アメリカ在住の高校生シンガーソングライター・Maya、驚くべき才能の登場 菅野よう子やm-floも認める歌声の魅力

 少しでも触れたら壊れてしまいそうな繊細な質感の向こう側に、鋭く、力強い眼差しが見える。その歌声は、少しずつ日本、そして世界へと広がり始めている。

 現在、アメリカ在住の高校生であるMayaは、2023年にTikTokにアップロードしたカバー音源が注目を集めたことをきっかけに、アーティスト活動への道を切り開いた。なかでも、Grover Washington Jr.「Just the Two of Us」やMåneskin「Beggin'」(原曲はThe Four Seasons)、Vaundy「napori」などの弾き語りカバーは、数百万回再生を超えている。時代やジャンルを越えた選曲はもちろん、それぞれの楽曲が若い世代を中心に確かな人気を得ていることからも、その才能を感じ取ることができるだろう。

@little_red1211

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♬ original sound - まや/Maya - まや/Maya

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ナポリ — Vaundy #singing #弾き語り #coversong #singing #fyp #07 #cover #歌ってみた #napoli #vaundy #弾き語り女子

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 その活動が、日本を代表する音楽プロデューサーとして知られる菅野よう子の目に留まり、2024年3月リリースの「Blue feat. Maya」にて歌唱参加を果たす。さらに同年の7月にはm-floの約4年ぶりの新曲にして、コラボシリーズ「loves」の復活第一弾でもある「HyperNova」に参加し、大きな話題を集めた。

Yoko Kanno / 菅野よう子 Blue feat. Maya 【Official Music Visualizer】
m-flo loves Maya / "HyperNova" Official Music Video

 英語と日本語を自在に織り交ぜながら、ジャージークラブのビートの上で軽快かつエモーショナルに歌い上げるMayaのパフォーマンスは、常にグローバルポップのトレンドを吸収しながら良質なJ-POPとしてアウトプットするm-floとの好相性ぶりを見事に証明しており、楽曲自体のヒット(TIkTok総再生回数が1億回再生突破)に加えて、同年の『SUMMER SONIC 2024』でもコラボパフォーマンスを披露するに至っている。

 筆者もこのステージを見ていたのだが、約2万人の規模を誇るサマソニ東京のマウンテンステージで、見事に音源と遜色ないどころか、より感情を巧みに描き上げていく歌声を披露するMayaの堂々たる佇まいに驚かされたのを覚えている(おそらく、これで彼女を始めて見た人は、これがデビュー1年目のアーティストのステージだとは全く思わなかったのではないだろうか)。

 そんな充実した一年を経て、2025年はMayaにとってさらなる躍進の年となっている。8月6日にリリースされた「Red Lights」は、これまでカバーやコラボレーションを中心に活躍してきた彼女にとって初となる単独での楽曲であり、事実上のデビューシングルであると捉えてもいいだろう。9月21日オンエアのJ-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』では4位にランクインするなど、リリースから1カ月が経った今もトピックが絶えない状況だ。ニューヨークを拠点に活動する音楽プロデューサーのケリム・ヴィルヘルムとの共同作業によって生まれた同楽曲は、Maya自身も作詞・作曲に関わっており、彼女のシンガーソングライターとしての気質も存分に発揮されている。

Maya - Red Lights

 近年の英語圏でよく使われるスラングの「恋愛における悪い予兆=Red Flags」を着想源とした「Red Lights」は、多くの場合には「こういう相手はやめておけ」と(ともすれば女性蔑視的なニュアンスを伴って)語られることの多いフレーズを逆手に取り、それを自覚してもなお止めることができない自身の感情を情熱的に描きあげた楽曲だ。この発想の転換自体が痛快だし、Mayaの歌声から感じられる「繊細でありながらも、核には確かな力強さを感じられる」というスタイルとも見事に合致している。一つひとつのビートをしっかりと刻みながらも、空間的なアプローチの効いた奥行きのあるトラックも、彼女のボーカルをしっかりと引き立たせていて、一度聴くだけで楽曲の世界へと引き込まれていく。後半で聞かせる伸びやかなファルセットも絶品で、聴けば聴くほどにその幅広い歌唱に圧倒されてしまう。一発目の楽曲としては、まさに申し分のない仕上がりと言えるだろう。

(撮影=SABURO YONEYAMA)
(撮影=SABURO YONEYAMA)

 「Red Lights」リリース直後の8月10日には、Blue Note Placeで自身にとって二度目となるソロコンサートを開催するなど、精力的に活動を続けているMaya(同公演の映像は公式YouTubeチャンネルやSNSなどから見ることができる)。今後リリースされるであろう楽曲も含めて、その魅力はさらに日本、あるいは世界へと広まっていくことだろう。是非、今後の動きにも注目してほしい。

Maya - Slipping Through My Fingers by ABBA 【LIVE PERFORMANCE at BLUE NOTE PLACE】‪@BLUENOTEJAPAN‬

■リリース情報
「Red Lights」
8月6日(水)配信リリース
配信リンク:https://orcd.co/maya_red-lights
作詞、作曲、編曲:Kerim “Spacey Kay”Wilhelm、Mitsu.J、Maya、Tadashi James Beddie

■関連リンク
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YouTube:https://www.youtube.com/@Maya_Official_YT
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