SixTONESのラジオは自身を解放できる場所 “担任不在の学級会”の8週間~田中樹復帰回を振り返って

 「こんばんは、SixTONESの田中樹です」と久しぶりの挨拶が聞こえてきたかと思えば「12月になりまして。ここからあっというまに年末ですけども。この時期になるとアレですよ。まだちょっと早いけど、ニッポン放送のまわりがさ、一気にイルミ一色になるじゃない。あの通りなんていうんだ? 丸の内の? そうそう有楽町駅出て、帝国劇場のほうにまっすぐいったところだよね。あそこらへんがカップルで賑わって……」と数分に渡って当たり障りのないトークを披露。

 その横から「ちがうちがう……こいつよぉ……」と小声でぼやくのは、この田中不在の期間で最も闘った男・松村だ。「さ〜すがに、ちょっとあっさり帰ってきすぎかな!? お前、もっとこのラジオと向き合えよ!!!!」と大爆発。それでも、動じずに「あれ知らない?『アーパトゥ、アパトゥ』(ROSÉ & ブルーノ・マーズ『APT.』)ってやつ」と話を続ける田中に「イヤー!」と静止するかと思いきや「それは楽しそうだから、後で話そ!」と声色を急に明るく変えて笑いにつなげる。

 どこまでもシレッとする田中に、松村は絞り出すように「俺はいいよ。このブースもいいよ、いいとしても、リスナーに『お帰り』って言わせてあげようってこと!」と提言。だが、松村が頑張るほど、田中はここぞとばかりに「言いたいかな? いつものねってなってるんじゃないの? みんなも『アパトゥ』聞きたいと思ってるんじゃない?」と捲し立てる。もちろん松村は「その話はいいって!」と大きな声でツッコんだと思いきや、またもや「『アパトゥ』は後で話そ!」と先ほどのリアクションと被せてまた笑いを誘うのだった。

 「番組を守れたのか?」「MCなめんなよ!」とバチバチに殴り合いたかったという松村。それを全部見越して肩透かしな対応をしてみせる田中。「お前を守るために大きな声を出し続けたよ、ラジオで」という松村を労うどころか、気づけば「アーパトゥ、アパトゥ」と「APT.」のもとになった飲み会ゲームで盛り上がってしまうのも、田中のトーク力のなせる技といったところか。

 
 
 
 
 
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 お休み中は、行きたくなってしまうからという理由で、オンエアを聞かないようにしていたという田中。だが、奮闘しているメンバーの様子は耳に入っていたようだ。なかでも松村×森本で2人が空手の型を披露した回はInstagramで公開されている映像もチェックしたという。

 そして「ぜひ俺にもやらせてほしい」と切り出し、「独学で学んできて。千葉育ち、ストリートの型にはなっちゃうんだけど」という田中に「なめんなよ! お前ね、遊びじゃないんだよ。俺も慎太郎も空手を長年やってきて……ここ、俺の道場なんだぞ」とピリついてみせる。「ビビってんでしょ?」「お前、なめすぎ!」「俺のを目の前で披露されるのが怖いんだろ。俺の型見るのビビってんだろ。チキン野郎!」「お前、おりゃ!(ドカッという物音)ス〜〜ッ……はぁぁぁぁあっ!」とラジオにも関わらずドタバタと大暴れ。「なんで、お前組み手やってんの? 型やってくれなきゃ」という松村の虚をつかれた声で見事に落ちるのも見事。まさに喧嘩祭りといったはしゃぎ具合にニヤニヤが止まらなかった。

 また、2人はラジオでの立ち振舞いに対して、お互いに近いところがあるという。その点でいうと、MCとしてさばき甲斐のある京本出演回に放送される、京本が独特の感性で番組内番組を進行するコーナー「京本大我のオールナイトニッポン」を他のメンバーがどう対処するのか見てみたいと盛り上がる。結成10周年企画として6人回を実現させたいという話も飛び出した。また新たな伝説が生まれるのではないかとワクワクさせられる。

 きっと俳優として活躍する松村からはこんなに大声を張り上げる姿は想像もできないだろう。やんちゃに見えて丁寧にメンバーのトークを拾っていく田中の面倒見の良さも。SixTONESのノリの良さをダイレクトに感じられ、さらにはピンチのときに見せる爆発力に笑わせてもらう。全てはラジオだからこそ知ることができるものだ。

 今回のイレギュラー企画から伝わってきたのは、この番組がSixTONESにとってどれだけ安心して自分たちを解放できる居心地のいい場所なのかということ。田中がいる安定したラジオや、松村の生み出した大きな声で乗り切る勢いのあるラジオなどの型を守りながらも、さらなるストリートでワイルドな大暴れオンエアが更新されていくことを期待している。

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