コーラス隊など、サポートメンバーを迎えた豪華編成で『サマソニ』に挑んだ。満員のMARINE STAGEに登場した彼らは「Pretender」を皮切りに、ヒットナンバーの連発で会場を沸かし続ける。そんな中、この日がライブ初披露となる新曲「らしさ」も飛び出し、現在進行形で進化し続けるバンドの姿を鮮明にアピールしてくれた。楽曲の素晴らしさはもちろんのこと、なぜ彼らのライブが多くの音楽ファンに支持されるのか。フェスという限られた時間の中でも、Official髭男dismはその理由を見事に証明してみせた。世界に誇る日本のトップバンドの魅力を、ぜひこのステージから感じ取ってほしい。
SixTONES(『サマソニ』DAY-1)
メンバー個々が演技やバラエティなどでも活躍するSixTONESだが、そのライブステージを生で体験したことがある方はファン以外では限られているのではないだろうか。『サマソニ』初出演となった彼らは、初日MARINE STAGEのトップバッターを担当。早い時間からのステージにも関わらず会場を満員にし、「こっから」を筆頭に野田洋次郎(RADWIMPS)提供の「Stargaze」など、ライブならではのエネルギッシュなパフォーマンスを展開。生バンドによる躍動感溢れる演奏を背に、息の合ったダンスやパワフルなボーカルワーク、キレ味鋭いラップなどを交えながらライブを進行させていく。群雄割拠の国内ボーイズグループシーンにおいて、なぜ彼らが飛び抜けた存在として支持されるのか……その一端が垣間見えるステージは非常に見応え満点だ。
YUNGBLUD(『サマソニ』DAY-1)
6月にリリースされた最新アルバム『Idols』が全英1位を獲得。7月に開催されたオジー・オズボーン&BLACK SABBATHのラストステージでもその存在感を遺憾なく発揮したヤングブラッドが、3年ぶりに『サマソニ』に帰ってきた。ニューアルバム同様、ライブの幕開けを飾った「Hello Heaven, Hello」やブリットポップ味を感じさせる「Lovesick Lullaby」を筆頭に、時にシアトリカルに、時にパンキッシュに、そして時にエモーショナルに展開するステージは「ロックのおもちゃ箱」的なバラエティ豊かさで、これらをひとつに束ねるヤングブラッドの圧倒的なオーラとパフォーマンス力からは、ロックスターやカリスマと呼ぶにふさわしい王者の風格すら感じられるものだ。今後さらに歴史を築いていくであろう彼の、日本での貴重なステージをお見逃しなく。