GLAY、ドリカム、松山千春、玉置浩二.....北海道が生んだアーティストたちと道民の絆が育む“地元愛”
北海道という広大な大地は、数多くの偉大なアーティストを生み出してきた。その中でも特に注目すべきは、GLAY、DREAMS COME TRUEの吉田美和、松山千春といった、道民の心に深く根付いたアーティストたちである。彼らは音楽を発信するだけでなく、故郷への愛、いわば“地元愛”を持って活動を続け、その存在は地元にとっても誇りである。彼らの音楽と地元との強い絆は、音楽作品はもちろんライブやさまざまな貢献活動を通じて一層深まっている。
まず、GLAYはそのキャリアの始まりから常に故郷・函館への深い愛情を示してきており、現在は彼らの存在そのものが函館の象徴となっている。これまでにも函館での大規模な野外ライブ開催や函館アリーナのこけら落とし公演を行うなど、函館との絆を常に深めてきたGLAY。2024年10月18日には『北海道道 GLAY❤北海道 スペシャル ~30年の軌跡~』(NHK総合・北海道)が放送され、30周年を迎える彼らの音楽人生と故郷への思いが改めてクローズアップされる。
ほかにも「GLAYの日」である今年7月31日には、函館市長・大泉潤とGLAYのTERUとの対談(※1)が公開され、函館という町が彼らの音楽とどれほど密接な関係にあるかが語られた。この対談は、地域に根ざした活動を続けてきたGLAYの姿勢を示すものであり、彼らの地元に対する感謝と愛情が随所に感じられる内容となっている。さらに11月には30周年を記念したツアーの一環として北海道・北海きたえーるでライブ公演が行われる予定であり、これは地元ファンにとっても嬉しいイベントとなりそうだ。
DREAMS COME TRUEの吉田美和もまた、北海道への強い愛着を持ち続けているアーティストの1人である。吉田の地元・池田町では今年7月に『ドリカムの日 - 前夜祭 -』、『ドリカムとドリカムの日』と題した野外ライブイベントが開催され、9年ぶりの池田町でのライブを成功させた。池田ワイン城の50周年とDREAMS COME TRUEの35周年を同時に祝ったこのライブは、2015年に開催された『池田町秋のワイン祭り』でのミニライブ以来の池田町での公演となる。このようなライブ活動以外にも町の施設である旧物産の館を利用したドリカムの記念館「DCTgarden IKEDA」や「DREAMS COME TRUE VINEYARD」と呼ばれるブドウ園のオープンなど地場に根差した活動を続けてきた。これらの活動は、吉田が地元との繋がりを大切にしている証拠であり、過疎化していく池田町を思い、町を活気づけるために自身ができることを考えた結果なのだろう。
また、松山千春も北海道に深いルーツを持つアーティストである。彼が2018年にリリースしたカバーアルバム『北のうたたち』には、北海道の自然や人々の生活が色濃く描かれており、松山の郷土愛が詰まった作品となっている。北海道命名150年を記念して松山本人が北海道にゆかりのある楽曲を選曲しカバーしたこのアルバムには、高倉健の「網走番外地」や藤圭子の「夢は夜ひらく」、北島三郎の「風雪ながれ旅」など、彼が長年にわたって大切にしてきた北海道の風景や生活の営みを歌った楽曲が収録されている。地元への愛を音楽作品として昇華させる純粋な松山のアーティストとしてのアティテュードを感じることができる一枚だ。