倉木麻衣、歌・ダンス・ラップ……多彩な表現でファンを魅了 “百花繚乱”のデビュー25周年記念ライブ

 倉木麻衣のデビュー25周年を記念したライブ『25th Anniversary Mai Kuraki Live Project 2024 "Be alright ! " supported by U-NEXT』の東京公演が、12月7日に東京ガーデンシアターで開催された。

 25年の間にリリースして来た数多くの楽曲から、1999年のデビュー曲「Love, Day After Tomorrow」を始め、「Secret of my heart」や「渡月橋 ~君 想ふ~」などTVアニメ『名探偵コナン』テーマ曲としても知られる代表曲、さらに今年7月にリリースされたEP『forever for YOU』収録曲まで全26曲を披露し、25年の愛と感謝を歌で届けた。

 基本的なバンド編成にコーラスやサックスを加えたサポートメンバーが、横一列にずらりと並んだステージの作りは、非常にシンプル。それによって彼女の一挙手一投足に集中し歌声に没頭でき、倉木麻衣がそこにいて歌っていることが特別であると感じさせた。

 オープニングは最新EP『forever for YOU』から、「Forever for you」などを披露。いきなりアリーナ席に登場するというサプライズで幕を開けた。肩にフェイクファーをあしらった白いロングコートを身に纏った姿は、まるでおとぎ話に出てくる王妃様のようで、マイクはさながら魔法の杖。静かでジャジーなサウンドに乗せて、アリーナ席の間をゆっくりと、囁きかけるように歌いながら練り歩くと、観客はまるで魔法にかかったように、ペンライトを揺らして倉木麻衣の歌に心酔した。

 MCでは、目と目を合わせるジェスチャーを客席に送り、「(後ろまで)見えてますよ! 届いてますよ!」と言って、頭の上で大きな丸を作って声援に応えた。「今日は来てくれて、ありがとうございます。最後までゆっくり、自分のスタイルで楽しんでいってくださいね!」と倉木。デビュー当時からの往年のファン、『名探偵コナン』などで知っただろう若いファン、「麻衣ちゃーん!」と熱烈に声援を送る者もいれば、ペンライトを握りしめて静かに歌を口ずさむ者と、実に多彩な観客が集まった。彼女のMCには、言葉数こそ少ないが、そんな観客一人ひとりを気づかう優しさが詰まっていた。

 「Secret, voice of my heart」から始まったパートは、「渡月橋 ~君 想ふ~」まで、和の世界観で観客を楽しませた。朱色の着物をモチーフにした衣装、頭には太陽のような髪飾りを付け、まるで天照大神のような姿。ビジョンに花びらが舞う映像が映し出され、会場がピンクのペンライトで染まった「Time after time ~花舞う街で~」。「渡月橋 ~君 想ふ~」では、ビジョンに十二単を思わせる織物の映像が映し出され、ステージではトーチに火が灯る。和の美しくも幻想的な世界観に、目を奪われた。

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