マリブル 海音、長崎原爆と向き合った「1945」に託した覚悟 佐世保から東京へ――“今”の思いを語る

離れていても続く絆、模索の中で見えたバンドの現在地

——今、すずきさんとは離れ離れの生活ですが、バンドとしてはどんな状況ですか。

海音:会ってる時にいっぱい話して、たまに電話もしながら頑張っています。ただ、やっぱり会っていた頃に勝ることはできないので、「今、できること」をいまだに模索している部分はあります。個人的に思っているのは、1stアルバム『この日々をお守りに』が日記みたいな作品だったので、これからはもっと距離が近くなるような曲を出していって、より自分のフィーリングに合った曲を作っていきたいと思っています。

——よりパーソナルな方向性に?

海音:はい。今までの曲はキラキラしていて、もちろんそれも好きだったんですけど、もっと深い、グロい部分というか……自分でも認めたくないような自分と向き合っている時期なので、それを書くことに意味があるんだろうなと思っています。

——これまでも自分をさらけ出してはいましたが、さらに?

海音:不登校というドラマがなくなってしまったので、もっと心の内を書いていきたいなって。「届けるため」だけではなく、「書かなきゃやってらんない」っていうくらいの気持ちで歌詞を書いていきたい。自分の嫌な部分を書ける自分はかっこいいなと思うし、憧れでもあるので頑張ろうと思います。それを人に見せるのは怖いけど、絶対に共感してくれる人はいると思っているので。

——自分の嫌な部分と向き合うのは辛い作業ですよね。

海音:そうですね。でも私、2月16日の誕生日の日にメンバーからすごいダメ出しを食らったんです。というのも、「18歳になる日付が変わる頃くらいに、すっごいダメ出しをして」ってメンバーにお願いしていたんです。このままひとりで上京したら、ちゃんと頼れる存在になれないから、いろいろ言ってほしいと伝えたら1時間ぐらいになって……(笑)。

——あははは。思ったより長くない?

海音:もう、号泣しながら18歳になって(笑)。この経験は忘れてはいけないと思っています。自分はどんな人間になりたいのか。どうやったらふたりがついていきたいと思える人間になれるのか。きつかったけど、有意義な時間でした。

——「17歳で叶える3つの夢」を達成した拍手喝采よりもダメ出しの方が長かったんじゃないですか?

海音:ふふふ。でも、これからのためにはダメ出しをちゃんと心から受け入れたいなと思って。大事な時間だなと思って頑張りましたね。本当に自分の認めたくない部分は今もたくさんあるんですけども、それをひとつずつ直していけたら後悔ないだろうなと思うので、もっと向き合っていきます。

——3人でバンドの未来について話し合うことは?

海音:今、まさに相談中です。ふたりともすごく悩んでいて、申し訳ないなと思うくらいに葛藤してくれているので、絶対に後悔のないような選択を3人でできるように頑張りたい。3年前よりはお互いに「言い合い」ができるようになったんですけど、まだちゃんとした答えは出せてなくて。ただ、マリンブルーデージーは絶対に続けていきたいし、自分の曲も続けていきたい。希望を言うなら、ふたりと一緒にずっと自分の曲を届けていきたいなと思っているので。これからもふたりを引っ張っていけるくらいのフロントマンにならなきゃと思って、日々悩んでいます。

——10代のうちに達成したいことはありますか?

海音:まだメンバーにも言ってないし、それが実現できるかもわからないんですけど、またアルバムを出したいし、もっと曲を出したいし、もっといろんな場所でライブもしたい。10代のうちに階段を一歩上がった状態にしなきゃいけないなと思っています。バンドとしては、「3人」を大事にしつつ、自分の世界観をどれだけ出せるのかが、これからの勝負だなと思っていて。そのためには、もっと自分や他の人とも向き合う必要がある。妥協せずに頑張って、人間性そのものが曲になっていると思ってもらえるようなバンドになりたいですね。

■リリース情報
「1945」
7月23日(水)配信リリース
配信リンク:lnk.to/MarineBlueDaisy_1945

■関連リンク
X(旧Twitter):https://x.com/maribluofficial
Instagram:https://www.instagram.com/marin0529_official/
TikTok:https://www.tiktok.com/@marinbluedaisy

関連記事