2025.04.25 20:00

月が綺麗じゃなくたって。の現在地　40mPらメンバーが語る新作の制作背景、ボカロP×歌い手ユニットの魅力

各ボカロPの個性を感じる断片が合わさり“ツキレイ”の曲になる面白さ（吉沢ぽわ）

──今回で2作目の楽曲となりましたが、当初の構想に比べ、ヘッドプロデューサーでもある40mPさんはツキレイの現状をどのように感じてらっしゃいますか。

40mP：活動を始めてまもなく半年になりますが、もう1作ぐらい作ってみたところでようやく板についてくるというか、ツキレイとしての色が見え始めるのかな、という感じはしています。そういう意味では次の3作目がすごく楽しみですね。加えて、この4人に声をかけてよかったな、という手応えは現時点でも強く感じています。2曲とも、すごくいいものが出来ていると思うので。

──冒頭にもお話があったように、ツキレイは複数人のボカロPと歌い手で構成されているのがユニークな点でもあります。少し難しい質問ですが、こうして複数回の共同制作を経た上で、それぞれボカロPと歌い手が現状互いにどんな印象を抱いているか、その温度感も少し伺っていいですか？

加賀（ネギシャワーP）：お二人とも歌が本当に上手いな、というのはあらためて感じます。あとは、あられさんもぽわさんも、こういったユニットとしての活動は初めてだと思うんですが、自分も同じようにこういう形での活動は初めてなので、表現の形は違えど個人的にはお二人のことを同期のように感じてますね。勝手に仲間意識を持ってます（笑）。

雪乃：お二人ともフィーリングで歌うというより、自分の中で歌を細かく解釈して歌おうとしているな、という印象を制作の中で受けました。テイクの再現性もあるし、アドバイスを受けてすぐに改善できる技術もお持ちですし、優秀なボーカリストだな、と。実は元々、自分はこの活動の前からお二人とは個人的に交流があったんですよ。いざ蓋を開けたら「あれ、メンバーお前か」みたいな（笑）。そういう意味でも大きなギャップはなく、以前と変わらずシームレスに一緒にやれている感覚はありますね。

40mP：雪乃さんがおっしゃったように2人ともしっかりとオーダーに応えてくれる一方で、自分のこだわりもしっかり持ってるな、と感じています。どうしてもメンバー内では自分だけ年次が上なので、当初は萎縮されたりこっちの提案が悪い意味で通っちゃうんじゃないか、という懸念もあったんです。でも、お二人とも自分の意見をちゃんと主張してくれるのでそれがすごくいいなと思ってますね。それこそが複数人で活動する醍醐味でもありますし。一応ヘッドプロデューサーという肩書きではあるんですが、今は自分も普通に1メンバーとして、皆さんと同じ目線でやらせてもらっていますね。

──続けて、歌い手のお二人はいかがでしょう？

吉沢：僕たちはどうしても作曲面の話などが疎い部分もあるんですが、それでも皆さんの制作を近くで見ていると、例えば「ローダンセ」なんかはオケの時点で「40mPさんの曲だ！」って感じたりして。雪乃さんやネギシャワーさんの作られるオケや歌詞も同様に、曲の断片の時点ですでに皆さんの個性をめちゃくちゃ感じるんですよ。でも、それが全部一緒になるとちゃんと“ツキレイの曲”になるというか。そこに皆さんの凄さを感じますし、それを間近で見られることの面白みを感じながら活動させてもらっています。

あられ：歌い手って、あくまでもいろんな曲を歌わせていただいている立場ではあるんです。だからこそ、今回こうして0から1を生み出したり、時にはそれ以上のものを生み出す方々とご一緒できるのが、すごく嬉しくて新鮮で、ずっとそわそわしています（笑）。もちろん歌を作ること以上に、どなたかの歌を歌わせていただくことが明確に好きで。でも、今回のように、私たち2人のために作られた曲を正式に歌わせていただくのは、やっぱり今までと少し重みが違うな、と。作っていただいた曲の世界観に一番しっくりくる、馴染む歌い手で在りたいんです。そういう自分の理想に近づくためのアドバイスを、曲を作った方々から直接いただけることもすごく光栄でありがたいことですね。

──ありがとうございました。最後に今後の抱負を、皆さんから一言ずついただいてもよろしいでしょうか。

40mP：今出ている2曲でかなり毛色の違うところを攻められていますし、僕以外のメンバー4人の特色もしっかり出せたんじゃないかな、と思っています。それらを踏まえて、次はどういうアプローチで曲を作るのかが個人的にはすごく楽しみですね。今のいい形を、今後の3、4曲目へと繋げていけたらと思います。

加賀（ネギシャワーP）：自分はツキレイとして、今後はライブとかにも出演したいです。あとはアルバムCDとして、ツキレイの作品を作ってこの世に残したいですね。

雪乃：今回のツキレイの活動は1クリエイターとしてすごくいい転機になるんじゃないかな、と感じています。ツキレイとしてやれるだけの全力を出しつつ、ここで得たものを自分の創作にも還元できるといいな、と思いますね。

あられ：少しずつツキレイとしてメディア出演の機会もいただいてるんですが、私たち歌い手2人だけというケースも多くて。なのでゆくゆくは、5人で何かしらのメディアやイベントにも出演したいなって思います。ツキレイ公式YouTube／ニコニコ動画では時々5人でお喋りする動画もアップしているんですが、こういう形での機会もあったら嬉しいですね。

吉沢：僕も5人で表舞台に立ったり、人前に出たいという気持ちはすごくあります。メンバー全員揃って顔を合わせる機会自体はなかなか少ないんですけど、空気感は今すごくいい状態だと感じています。なので、5人揃ってのライブやメディア出演は1つの夢でもありますね。あと、今後アニメなどの作品タイアップにもツキレイで挑戦してみたいです！

月が綺麗じゃなくたって。Documentary #2