SKY-HIが信じる本気で夢へ立ち向かう10代の力 『THE LAST PIECE』ファイナリスト10名、デビューへの王手

 BMSGの新たなボーイズグループ結成へ向けたオーディション『THE LAST PIECE』Ep.12が、9月12日に公開された。

 長い合宿を終えた10日後。ファイナリスト10人はBMSG本社に集結し、思い出話に花を咲かせていた。そこに現れたのはSKY-HIと、Da-iCEの工藤大輝。BE:FIRSTを生んだ『THE FIRST』3次審査の課題曲を提供したという縁もあり、最終審査を目前に控えるファイナリストを激励するためにやってきたという。工藤も見守るなか、最終審査の内容が明かされる。

 長いオーディションを締めくくる最終審査では、2チームに分かれ、プレデビュー曲「Moonchaser」をパフォーマンスすることに。「月のように大きな夢を追いかけてほしい」というSKY-HIの思いが込められたこの曲は、疾走感あるテンポが心地好いダンサブルなナンバーだ。さらにSKY-HIは、「10人でバラード曲をやってもらいたい」と、もうひとつの課題曲「PIECES」を発表。サビの歌詞はSKY-HIが制作済みだが、そのほかのパートはファイナリストが手掛けることに。これまでのオーディションの集大成となる最終審査の課題曲。「この『THE LAST PIECE』の数カ月間を8小節で伝えるなら、誰に何を言うか考えてみてほしい」――。彼らはこのふたつの楽曲で、どんな夢あふれるパフォーマンスを見せてくれるのか、そしてSKY-HIの思いを胸に彼らはどんな言葉を紡ぐのだろうか――。

 SKY-HIが最終審査で彼らに求めるのは、“夢を信じ切る力”。「全部懸けて振り切った時の夢の力をいちばん見せてくれる方が、メンバーになるんだと思う」と、カメラの前で力強く語る。ここまで育ててきた自分の夢を、最も強く信じ切れるメンバーは誰なのか。10代のすべてを賭けた最後の挑戦がついに幕を開けた。

 本番2週間前から「Moonchaser」のダンスレッスンがスタート。コレオグラフは、s**t kingzのNOPPOによるものだ。早速振り入れが始まるが、NOPPOならではの高難度の振り付けに面食らうファイナリストたち。実はNOPPOがSKY-HIにダンスの案を提出した際、「もっと難しくしてもいいかも」と、さらなるレベルアップのオーダーがあったという。

 レッスン中、人一倍食らいついているのはADAM。ダンス歴1年という経歴ながらも、毎回の審査で大きな成長を見せ、ここまで勝ち上がってきたメンバーだ。ADAMは「大変だけど、何より楽しんでできているので。謙虚にやりたいけど、ネガティブなことはないので、頑張ります」とカメラの前で意気込みを語る。そんな彼の横にはダンススキルの高いTAIKIがいて、「全部俺が(ADAMに)教えてます」と冗談交じりに言いながら笑い合う場面も。

 ファイナリストたちの絆はすでにかなり深まっているが、さらに気持ちをひとつにするべく10日間の共同生活もスタート。ゴミ出しや掃除などの家事もすべて自分たちでやることになるが、仲間と一緒に過ごすワクワク感に笑顔があふれる。

 ここからは、各チームに分かれて「Moonchaser」を歌いながら踊る練習が始まっていく。RUI、YUTA、RAIKI、GOICHI、KANTAからなるteam Spaceにはダンスや歌唱歴の長いメンバーも多いが、全員が大苦戦。『THE LAST PIECE』史上、最も難度の高い課題曲がファイナリストの前に立ちはだかる。歌唱レッスンでは、長い間彼らを見守ってきたりょんりょん先生が、オーディション開始時から歌に課題を感じていたKANTAを「すごく表情がよくなって、歌も上手くなってる」とストレートに褒め、かつて「天井が見えた」とSKY-HIに指摘されたGOICHIも「ちゃんときれいに歌おうとしているし、GOICHI(らしさがあった)」と新たなスタイルを見つけつつあることを称賛。ファイナリストたちは、ここにきて、さらなる成長を遂げようとしているのだ。

 しかし、一方でGOICHIは得意だったラップパートでまさかの苦戦。ボイストレーナーのまりこ先生に「ラップ人生一、ムズいです」と本音を漏らし、歯を食いしばりながら目に涙を滲ませる。また、RUIも回転しながら歌う難関パートでつまずき、悔しい表情。真面目がゆえにパッションを開放することが苦手なRAIKIもまた考えすぎてしまい、思うようなパフォーマンスができずにいた。

 そんななか、チームの雰囲気を変えたのはYUTAの「歌詞の解釈を共有しよう」という言葉。フレーズ一つひとつを丁寧に拾い上げ、自分の考えを話し合う。全員の意識を一致させることでチームの雰囲気もまとまりを見せていく。

 TAIKI、KANON、KEI、TAICHI、ADAMからなるteam Cosmosもまた、歌唱レッスンでは成長した姿でりょんりょん先生を驚かせる。TAICHIは自信のなさを克服した豊かな歌声を響かせ、KEIも細やかなアドバイスも即実行する、確かなスキルを見せる。特にADAMの歌声を聴いたりょんりょん先生は、「なんでこの場所でこんなにデカく花が咲いてるの? すごい、すごい!」と感嘆し、拍手を贈るほど。合宿やその後のレッスンも含めて努力し続けてきた結果が、次々と花咲き始めているようだ。

 パフォーマンスについて、NOPPOは「めちゃくちゃ色気がある。歌を歌っただけでスッと雰囲気が変わる。表情もバッチリ、かっこいい」とKANONを絶賛。また、「TAIKIのパートは(本人に)委ねる。そこは信頼を置いてる。真面目に一言一句聞き逃さない姿勢で聞いてくれてるので」とTAIKIの人間性も高く買っている模様。team Cosmosはダンスのイメージを擬音で共有し合うことで、パフォーマンスの一体感も増幅した。ADAMお得意のモノマネも飛び出し、笑い合いながらいい雰囲気で練習は進んでいった。

 両チームとも着実に歩を進めていくなか、SKY-HIから重大発表が飛び出す。なんと最終審査前に、『CDTVライブ!ライブ!』にてファイナリスト10人とSKY-HIがオーディションのテーマ曲「At The Last」をパフォーマンスすることが決定したのだ。“テレビ出演”という大きなイベントに「ヤバい!」と大興奮する候補生たち。SKY-HIはこれを機に、「見られるプレッシャーがあるなかで、どういった責任感を持ってパフォーマンスできるのか」を見極めたいと思っているようだ。

 収録は、本番6日前。憧れのステージに立ったファイナリストたちは、プロの現場の緊張感を味わいつつも、今までにない楽しさも感じられた様子。この経験を糧に、さらにギアを上げて審査本番へ己を磨き上げていく。

 本番5日前からは、「PIECES」の振り入れがスタート。振り付けを手掛けたs**t kingzのOguriは、彼らが考えた歌詞から絆や時間というキーワードを汲み取り、円陣から始まって円陣で終わるという今の10人に寄り添ったエモーショナルな振り付けを制作したという。テンポがスローなぶん、動きを丁寧にこなしてきれいに見せる必要があるこの曲。レッスンは順調に進行し、途中で様子を見にきたSKY-HIも「いいね」と好感触を抱いているようだ。しかしSKY-HIは、彼らの技術こそ認めているものの、「審査本番では、人生と向き合う覚悟や本気を見せてほしい」と要望。

 というのも、『CDTVライブ!ライブ!』での彼らのパフォーマンスが、合宿の集大成を飾った河口湖ステラシアターのステージほどのオーラが出ていなかったというのだ。その言葉を聞いて、ファイナリストたちの顔つきに闘志が宿る。

 彼らの人生が変わる瞬間は、刻々と近づいていく。運命のステージに向けて、ひたすら練習に打ち込む10人。最後の通し練習が終わり、あとは本番を迎えるのみ――。そう思っていた彼らに、ここで突然スタッフから明日への激励を込めたプレゼントが贈られる。一人ひとり名前を呼ばれて受け取ったのは、オーディションの思い出が詰まったアルバム。パフォーマンス中の写真からオフショット、スタッフからのあたたかなメッセージまでもが詰まった愛に溢れる一冊だ。大切そうにページを捲りながら、候補生たちは涙を流す。

 GOICHIは「全員家族みたいな存在だから、楽しく夢を見られてる」、TAICHIは「支えてくださった皆さんのおかげで成長できている自分を、心から誇れています」とあらためて感謝を伝える。YUTAも涙を堪えながら「明日のステージでは愛をすべて返して、大きい夢を見せます」と宣言。BMSG TRAINEEとしての期間も含め、4年間BMSGスタッフに支えられてきたRUIは、「こんなに難しい性格をしているのに否定せず、たくさんの愛情を届けていただいて。絶対にデビューして……そこからもよろしくお願いします」と深く頭を下げる。自身のコンプレックスと戦い続けてきたKANTAは、「自分のことが嫌いで情けなかったけど、今は自分のことを認めてあげられたり、好きになれました」と声を震わせる。この時点で、スタッフもほとんど全員が号泣。彼らが育ってきた環境がいかにあたたかく、愛に溢れる場所だったのか――。その温度が感じられた。

関連記事