日本のボーイズグループが世界で活躍するために必要なもの ONE OR EIGHTが語る、“突き詰める”という挑戦
2024年8月16日に「Don't Tell Nobody」でデビューを果たした8人組ボーイズグループ・ONE OR EIGHT。新星のごとく登場した彼らは一気に注目を集め、Billboard Japan Heatseekers Songチャートで1位を獲得した。さらに、同年12月6日にはBig Seanとコラボした「KAWASAKI (with Big Sean)」もリリース。瞬く間に広がりを見せ、アメリカのiTunes Hip-Hop/Rap Songsチャートでの5位ラインクインをはじめ、数々の海外チャートでもランクインを果たした。さらに、2025年3月19日にはリアーナの名曲を公式サンプリングした「DSTM」をリリースするなど、「今一番ホットなボーイズグループ」と言っても過言ではない活躍を見せている。リアルサウンドではそんな彼らにインタビューを実施。デビューから今まで、そして海外で活動する上で考えていることなどについて話を聞いた。(高橋梓)
「KAWASAKI」のヒットに「これって現実なの!?」
ーーまずはONE OR EIGHTの成り立ちからお伺いさせてください。
MIZUKI:僕たちは『WARPs DIG』というオーディションを経て、7人のメンバーが決定しました。その後にNEOが加入してくれて、今は8人で活動しています。デビュー前は『STAGE ZERO』といって、世界6カ国で14公演やらせていただく武者修行を行なってきました。国ごとやステージごとに盛り上がり方が違うので、どうすればいいのかをメンバー全員で話し合いながらパフォーマンスをしてきました。その経験をもとに、2024年8月16日に「Don't Tell Nobody」でデビューをさせていただいた、という流れです。
ーーデビュー前の期間もかなりご多忙だったんですね。
NEO:そうですね。
MIZUKI:やっぱり長期間いろんな国を周ること自体が初めてだったので、環境になかなか慣れなかったり、移動中でも次のステージに向けて話し合いをしたり、大変だと思うことはありました。でもそういった経験をデビュー前にすることができたのは、とてもありがたかったです。
ーーそう考えると、今の皆さんにとって『STAGE ZERO』はとても大きなトピックだった、と。そんな皆さんと言えば、デビューよりひと足先に「KAWASAKI」をYouTubeで公開して話題になりました。その現象をどう見られていたのでしょうか。
SOUMA:YouTube動画が公開されて1週間ほどで1000万回再生を突破していて、最初は本当に信じられませんでした。ちょうどその頃、僕らは『STAGE ZERO』で東南アジアにいたのですが、たくさんの国の方からコメントをいただいて。毎日コメントをチェックしながら「今日はこんなコメントが来ている!」「再生回数がこんなに伸びた!」とみんなで話しながら夢見心地でした。
YUGA:すごくワクワクして、これからの活動が楽しみだねという話もしていました。
SOUMA:正直、今でも信じられないくらいです。僕たちを何も知らない状態で見てくれている方が多いはずなのに、1000万回も再生されていることに驚きでしたね。嬉しいことに間違いはないのですが、「これって現実なの!?」みたいな。
TSUBASA:もちろん僕らをオーディション中から知ってくださっている方もいらっしゃると思いますが、オーディションの終わりから僕らが世に出るまで結構期間が空いたんですね。なので、急にポンッとでたように見えたのかなって。そこで「KAWASAKI」のようなインパクトのある曲を出したので、注目を浴びられたのかなと感じました。
ーーなるほど。さらにデビュー曲「Don't Tell Nobody」も海外のチャートのランクインを果たしましたよね。
TSUBASA:はい。まず「Don't Tell Nobody」はOneRepublicのフロントマンであるライアン・テダーさん、BTSの「Dynamite」などを手掛けているプロデューサーデヴィッド・スチュワートさんが作ってくださった最高のダンスポップ。楽曲自体が本当に素晴らしくて、個人的にデビュー曲にふさわしい楽曲だなと思っていました。それに、武者修行で僕らを直接見てくださっていた1DERZ(ONE OR EIGHTのファンの呼称)が力を合わせて拡散してくれたんですよね。曲の素晴らしさ、1DERZの力が合わさったことでチャートインできたのかなと思っています。
NEO:『STAGE ZERO』をやっていく中で1DERZが増えていっている手応えもありました。
TSUBASA:僕らのInstagramを開設してすぐに世界を回り始めたのですが、フォロワー数もどんどん増えていって。それに再生数も伸びていったので、わかりやすく数字として目で見ることができたのは自信になりましたね。
MIZUKI:コメント欄にも色んな国の言葉をもらっていたよね?
一同:そう、そう!
MIZUKI:世界に挑戦していく上で、色んな国の方々が僕らのデビュー曲から聴いてくださっているんだなとわかって、すごく嬉しかったです。『STAGE ZERO』で訪れていないハンガリーの方からのコメントもあって、「ここまで届いているんだ」と感動しました。
ファンとの交流で実感する愛情
ーー広がりがすごいですね。そして今年3月には海外でファンミーティングを行なっています。
RYOTA:そこでも楽曲の広がりの手応えを感じました。ファンミーティングが始まる前、写真を撮るために少しだけ街に出たのですが、僕らの歌を歌ったり、踊ったりしてくれる人がいて。めちゃくちゃ僕らにアピールしてくれたんです。それを見て「え、ヤバい! 覚えてくれてるの!?」とテンションが上がってしまいました(笑)。本番も、イヤモニを貫通するくらい歓声や歌声が大きくて。それもすごく印象に残っています。みんなエネルギッシュでパワーがすごかったですね。
TAKERU:あとはゲームや質問コーナーもやって、初めて8人でワイワイ話す姿もお見せできました。
YUGA:それと、サイン会もできて楽しかったです。
RYOTA:そう、そう。たくさん並んでくれて、「How are you? 名前なんていうの?」とつたない英語で会話をしてきました(笑)。その時に泣いてくださる方もいたし、「会えて嬉しい!」と言ってくださる方もいました。僕はTAKERUの隣だったのですが、「え、本物のTAKERUくんですか!? 本当かっこよすぎる!」と言われていたのも聞きました。
TAKERU:えへへ(笑)。
RYOTA:日本から遠く離れた国にいるのに、こうして応援してくださっている方がいるんだと感じましたし、愛されているんだなと嬉しくなりました。一方で、僕たちも愛を伝えたいと改めて感じて、日々の練習や活動をもっと大事にしようと思いました。「いつでも世界に胸を張って行けますよ」というレベルになって、皆さんの気持ちに応えたいです。
ーー皆さんにとっても貴重な機会だったのですね。他にも韓国の音楽番組にもたくさん出演されましたよね。どんな思いでパフォーマンスをされていたのでしょうか。
REIA:日本の事務所に所属している全員日本人で構成されているグループがここまで韓国の歌番組に露出できたのは、すごく誇りに思いますし、とても嬉しかったのですが、話を聞いた時点ではまったく実感がなくて。ステージに立ってやっと実感が沸いてきました。それに僕は韓国で練習生をしていた時期があるので、韓国の音楽番組に出演することは夢の1つでもあって。なんだか感慨深かったです。ステージではONE OR EIGHTの音楽のスタイルやメッセージ性、メンバーの魅力を少しでも知っていただけたらという気持ちでパフォーマンスをしました。
TAKERU:特にREIAは喜んでいたもんね。
REIA:だって、韓国の練習生時代はその音楽番組に出るために練習をしていた部分もあったからさ。日本に帰ってきた時点で韓国進出は僕の中で諦めていた部分もあったので、まさか出演できるとは思っていなかったんですよね。なので興奮しっぱなしでした。