草彅剛は臆することなく夢を語り、すべて叶えてきた 映画、舞台、展示会……多忙な日々で見せる人間味

 今、草彅剛はとても忙しい。11月のスケジュールをチェックしただけでも、その多忙ぶりが窺えるはずだ。11月9日からは東京・渋谷 6142にて、自身のコレクションを披露するヴィンテージデニム展示会『STAY BRAVE』を開催。11月15日には第4編に出演したオムニバス長編映画『アット・ザ・ベンチ』が公開され、並行して12月6日より上演される主演舞台『ヴェニスの商人』の稽古もこなしながら、新聞や雑誌、WEB媒体の取材も受けている。

 もちろん、その合間には稲垣吾郎、香取慎吾らと出演しているテレビ『ワルイコあつまれ』(NHK総合)や『ななにー 地下ABEMA』(ABEMA)、関西ローカルの『草彅やすともの うさぎとかめ』(読売テレビ)、そして香取とのラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)などレギュラー番組も。そして、2017年よりコツコツと続けてきたYouTubeチャンネルの動画配信も、止まらずに更新し続けているのだ。

 こう書き出しただけで、こちらが目が回ってしまいそうになるほどの過密スケジュール。だが、最近の草彅の表情には疲弊している様子は一切ない。むしろ、充実していることがわかる生き生きとしたものだ。Instagramに投稿された『STAY BRAVE』の準備の様子を見ても、ワクワクしている様子が窺える。

 10月11日にはYouTubeにて、近況報告と題して彼自身の言葉で「忙しいんですよ、つよっちゃまは。アハハハ」と、現状について語る動画がアップされた。ギターを奏でながらリラックスした様子で語り出した草彅。話は、新しい地図を広げて以来、稲垣と香取と3人で初めての音楽出演となった9月14日放送の『with MUSIC』(日本テレビ系)について振り返るところから始まると、番組内で「10年後に東京ドームでコンサートをする」と発言したことについても触れていく。

 最初こそ「そんなことを言ってしまって」と大きな夢を語ったことに少し照れた様子を浮かべつつも、「でも言うだけただじゃないですか! 10年後じゃなくて、新しい地図10年目でもいいんですよ。言ってると言霊になるってよく言われるから」と微笑む。

舞台、TV、展示会でめちゃめちゃ大忙しの草彅剛から近況報告です!

 振り返れば、草彅は臆することなく言葉にすることで、さまざまな夢を叶えてきた。2019年11月、2022年8月と開催したギター弾き語りイベント『草彅剛のはっぴょう会』もそのひとつ。「何年か前に話した‬ これからどんな事をやりたいのか。 ‪今日ステージの上でスポットライトを浴びていた #草彅剛 は‬そのひとつを実現していた。」とは、香取が綴ったInstagramの投稿だ。

 2020年に公開された映画『ミッドナイトスワン』もそうだった。自らSNSに「#草彅剛代表作」とつけてアピールしていたが、その言葉は『日本アカデミー賞』最優秀主演男優賞を初受賞して、現実のものになった。公開3周年記念舞台挨拶では「見切り発車で言ってたんですけど、そしたら本当になっちゃって。やっぱり言霊というか、言ってみるもんでしたよね」と笑っていたことを思い出す。

 大きな夢を語り、その道のりを楽しむ。そのためにも草彅は健康的な生活を続けてきた。YouTube動画でも日頃から野菜やフルーツを好んで食べていることを語り、愛犬たちの散歩はもちろん、適度な運動も取り入れているのも有名な話だ。

 目標を定め、ポジティブな気持ちで努力を続ける。言葉にすると、至ってシンプルなのだが、それがいかに難しいことかを私たちは知っている。人間なら誰しも、ある場面で張り切った結果、別の場面でシワ寄せが……なんてことがあるからだ。

 それを見せないのがスター、という見方もあるかもしれない。けれど、草彅は時として、完璧ではない自分も“味”として見せていく。舞台で声が枯れたり、ライブでギターが上手く弾けなかったり、その悪戦苦闘している姿そのものがむしろ手触りのある熱意となって観客に届くのだ。そして何より、そんな自分を受け入れているところに、染みや傷、シワなどを「たまらない」と言ってヴィンテージものを愛するスタンスと重なっていく。

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