BE:FIRSTと『ONE PIECE』、呼応し合う物語 「Sailing」の歌詞&MVに刻まれる強烈な化学反応

 何せ、〈太陽に乗っかった 3Days/いつだって Don't lie 2Yourself〉である。これが『SPECIAL EDITED VERSION「ONE PIECE」魚人島編』(フジテレビ系)の主題歌の歌詞の一節であることを知れば、『ONE PIECE』ファンならば、“あの時”の麦わらの一味のようにピンとくるだろう。

 「Sailing」はBE:FIRSTが11月に配信したミドルテンポのダンスナンバー。TVアニメ『SPECIAL EDITED VERSION「ONE PIECE」魚人島編』のエンディング主題歌となっている。

 タイトルにもなっている「Sailing」(=水上で帆を利用して進むこと)という言葉をはじめ、〈どんな嵐も追い風にしよう〉〈舵を取る〉といった海賊団の活躍を描くアニメらしいフレーズが多数あるが、それはまだまだ序の口。〈涙〉〈どれだけ泣いたっていいんだ〉といった歌詞は、『ONE PIECE』ファンなら連想できるように、『魚人島編』のヒロインにして魚人族と人魚族が暮らすリュウグウ王国の人魚姫・しらほしを主眼に置いたものだろう。

 「Sailing」と『ONE PIECE』、そして『魚人島編』――。この3つがどのように折り重なり、どのようにしてリンクし合っているのだろうか。

 〈傷つけて傷つけられて 抱えた過去〉という歌詞からは、物語のなかで描かれる差別との戦いや、そのなかでしらほしに植え付けられた思いを想起させられるし、しらほしを取り巻く肉親の物語でもある『魚人島編』にふさわしく〈家族〉〈Forever family〉といった言葉が幾度も登場する。

 また『魚人島編』は、海底がおもな舞台。しかし、「Sailing」には〈空〉〈太陽〉〈もっと上に〉といった言葉が頻出するのも大きなポイント。これは地上(タイヨウの下)で暮らすことを夢見たオトヒメら魚人の思いをオマージュしたもので間違いなく、作品ファンであるメンバーのSOTA、SHUNTO、RYUHEIが作詞に参加しただけのことがあってグッとくるフレーズばかりだ。

BE:FIRST

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