ミセス 大森元貴、miletから女王蜂 アヴちゃんまで……俳優としても発揮する豊かな表現力
milet
miletは、2月28日公開の映画『知らないカノジョ』でヒロインの前園ミナミ役を務める。映画は、中島健人演じるベストセラー作家・神林リクと、その妻であり、ミュージシャンの夢を諦めたミナミの立場がある日突然逆転してしまうというストーリー。miletは本作で、夫とのすれ違いの日々に孤独を感じる妻と、天才シンガーソングライターという振り幅のある役柄を演じている。
映画初主演かつ本格的な演技も初挑戦となるmiletだが、監督の三木孝浩は「全く初演技だと感じさせなかった」(※2)と彼女の演技を称賛していた。miletの表現力の豊かさはアーティストとしても同様で、たとえば、昨年リリースされたEP『Anytime Anywhere』や、シングル『hanataba』の収録曲を聴いてもよくわかる。独特のハスキーボイスを活かしつつ、「Anytime Anywhere」では明るく力強いトーンで、「bliss」では荘厳さをまといながら、「hanataba」では哀愁さを滲ませながらと、彼女のボーカルは曲ごとにさまざまな色に変化する。表現力に長けた彼女だからこそ、シーンを超えて活躍できるのだろう。なお、『知らないカノジョ』でmiletは主題歌の「I still」も書き下ろしており、彼女の演技とあわせて楽しみたい。
女王蜂 アヴちゃん
少し遡ると、ドラマ『パリピ孔明』(2023年/フジテレビ系)にアヴちゃん(女王蜂)が出演。これが本格的なドラマ初出演となった。見る人を惹きつけるカリスマ性、圧倒的な歌唱力など、アヴちゃん自身の魅力も存分に発揮しながら、世界的シンガーのマリア・ディーゼル役を見事に演じてみせた。
女王蜂の楽曲でも、アヴちゃんは音域の広さや変幻自在の声色を武器にしながら、楽曲ごとのキャラクターを演じている。アヴちゃんが曲中で男性役と女性役を歌い分ける「売春」「回春」などの楽曲がわかりやすい例だろう。そして、ステージに立つ時は表情に加え、ちょっとした視線や佇まいなど、全身で楽曲の世界を表現している印象だ。常に計算し尽くされたようなパフォーマンスは、“憑依”という言葉がしっくりくるようにも思う。『パリピ孔明』の前には劇場アニメーション『犬王』(2022年)で声優にも初挑戦しているアヴちゃんだが、今後もさまざまな場面でその高い表現力を発揮してほしいと願う。
普段から“歌”を通して表現を追求しているからこそ、アーティストが本格的な演技に挑戦した際も、光るものがあるのだろう。豊かな表現力を備え、演技の世界でも存在感を示すアーティストたち。今後もどんなアーティストがシーンを超えて活躍していくのか注目だ。
※1:https://realsound.jp/movie/2024/12/post-1867487.html
※2:https://www.oricon.co.jp/news/2361506/full/