timelesz、『タイプロ』からの勢いを止めないためのアリーナツアー ライブ配信で期待したいドームへの説得力
timeleszの8人体制初となるコンサートツアー『We're timelesz LIVE TOUR 2025 episode 1 〜FAM〜』が、8月24日に静岡県・エコパアリーナにて最終日を迎える。最終公演はFAMILY CLUB onlineでの生配信も決定しており、惜しくも落選してしまったファンや、まだ現地に足を運ぶまでには至っていないが、彼らのコンサートが気になるリスナーにとっては、彼らのコンサートを手軽に観ることのできるいい機会になるはずだ。
6月18日千葉県・LaLa arena TOKYO-BAYからスタートした『We're timelesz LIVE TOUR 2025 episode 1 〜FAM〜』。本人たちがコンサートを楽しんでいる様子がさまざまな場所から伝わってくる。
8月4日に放送された『timeleszのQrzone』(文化放送)には松島聡、原嘉孝、篠塚大輝が出演。今回が人生で初めてのコンサートツアーとなった篠塚は、感想を聞かれると「緊張より『楽しい』の方が勝った」と振り返る。初日の千葉公演を舞台出演のため欠席していた原は、その後篠塚に会った際、「こんな快感、この世にあるんですね」と言ってきたというエピソードも披露し、ステージを楽しんでいる様子が伝わってきた。原にとっては7月5日の愛知公演がツアー初日となったが、オープニングの際に上がった自分への歓声に感動して泣いていたところ、菊池風磨が原のイヤモニを取り、「この景色忘れるなよ」と声をかけ、思わず号泣してしまったと話していた。
『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)を経て新体制となったのが今年の2月。そこから半年も経たずにアリーナツアーがスタートするというスピード感は、『timelesz project』が世の中の注目を集めることを予見し、そしてその勢いのままにコンサートという形で成功を収めて、グループを軌道に乗せるという狙いがあったのだろう。その狙い通り、『timelesz project』からtimeleszのファンになったという人もそのままコンサートに足を運んでいるように見える。しかし、そのスピード感には新加入したメンバーもついていく必要があった。加入した寺西拓人と原はジュニア時代にコンサートの経験があるものの、ブランクのある状態での出演。橋本将生、猪俣周杜、篠塚は、そもそもコンサート自体が初めてだ。この速度に対応すべく、日々リハーサルや練習を重ねてきた様子は彼らのSNSやブログからもファンには伝わっており、実際の公演もその期待に応えるようなものになっている。何より、彼ら自身がコンサートを楽しんでいるということが、良いコンサート作りができている証左だろう。
そんなtimeleszの勢いは衰えるところを知らない。12月26日、27日には京セラドーム大阪にて、2026年1月7日、8日には東京ドームにて『We're timelesz LIVE TOUR 2025-2026 episode 1 FAM DOME』が開催されることが発表されたのだ。まだ新体制が発足して1年足らずで立つことになるドームのステージ。直近の彼らの活躍の華々しさや話題性は十二分にわかっているのだが、それでも、このスピード感に戸惑いの声がないわけではない。
しかし、振り返るとtimeleszはこの短期間で大きく成長したグループだ。特に橋本、猪俣、篠塚は『timelesz project』初期と比べると、まるで別人のように技術を身につけた。ダンスも歌も板につき、自分のパートを楽しむような余裕が生まれてきたように感じられるし、成長という意味では佐藤勝利、菊池、松島も同じだ。加入メンバーをオーディションで探すという異例中の異例とも言えるプロジェクトには、どうしても厳しい声も寄せられた。そんな中で、ファンにできる限り寄り添う姿勢を見せ、新体制になってからの音楽番組では、高まるプレッシャーの中、これまでよりもさらに堂々としたパフォーマンスを披露していた。逆に、加入を機に大きな注目を集めることになった寺西と原は、これまでの経験から成る自分らしさを忘れずに、仲間たちを支えるような役割を担っている。
Sexy Zone時代も数回しか立った経験がない単独でのドームのステージに、新たな体制となったtimeleszとして1年足らずで立つということの大変さは、本人たちが一番わかっているはずだ。新体制の彼らが、“ドーム”という誰もが憧れるステージにふさわしいかどうかは、実際にステージに立つまでわからない。それほどまでに、これからどのように化けるのかわからないポテンシャルを持ったグループなのだ。
まずは、アリーナツアーの最終公演を見届けて、これからの彼らの今後に活目したい。