ライブもいよいよ後半へ。ゴールドのロングジャケットを羽織って披露された「鳴神舞」では、ハードなギターサウンドに合わせ力強いメッセージを次々とシャウトしていく。

　インパクトのある演出で客席の心を掴んだのは「うらめしや」だ。鈴の音や和太鼓のビートに続き、花道を通りセンターステージへ向かうとダンサーとの激しい群舞とライティングで圧倒し、ラップとボーカルがとてつもないインパクトで迫ってくる。これまで覆い隠されていたNEWSの激しい一面を垣間見たようなステージだった。

　どこかノスタルジックな空気感を纏った「ギフテッド」、椅子を使ったパフォーマンスで大人の色香を漂わせた「Sweet Martini」、ワイルドでセクシーなNEWSの一面を表現した「バンビーナ」と、統一感がありつつも3人の個性が滲みだすクラシカルなナンバーが続き、ライブはいよいよ終盤に差し掛かる。

　この日一番の熱気と一体感を感じさせたのは、会場のファンによる大合唱から始まった「U R not alone」。負けじと絞り出すように熱唱する3人からは、汗がほとばしる。曲のメッセージどおり、この場にいるすべての人を牽引するかのような強い歌声だ。客席には涙を拭うファンの姿も見られた。

　「ラスト！　跳べるか？」と煽って始まった「weeeek」。「ツアーファイナル！　俺たちがNEWSだ！」と加藤がシャウト。客席が大きく揺れるほどの盛り上がりを見せた。

　トロッコで会場の隅々まで巡り、コール＆レスポンスでファンとのコミュニケーションを取った「We are Team NEWS」では、曲中メインステージにたくさんのスタッフが登場。総合演出のair:manも登場し、完璧な振り付けと弾けるような笑顔で華を添える。スクリーンには「ツアー完走おめでとう！」の文字が描かれ、ツアーの成功を祝福した。このビッグサプライズに3人も「全然知らなかったよー！」「みんな一生懸命振り付け覚えてくれたんだね！」「びっくりしたー！」と喜びを爆発させる。

　最終ブロックを飾ったのは、軽やかなステップで爽やかに聴かせた「SUMMER TIME」、そして「フルスイング」だ。確かな歌唱力に裏打ちされたユニゾンとハモの気持ちよさ、熱いメッセージを汗だくで伝える力強さ、とNEWSのミュージシャンとしての魅力が詰まった2曲だった。

　そして、ライブの最後にメンバーから挨拶が贈られた。

　小山は「毎日幸せに元気に暮らしている人もいれば、一方で苦しかったり悲しかったり限界だったり……そんな人もいるんじゃないかなって。NEWSのライブのこの日まではどうにかがんばろう、って暮らしてきたあなた。よくがんばった！　お疲れ様！　自分に拍手を！　大丈夫、そうやってこれからもNEWSに寄りかかって生きていってください。過去は変えられないし未来のことはわからないけど、少し先の未来、明日とか、明後日とか……次にみんなと会うその日までは、どうにか今日を貯めたパワーでがんばって生きてほしいって心から思ってます。みなさん、NEWSと共に生きていきましょう。よろしくお願いします！」「今日貯まったパワーで、明日からがんばれよ！」と力強く励まし、熱いメッセージを贈る。

　増田は「僕が日本を代表するアイドル、増田貴久です」と茶目っ気たっぷりに自己紹介。「JAPANEWSのツアーで言わないでいつ言うんだよって、携帯にメモしました」と笑顔を見せ、「ちょっと手前みそ……いや手前ミソスープになってしまいますが」と笑いを誘いながらも「僕はNEWSの音楽が大好きで、自分の応援歌としてNEWSの歌を歌っている時があります。今日はもちろんみんなに向けて歌ったつもりですが、自分にとっても応援歌になる曲に出会えています。どんな時にでも少しでもみんなの何かになれる曲だったり活動ができていたらいいなと思っています。また会いましょう！」とジョークを交えながらも熱い気持ちを吐露。

　MCでも期待されていた加藤の挨拶は、リングインのモーションで入り会場中が笑いに包まれる。「みなさん、NEWSはどうでしたか！　NEWSかっこよかったでしょ！　NEWS最高でしょ！　NEWSイケてるでしょ！　NEWSが一番でしょ！」とファンに呼びかけ、客席から歓声が返ってくると「俺もそう思う！　そう、これが自己肯定感！」「みんな、自分を愛していこうよ！」とコール＆レスポンスを交えたマイクパフォーマンスを次々と繰り出し、笑いと熱量を上げていく。最後には「本が出たりグッズが出たり、こんな風にライブをすると……お金がかかります（笑）！」「明日から月曜日。たくさん楽しいことをするために、僕たちは働くんです！　行きますよ！　労働！　労働！　勤労！　勤労！」と、“労働コール”で会場を一つにした。

　熱気と笑顔が溢れたライブの最後を飾ったのは「日出づる処」。同じ太陽を見られる奇跡を喜び、今後を明るく照らす太陽に祈りを込めながら熱唱し、3カ月のツアーの幕を下ろした。

　ポジティブなパワーを放ち続けた3人。彼ら自身が誰よりもNEWSの音楽を信じていて、スタッフやファンを含めたteam NEWSが作るライブのエネルギーを愛しているように見えた。ライブは、多くのファンにとってハレの日だ。アイドルもファンもこの日のために努力を重ね、ハレの日に受け取ったエネルギーを糧に日々を生きていく。そんな風景はどこかノスタルジックな日本の原風景とシンクロする。「日本」をテーマに掲げた根底には、NEWSとファンが紡いできた日々がある。デビューから今に至るまで、ずっとファンの背中を押し続けてきたNEWS。彼らの音楽を愛するすべての人の味方で居続ける――あらためてそんな彼らの覚悟を見たように感じたライブだった。