リアルサウンド連載「From Editors」第93回：“ウルトラマンの涙”に泣いた　『アーク』TVシリーズ＆劇場版を振り返る

劇場版『アーク』は涙なしには観られない作品！

　そして、2月21日に公開されたばかりの劇場版『ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦！光と闇のアーク』ですが、こちらもとても面白い映画でした。“劇場版”らしい巨大なスケールを期待するとやや肩透かしを食らう部分はありますが、1話完結を得意としてきた『アーク』らしくしっかり地に足をつけたハートフルなストーリーを楽しむことができます。テレビシリーズでは語られなかった登場人物たちの意外な過去が明かされ、「なるほど！」と答え合わせになる部分も。ユウマと石堂シュウ（金田昇）の絆がより深まっていく過程をさらに楽しむこともできますし、ウルトラマンアークが涙を流すシーンには思わず筆者もジーンときました。名シーンだと思います！

　また、この劇場版では邪悪怪人・レポ星人役で、水野美紀さんが声で出演しています（テレビシリーズでは、水野さんの夫であり、特撮作品常連の唐橋充さんも宇宙侍 ザンギル役として声で出演していました）。辻本貴則監督と水野さんは過去にもいくつかの作品でタッグを組んでおり、とりわけ『キル・ビル』を彷彿とさせるぶっ飛んだスプラッターアクションがめちゃくちゃカッコいい『ハード・リベンジ・ミリー』シリーズが好きだったので、今作での水野さんの出演発表は思わぬサプライズでした。レポ星人、よかったです。

　『ウルトラマンアーク』はテレビシリーズ・劇場版含め、心を豊かにし、想像力を育んでくれるような素敵な作品でした。例年通りなら、次のウルトラマンの新作放送は7月。それまで『アーク』を観返しまくりたいと思います。