バーチャルボーイグループの先駆者、PLAVEの圧倒的“リアル”な存在感 単独コンサートアンコール公演を観て

 そして、ライブもいよいよクライマックス。「From」、「Dear. PLLI」は客席の中心に置かれたサブステージに5人が降り立ち、たくさんのPLLIに囲まれるなかで愛を込めて歌われた。光の粒子が舞い散り、ステージと客席を照らす光景は静かで美しく、印象深いものだった。メインステージに戻り披露した「WAY 4 LUV」では、爽やかなボーカルとダンスで魅了する。客席からのコールも、盛り上がりは最高潮のまま本編が終了した。

 ソファに並んで腰かけて黒のシックな衣装に着替えて再び登場したPLAVE。アンコール1曲目は、新曲「12:32(A to T)」。3rdミニアルバムに収録予定の未公開曲とのことで、PLAVEらしいハーモニーで聴かせた。

 会場のPLLIと記念撮影を楽しんだあとは、個々の感想として、数々の記録を残しながら大きな会場でライブができる喜び、そしてよい時間を過ごせたことへの幸福感、PLLIへの感謝を述べる。ライブの終わりを惜しみつつ歌われた「Merry PLLIstmas (Orchestra ver.)」では、雪の降る湖畔をバックに白い衣装でロマンチックに、時折お茶目な様子を見せながら、PLLIに少し早いクリスマスプレゼントを届けた。人気曲でもある「Our Movie」では「一緒に歩みましょう!」と声をかけ、メンバーとPLLIがひとつになり大合唱になった。

 ダブルアンコールでは、ライブTシャツにデニムというラフな姿でPLAVEが再びステージに現れた。この日最後の曲は「Pixel World (Extended ver.)」。澄んだ歌声を響かせ、ラップで客席を煽り、大きな会場全体で音楽によるコミュニケーションを取る姿は、何よりも”リアル”だ。バーチャルというある種の壁を打ち破り、メインストリームで活躍するアーティストとしての圧倒的な存在感を示しつつ、ライブは幕を閉じた。

 頻繁な衣装チェンジ、ステージ上のセットや小道具が自在に現れたり消えたり、感情とともにキュートなエフェクトが施されるバーチャルらしい演出も散りばめられていた。なにより、曲の雰囲気に合わせて瞬時に衣装やセットを変えられるバーチャルならでは強みは、さまざまなテイストの音楽を作り出すPLAVEの強力な武器でもある。ファンタジックな演出、バラエティ力、表情豊かでユーモアと笑いにあふれた素顔、クリエイター/パフォーマーとしてのたしかな実力……どれもがバランスよく融合していたステージだったのだ。バーチャルボーイグループの先駆者としての唯一無二の輝きは、これからも日々磨き上げられていくのだろう。その輝きがどこまで到達するのか、今後も見守っていきたい――そんなふうに思わされたライブだった。

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