米津玄師、Number_i、コレサワ、BE:FIRST、m-flo loves RIP SLYME、羊文学……注目新譜6作をレビュー

BE:FIRST「BLUE」

BLUE

 JUNON、LEOの最年長コンビ(とはいえまだ27歳)が作詞に参加した「BLUE」は、心地よい解放とシックな手触りを同時に感じさせるミディアムチューン。チルでもアッパーでもなく“穏やかな高揚感”と称すべきトラック、そして、大人の余裕を感じさせるボーカル/ラップからは、メンバーの着実な成長ぶりが伝わってくる。リリックの軸を担っているのは〈君がいるだけで/君といるだけで〉というライン。一緒にいるだけで心が落ち着き、がんばろうと思える人(たち)といろんな話をしたり、昔のことを思い出したり、なんだか人生が報われたような気がしてくる。そんな瞬間の大切さ、愛おしさを描いた深みのあるラブソングだと思う。(森)

m-flo loves RIP SLYME「ARIGATTO」

m-flo loves RIP SLYME / "ARIGATTO" Official Music Video

 最先端のダンスミュージックをJ-POPに持ち込んだm-flo、親しみやすいキャラクター性とHIPHOPへの深い造形を見事に共存させ、お茶の間レベルの人気者になったRIP SLYME。00年代前半の音楽シーンを変貌させたゲームチェンジャーたちが20数年の時を経てついに交差、m-flo loves RIP SLYME名義の「ARIGATTO」へと結実した。オールドスクールなビート、往年のディスコ〜ファンクが混ざり合うトラックのなかで綴られるのは、ずばり感謝の気持ち。同じ時代をともにしながらたどり着いた2025年。これまでに通過してきたいろんな出来事や経験、さらにm-floとRIP SLYMEを形作ってきた音楽、カルチャーをひっくるめて「ありがっと!」を響かせ合う、楽しくて泣けてくる極上のアンセムソングだ。(森)

羊文学「doll」

doll

 10月8日に発売されるアルバム『D o n' t L a u g h I t O f f』からの先行配信。ざらついたギターが4小節ごとに同じフレーズを繰り返す。ここまでシンプルなロックはNirvanaかART-SCHOOLぐらい、という感じのグランジ系ナンバーで、無装飾でありすぎるがゆえ最後の転調がたまらないカタルシスをもたらす。ともあれ、「tears」「Burning」「声」など既発のヒット曲がたっぷり入っているアルバムから、この曲を先行で聴かせる理由は何だろうか。〈あなたは私の何にも知らない〉〈だって愛してるって言っても 理由がない〉〈正解のフリしてる 偽善が多い〉などなど、グサグサ刺さる言葉ばかりの一曲なのだ。これは羊文学なりの挑発か。アルバムの全貌が気になる。(石井)

米津玄師「1991」、羊文学「1999」、MAN WITH A MISSION「1997」、andymori「1984」……“西暦ソング”の特別な意味

米津玄師、羊文学、MAN WITH A MISSION、andymori、omoinotakeらが、それぞれの特別な思いを込めて…

藤井 風、大森元貴、米津玄師、Official髭男dism……MVで発揮された“名演技”に集まる注目

藤井 風、Mrs. GREEN APPLE、米津玄師、Official髭男dismらによる、アーティスト自身の“演技”が光るMV…

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