Aqours リレーインタビュー Vol.5:斉藤朱夏 曜は“娘”のような存在 「あの日のあの瞬間が最高だった」と思えるように

Aqoursはどのグループよりも「負けん気が強い」

――Aqoursの楽曲の中で、自分自身のテーマソングにしたい1曲と、その理由を教えてください。

斉藤:「君のこころは輝いてるかい?」(以下、「君ここ」)です。10年もAqoursをやっていると、どうしても慣れてしまう部分があるんです。ライブ会場で毎回“次の約束”ができていたことも当たり前ではないはずなのに、なぜかそれに慣れている自分がいたりして。だからこそ、「私たちは『君ここ』でデビューしたんだ」「『君ここ』から出発したんだ」と肝に銘じたくて、テーマソングにしています。初心って、やっぱり忘れちゃダメですよね。慣れってよくない! 怖い!

――「君ここ」に限らず、Aqoursの曲はよく聴きますか?

斉藤:たくさん聴きます! 歌詞を覚えるために聴くこともありますけど、自分の気持ちを奮い立たせるために聴くこともありますね。私は“元気な人”というイメージを持たれがちですが、実はそんなことはなくて。落ち込むことも悩むこともたくさんあるんです。だから、「Aqoursを聴いて、前を向こう!」となることはすごく多いですね。

Aqours 1stSingle「君のこころは輝いてるかい?」Full

――Aqoursとして活動する中で、自分が成長したと感じた瞬間を教えてください。

斉藤:あまり意識したことがないので、難しいですね……。でも、ライブに関しては成長したなと思う瞬間が多い気がします。私は小学生の頃からダンスをやっていて、“格好いいダンス”しか知らなかったんです。だから、Aqoursとして“かわいいダンス”を求められても、何をどうすればいいのかさっぱりわからなかったんですよ。そもそも、「かわいいって何?」「私には無理無理!」って感じでしたし(笑)。だけど、今は全然できます! 格好いいもかわいいも、何でもこいですね。

――曜とシンクロしたからこそですね。

斉藤:そうですね。アニメーションを観察しながら練習をするので、かわいいポーズは自然と身につくんですよ。最初こそ照れがありましたけど、回数を重ねるごとにだんだんと“かわいい”がわかるようになってきました。

――そんな曜は、斉藤さんにとってどんな存在ですか?

斉藤:娘ですね! 私はママのように曜ちゃんを見ているので、彼女が嬉しいことは私も嬉しいし、彼女が悲しいことは私も悲しいんです。それに、「彼女の魅力を伝えるには?」「嫌われないようにするには?」ということもすごく考えています。曜ちゃんに命を吹き込む立場だからこそ、彼女を汚すことは絶対にできません。「曜ちゃんに何かしたら、許さないよ?」という、母親のような気持ちはずっと持ち続けています。

――それだけかわいいんですね、曜が。

斉藤:そりゃあかわいいですよー! みんなかわいいですけど、私の中では曜ちゃんが一番です!

――では、Aqoursはどのような存在になっていますか?

斉藤:家族です。長い年月をともにしてきましたからね。ある時期は、「また明日ね」が何日も続くくらい毎日のように会っていて、「明日しゃべればいいから今連絡しなくていいや」と思っていたくらいなんです。だから家族みたいだなって。

 それに、自分の一番の味方になってくれるのもAqoursなんじゃないかなと思うんです。「だったらいいな」という願いでもあるんですけど。そのくらい、何でも見せられるのが彼女たち。ずっと甘えられる、特別な存在ですね。

――フィナーレライブのリハーサルで久々に会ったと思いますが、その時の空気感はいかがでしたか?

斉藤:何も変わらないですよ。おしゃべりする時はしゃべりっぱなしなんだけど、リハーサルには熱心に打ち込むという、メリハリのある時間を過ごしています。これはもう、10年前から変わらないですね。

 私たちって、よくグループ活動ができているなと思うくらい個性的すぎる子たちの集まりなんです。環境が環境なら、ぶつかっていてもおかしくない。だけど、9人が一人ひとりの性格を理解しているし、Aqoursとしての目標が同じだから、不思議といいバランスで活動できているんです。団結力にも自信がありますね。イベントで別のグループと一緒になった時も、どのグループよりも負けん気は強いし、「かましてやる!」と思っています(笑)。

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